最近、おひとりさまから受ける相談で、めっきり増えているのが「老後のお金について」です。20代から40代まで年代問わず多くの女性が、老後生活に不安を抱えています。働く女子が増えるのは社会的には好ましい反面、現在、少子高齢化により、公的年金制度を支える若い世代がどんどん減っている状態。もはやギリギリということ、ご存知でしたか?
あなたは準備大丈夫?
老後に必要な金額っていくら?
2016年6月7日
私達の老後にはゆったりしたリタイア生活を過ごせない?
毎月年金保険料が給与から天引きされているものの、「本当に将来受け取れるの?」「受け取ったとしても、公的年金だけで足りるの?」「年金の他に貯金もしっかり準備しないといけない?」などと不安になるのは当然です。
あまり心配しすぎて今の生活が謳歌できないようでは考えものですが、早いうちから危機感を持って準備しておくに越したことはありません。
年金受け取り開始の時期、言える?
現在、公的年金の受取開始年齢が段階的に65歳まで引き上げられていますがさらに中長期的には、就労期間の延長と共に、68歳、70歳までの引き上げも検討されています。
特に女性は老後期間が長いため、リタイアした後の収入減をどう確保するかが切実になってきます。
そもそも、仕事から離れてゆっくり大好きな旅行でもしながら過ごそうか…という、従来のイメージの老後生活は存在し得なくなるのかもしれません。
老後の家計収支は赤字は避けられない
私たちが老後を迎える頃、日本がどうなっているかがわからないのが正直なところ。これから爆発的に経済が浮上したり、出生率が上がったりすれば別ですが、受け取れる公的年金額が今より増えているという楽観的な期待は残念ながら持てません。
受取額は下がり受給開始年齢も先延ばしされると、腹をくくって臨む方が無難です。 実は、現在公的年金を受け取っている世代ですら、すでに毎月の収支に赤字が出ています。
現状ですら○万円の赤字?!
総務省が発表をしている「家計調査報告(2015)」によると60歳以上、2人以上で暮らす無職世帯では、月平均約6万8,000円の赤字、単身世帯では、約4万1,000円の赤字。
この赤字分を各世帯が貯金の取り崩しで補っているということになります。決して余裕がある家計とは言えません。
現状のリタイア世代ですら赤字の状態であるこの最中、さらに数十年後に年金を受け取る私たちの世代が今より恵まれているとは、やはり考えづらいのです。
老後のためにいくら貯金が必要?
しかも、このデータの金額は、基本的に衣・食・住の基本生活費にかかっているお金。住居費用もローンなどがない持家を前提にしたコストになっています。つまり無借金の状態での結果が先ほどの金額です。
ですから、おばあちゃんになっても、エステに行ってキレイでいたい、女子友達とおいしいものを食べたり、旅行に行ったりしたいとなると、もっとお金が必要になってきます。
ゆとりある老後で更にお金が必要に
生命保険文化センターが行う意識調査「生活保障に関する調査(平成25年度)」を見ると、夫婦2人で老後生活を送るうえで必要と考える最低日常生活費は月平均22万円、ゆとりある老後を送るためには1ヵ月当たり平均13.4万円の上乗せ額が必要となっています。
おひとりさまの場合は7割の9.4万円は必要でしょう。
おばあちゃんになって余裕をもった老後を過ごしたいとなると、さらに10万円はプラスして考えておきましょう。
ではこの赤字の分を補うために老後までにどのくらいの金額を貯金しておけばよいのでしょうか。現在の高齢無職世帯の収支を元に計算すると、おひとりさまの場合で1,900万円という金額になります。
少子高齢化が今後さらに加速すれば、年金財政はより悪化していきます。今からできることを早めにスタートさせてこそ、安心出来る老後を得ることができそうですね。