消費増税や少子高齢化などで先行きの不安な今、貯金を増やすひとつの方法として不動産投資を考えている人も多いのではないでしょうか。しかしこの不動産投資は、不動産の知識やお金の教養なしにおこなうと、高い確率で失敗してしまう投資法です。不動産投資を成功させるためにおさえておくべきポイントを、実際の失敗例をあげながらご紹介しましょう。
9割が失敗する!?
不動産投資、成功のための大切なコツとは?
2016年6月1日
知識があってこそ、不動産投資が手堅くなる
よい物件を選ぶことができれば、安定した家賃収入が確保できる上に、売却してまとまったお金を手にすることができる可能性のある不動産投資ですが、実は不動産投資をしている8割〜9割の人は失敗しているといわれています。
不動産投資をする場合には特別なスキルは必要ありませんが、不動産投資の勉強をして知識を付けた上でスタートすることはとても大切なこと。というのも、不動産は金額が大きいので失敗してしまうとライフプランに大きく影響がでてしまうからです。
不動産投資は手堅く先の収支が見通せる投資法だといいましたが、それは、家賃収入だけでなく、管理費や修繕積立金、税金などの経費の計算、また突発的な経費まですべて計算し、長期にわたってきちんとシミュレーションができている場合をいいます。こういった細かな計算もせず、なんとなく良さそうだと思って始めてしまうと、ほとんどのケースで失敗してしまいがちです。
利回りの考え方、収支の計算、諸費用、税金、物件に関する知識、物件の探し方、融資の仕組みについてなど、基本的なことはきちんと学んでから始めるようにしましょう。
基礎知識を身につけるにはセミナーもオススメですが、受講するとしつこい押し売りにあいそうで怖いという人も多いでしょう。まずは自力で情報収集をしてみるところからはじめるのがいいかもしれません。
インターネット上の情報は手軽に得られて便利ですが、たしかなものから情報元があやしいものまで玉石混交です。はじめて情報収集をおこなうときは不動産投資の専門家が書いた書籍を数冊読み込み、情報の信憑性をある程度判断できるようになっておきましょう。ネットサーフィンはそれからはじめるのが無難です。
複数の書籍、ウェブサイトに同じ情報が掲載されている場合、その情報の信憑性は高いと考えて問題ありません。逆に個人ブログなど一部のウェブサイトにしか掲載されていない情報は、いくら“おいしい話”であったとしても注意が必要です。
同じように、個人が無料で開催している勉強会もしっかりと吟味したうえで参加するのがベターです。メンバー同士で知識を交換しあうことを目的とする良質なものももちろんありますが、なかにはネットワークビジネスなどの勧誘を目的としている会もあり、トラブルもたくさん報告されているからです。
目の前にある情報を冷静に読み解き、そのときの状況に応じた判断をくだす能力は、不動産投資そのものの成功にも必要不可欠なもの。勉強をはじめる前からその鍛錬ははじまっていると考えて基本的な情報リテラシーを身につけておくと、本格的に投資をはじめたあとも安心です。
おいしい営業トークにはウラがある
最近は、比較的収入が安定しているおひとりさま女性に対して、投資用物件を販売している業者が積極的に営業をしているようですが、そのほとんどのケースが新築マンションの投資用物件の営業です。
営業トークとして多いのが、「新築マンションをローンを組んで買うと、通常は毎月10万円の返済になりますが、7万円で人に貸せば毎月3万円でこの物件が手に入るんですよ。ローンが終わったら7万円の家賃収入が入りますよ」というもの。
3万円の負担で新築マンションが手に入ってローンが終われば7万円の収入が毎月入ると思えば、悪くないと思う人も多いのではないでしょうか。でも、これは、ずっと満室になっている場合のこと。途中でもし空室になった場合には、業者が儲かるだけで、ほとんどメリットはありません。
空き室リスクが怖いからといって家賃保証制度を活用すると、そこでまた経費がかさんでしまい持ち出しが増えてしまいます。こうなると、いつまでたっても儲からない状態が続いてしまいます。
新築物件の売却にひそむ落とし穴って?
しかも途中で売却する場合でも新築物件は、広告宣伝費などが物件価格の1割〜2割程度のっているので、仮に2000万円で購入したとしても翌日には1600万円〜1800万円程度の価値しかなくなってしまいます。こうなると、買ったときよりも大幅に値が下がった状態で売却するしかありません。貸しても売却しても損をしてしまうことになります。
これはあくまでも一例ですが、基本的なお金の教養がないと業者だけが儲かる物件をみすみす買うことになってしまいかねません。不動産投資を始める前には、書籍や知識を身につけることができる学校などで基本的なことを学んでから行なうようにしましょう。