老後の生活費に介護費用…と、将来のことを考えると、かなり気持ちが萎えそうになる人も多いとは思いますが、遠い未来の話といえど、今からちゃんと備えておく必要があります。60歳までの貯金を35歳から始めるとしたら25年間。25年間もあればしっかり貯まるだろうと思えそうですが、しっかり考えないと、苦労をすることも…。少しでもお金がプラスに回るよう、一度金利について考えてみませんか?
老後のお金は自分で作る!
そのための方法って?
2016年5月30日
預貯金に頼っていては老後に間に合わない?!
「お金を増やすには銀行に貯金をするのが一番!」という風に考えていませんか?日本人は元来、元本保証で、安全・安心な預貯金が大好きな国民として知られています。事実、日本の金融資産の内訳を諸外国のものと比べると、投資の比率よりも預貯金の比率の方が圧倒的に高くなっています。 でも、残念ながら預貯金だけにお金を預けていてもなかなかお金増えません。なぜなら、日本の金利はバブル崩壊以降、超低金利だからです。ちなみに、2016年4月現在、大手都市銀行の普通預金の金利は0.001%。これを72の法則(72を運用の利率で割ると、元手を2倍にするためにかかるおおよその年数がわかる公式)に当てはめると、答えは72000年。つまり、100万円預けてそれを2倍の200万円にするのに72000年かかるということです。老後に間に合うどころか、極端な例を挙げると、ホモ・サピエンスが進化し始めた時代から始めて、今ようやく倍になったということです。考えるだけで記が遠くなっちゃいそうですよね。
インフレで「お金の価値が下がる」とは
また、今政府はデフレからインフレへと経済政策をシフトさせており、今後、日本はインフレになることが予想されています。インフレとは、物の値段が継続的に上がることをいいます。今まで100円をだせば買えていたものが、100円をだしても買えなくなるのですから、インフレになったときに、利息がほとんどつかない預貯金だけに頼っていると、自分の資産は実質目減りすることになってしまいます。 20年、30年先の老後のお金を本気で貯めようとするのであれば、預貯金だけしていればOKという考えはあまり良いものではありません。「お金にも働いてもらう」つまり、積極的な資産運用を取り入れていくことが必要不可欠となっていきます。
複利を上手に利用して、お金を大きく動かそう
では、お金に働いてもらった場合と預貯金に預けていた場合では、25年後にどれだけの差がでるのでしょうか。例えば、35歳から60歳まで25年間、老後のために毎月3万円を積み立てるとしましょう。このときの積立総額は900万円です。これをタンス預金ではなく、年利0.1%の定期預金に預けると、25年後の金額は約911万円。11万円ほど増えることになります。 これが年利3%で複利運用した場合はどうでしょうか。同じ3万円の積立でも、なんと25年後には、約1341万円に。たった数%の利回りの差が400万円以上の差を生むのです。 すべてのお金を投資に回す必要はありませんし、むしろそれは絶対にNG。まずは、貯蓄の一部を、月額1万円程度投資信託などの積立投資にあてるところからスタートしてみてください。その際、「複利方式」を選ぶことを忘れずに。複利とは、一定期間についた利息を元本に組み入れ、それらを合わせた金額を再投資して、次の期間の利息を計算する方法です。
単利と複利、同じ期間でこれだけの差がでる!
ちなみに利息が元金に組み入れられない「単利方式」で積立てていけば、25年後には約935万円。同じ期間・同じ年利3%で積立運用したとしても、積立金額に単に利息が付く単利方式と、利息が利息を生み、雪だるま式に資産が増えていく複利方式では400万円もの差が出るのです。投資期間が長ければ長いほど、その差はより大きくなります。「利益が出た!」と喜んですぐ使ってしまうのはちょっと待って!投資の原資に組み込む運用を続けてこそ、より大きなお金に繋がります。今の楽しみを将来の楽しみにとっておいてくださいね。
お金の教養を身につけて、お金と共働きをしよう
運用をすることで、積立総額が同じでも貯められる額がぐんと増えるということを逆の視点からも見てみましょう。40歳から65歳までの25年間毎月積立をコツコツと行い、3000万円を貯めるとします。その場合に必要な積立額を計算すると、年利0.02%の普通預金オンリーの場合は、毎月約10万円。年利0.1%の定期預金だとすると、毎月約9万8000円が必要です。 ところが、少しリスクをとって、年利3%で運用ができる仮定で計算すると、毎月の必要積立額は約6万7000円へと、3万円以上も減らせるのです。 家計をやりくりしながら積立をしていく中で、毎月3万円の差はとても大きいですよね。「お金に働いてもらう」ことは、今の自分や未来にとっても大きなメリット。ぜひ、お金の教養を身につけ、お金に働いてもらう仕組みを学んでみてくださいね。