憧れのマイホームを建てて、ローンも払い始めた、そんなときに大きな病気になったら、あなたはどうしますか?万が一の不安を少しでも軽くするため、どんな対策があるかチェックしてみましょう。
知らないままでは怖い!
ローン返済時の病気になったら、どうなる?
2016年9月15日
団体信用生命保険だけで安心していませんか?
住宅ローンを組む際にほとんどの人が加入する団体信用生命保険。 民間の金融機関では住宅ローンの条件として団体信用生命保険への加入が義務付けられているため、実は内容をよく理解しないで言われるままに加入したという人がいるかもしれません。 住宅ローンを返済中に「もしも」のことがあって返済できなくなる場合の対策、というのが団体信用生命保険の役割です。 でも、それだけで安心していてはNG。
債務免除になるのはごくわずかのパターンのみ
というのも、通常の団体信用生命保険に加入している人が住宅ローンの返済中にもしものことがあって債務免除になるのは、「死亡」または「高度障害」状態になったときだけ。 高度障害とはその名が示すとおり、体の一部の機能を永遠に失ってしまうような大きな障害状態とされています。 例えば、「両眼の視力を全く永久に失ってしまう」「言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ってしまう」「胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する」などが該当します。 ここで注意したいのが、病気になった本人や家族にとっては大きな障害状態でも、高度障害状態と認定されない場合もあること。 例えば心臓ペースメーカーを埋めこむのは絶体絶命の一大事と言うような大きな病気ですね。 その後の仕事も制限されるかもしれません。でも、その状態が常に介護を要する状態でなければ高度障害とは認められず、債務免除にはならないのです。
病気を保障してくれる団体信用生命保険も!
このように、ローン返済中の「もしも」で一番困るのが、病気などで収入が途絶えたり減少したりしながらも、変わらず住宅ローンを払い続けなければならない状態に陥ること。 死亡や高度障害でなくても住宅ローンの支払が免除されるような保険があればいいと思いませんか? 実は、そんな保険があるんです。
3大疾病保障付団体信用生命保険
それが「3大疾病保障付団体信用生命保険」です。 スタンダードな団体信用生命保険の保障に「がん・脳卒中・急性心筋梗塞」の3大疾病保障特約が付いた3大疾病保障付団体信用生命保険。 ローン返済中に死亡・高度障害に加え、これら3大疾病に罹患し、所定の状態となった場合に債務免除となるというものです。 この特約をつけることで、通常の団体信用生命保険に比べて住宅ローン金利は少しアップしますが、保障の幅が広がるのは大きなローンを抱える者として安心ですね。ちなみに、ローン適用金利に0.3%上乗せとする金融機関が多いようです。
8大疾病保障付団体信用生命保険なんてものも
通常の団体信用生命保険および3大疾病に加え、「高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変」の4つの重度慢性疾患に対する保障が付いた「7大疾病保障付団体信用生命保険」や、それらにさらに「慢性膵炎」の保障を付けた「8大疾病保障付団体信用生命保険」というのもあるんです。 保険金の支払い要件は契約している金融機関によって異なりますが、これらの病気が原因で就業不能状態が1ヶ月を超えて継続した場合に、毎月のローン返済額が保険金として支払われるのが一般的。さらには、就業不能状態が1年間継続した場合はその後のローン支払いが免除されます。 なお、金融機関によっては年齢によって保険金の支払われ方が異なる場合があるので、しっかり確認するようにしましょう。
すでに入っている団信を疾病保障付に変えられる?
これから住宅ローンを借りるという人は病気のリスクと金利、ローン支払額等を総合的に考えながら、幅広い保障の団体信用生命保険への加入を検討してみましょう。 でも、ローン返済中で既に通常の団体信用生命保険に加入している人はどうすればいいでしょうか? 残念ながら、一旦加入した団体信用生命保険は途中で変更することはできません。 保障内容を変更したい場合は、ローンを借り替え、団体信用生命保険も新たに加入し直さなくてはなりません。
もちろん、ローンの支払いを確実にするための保険とはいえ、生命保険ですから加入の際には一般的な生命保険同様に健康状態についての告知が必要です。 それでもやはり、長期にわたる住宅ローン返済中の「もしも」を考えるなら、健康なうちにローンの借り替え、団信の保障内容の変更を検討してみてはいかがでしょう。 長く続く低金利もきっと後押ししてくれることでしょう。