今話題のiDeCoとつみたてNISA。お金のことに関心がある女性なら、どこかで聞いて気になっているはず。でも、実際どんなものなのかよくわからないし、なんだか面倒くさいと感じて、ついつい後回しにしていませんか?
早く始めるほど効果があるので、これを読んでいる今こそ、やってみる絶好の機会ですよ。
知ればトクする!
iDeCoとつみたてNISAで
老後資金を賢く貯める方法
2017年11月30日
老後資金の確保は本気でやらないとヤバい!?
いまから約30年後の2050年頃、日本の65歳以上の人口は38.8%となり、約4割が高齢者という超高齢化社会がやってくると言われています。
現役世代1.5人で高齢者1人を支えるため、もらえる年金額は少なくなり、年金をもらえる年齢も引き上げられるでしょう。
さらには医療の発達で、平均寿命が延び、100歳まで生きる人が珍しくない時代となる…と言われています。
長生きすればするほど、老後資金が必要となる“長生きリスク”も問題となってきます。考えれば考えるほど先行きが暗くなってきてしまいますが、ここで味方になってくれるのが時間です。
今から老後までの長い時間を使って積み立てていくことで、まとまった老後資金を確保することができます。
その積み立て方法としておすすめなのが、これから紹介するiDeCoとつみたてNISAです。
iDeCoとは?
iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことで、個人で掛金を運用し、運用成績に応じた額を一時金か年金で受け取ります。
2017年から専業主婦、公務員、今まで企業年金があったために入れなかった会社員まで、ほぼすべての国民年金加入者が入れるようになりました。
メリット
税制面で3つのおトクがあります。
1.掛金の全額が所得税、住民税の控除対象となります
iDeCoの最大のおトクはこれです。収入が多ければ多いほど税金がかかりますが、掛金分、収入を少なく見積もってくれるので、納める税金が減ります。
たとえば、年収500万円の35歳女性が月に2万円ずつ掛金を積み立てていった場合、所得税、住民税合わせておよそ年間48,000円の節税となり、60歳までの25年間では120万円の節税となります。
2.運用益が非課税となります
上記の例で仮に3%の運用利回りで25年間運用できたとしたら、運用益は約292万円になります。税率を20%とすると、584,000円おトクとなります。
3.受け取り時の税金の優遇があります
一時金で受け取った場合は退職所得控除が、年金で受け取った場合は公的年金等控除が受けられます。
気を付けたい点
1.60歳まで、解約ができません
引き出しができないという点をデメリットと感じる人には、次に紹介するつみたてNISAがいいでしょう。
2.手数料がかかります
金融機関によって運用商品や口座管理手数料が変わってくるため、手数料の違いが長い積立期間で大きな差となります。コスト面に注目して金融機関を選びましょう。
対してつみたてNISAには口座管理手数料がなく、信託報酬も割安のものの中から選べるようになっています。
3.専業主婦の場合、掛金控除の恩恵がありません
当然ながら、所得がなければ控除はできないので、iDeCoの最大のメリットが使えません。
それでも運用益の非課税などは魅力的なので、NISAと比較して利用してみるのはありだと思います。
つみたてNISAとは?
NISA=少額投資非課税制度は、株式や株式投資信託の配当所得や譲渡所得が決められた上限額まで非課税になる制度で2014年に始まりました。その積み立てバージョンとも言えるものが2018年からするスタートするつみたてNISAです。
メリット
1.年間40万円まで、最長20年間非課税で運用できます
つまり最大800万円の投資額を非課税にできます。現行のNISAは上限額は120万円ですが、非課税になる期間は5年間なので、最大で600万円でした。コツコツ長く積み立てて、老後資金を貯めたい人にとってはつみたてNISAは魅力的な制度です。
2.いつでも売却できます
iDeCoが60歳まで引き出せないのに対し、NISAはいつでも売却して引き出せるので、急にお金が必要になった時に対応できます。裏を返せば、老後資金を貯めるという意図においては強制力が弱いとも言えます。
3.投資初心者でも安心して運用できます
現行のNISAと違い、個別の株式には投資できず、投資対象は投資信託のみとなります。
その中でも、長期運用に向いている、信託期間が20年以上、毎月分配型ではない(※)、信託報酬(手数料)が安い等の条件を満たしたものに限られているため、投資信託選びが難しい初心者でも手を出しやすく、基本ほったらかしで運用できます。
※毎月分配型は、複利効果が薄れるため、長期運用には向きません。また、分配金は運用による利益だけでなく、元本を取り崩して支払われるケースもあります。
気を付けたい点
1.NISAとつみたてNISAは併用できません
今までのNISAからつみたてNISAに変更するには切り替え手続きが必要です。年ごとに変更は可能です。但し、それぞれで運用中の商品を移動することはできません。
2.損益通算と損益繰越ができません
NISAの非課税というメリットは、利益が出た場合はメリットになりますが、損失が出た場合はその損失はなかったものとされてしまいます。
つまり、利益と損失を通算させて、税金を減らすこと(損益通算)や、確定申告をして、損失分の税金の控除を3年間繰越すこと(損益繰越)ができません。
これはiDeCoでも同じですが、多少の損失は、所得税、住民税の節税効果でカバーできます。NISAの場合、損失を出すと通常の投資よりも損をするというわけです。
ただ、長期積み立ての投資信託による分散投資では、損失が出るケースは少ないと思われますが、投資に絶対はありません。
iDeCoとつみたてNISAのそれぞれの特徴がお分かりいただけたでしょうか。
どちらも老後の資産形成を目的とした長期運用が前提となるため、早く始めればそれだけメリットも大きくなります。
あなたに合うのはどちらでしょうか。併用も可能なので、余裕があれば両方やってみるのもいいかもしれませんね。