私達の老後の生活を支える年金。会社や市区町村任せになっていませんか。あなたのライフステージが変化した場合に、きちんと届け出をしておかないと、将来年金を受給することができないかもしれません。どんなケースに注意しなければいけないのか、しっかり確認しておきましょう。
こんな人は要注意!
年金の届け出が必要なケースとは?
2017年11月10日
国民年金の種別を確認
国民年金は、私たちの老後の生活を支える大切な制度です。日本に住む20歳から60歳までの人が加入し、年金保険料を納付する義務があります。
加入者は、どんな職業についているか、結婚しているかどうかなどによって、3種類に分けることができますね。自分が属しているのはどの国民年金なのか、まずはしっかり確認しておきましょう。
第1号被保険者:フリーター、学生、自営業者、農業者
第2号被保険者:公務員、会社員(厚生年金や共済組合に加入している人)
第3号被保険者:公務員や会社員の妻(第2号被保険者に扶養されている配偶者)
こんな人は届け出が必要です!
結婚をしたり、就職をしたり、退職をしたり、自分の生活状況が変わることで、先ほどご紹介した第1号、第2号、第3号の種別が変化します。この種別に変更が生じた場合、区役所や市役所などの年金課や勤務先に、速やかに届け出をする必要があります。
きちんと変更を届け出ておかないと、年金の記録が途中で途切れてしまった、なんてことが起こり、最悪の場合、将来年金がきちんともらえないなんていうことも。
どんな場合に届け出が必要なのか、主なケースを詳しく見ていきましょう。
20歳になった時
会社などに勤めていない方が20歳になった場合、第1号被保険者の加入の手続きが必要になります。
大学や専門学校などの学生は、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられていますよ。家族の方の所得額は関係ないので、この制度を利用したい方は、市区役所・町村役場の国民年金窓口や近くの年金事務所に問い合わせを行いましょう。
詳しくは、こちらの日本年金機構のサイトを確認して下さいね。
会社に就職した時
今まで学生だった人が就職をした場合、また、専業主婦をしていた方が会社に復帰した場合などは、第2号被保険者の加入の手続きを行いましょう。
手続きは、新しい勤務先で行います。入社する際に、人事部に確認をして、必要書類を提出することが大切です。
会社を退職した時
今まで、第2号被保険者だった方が退職をした場合、第1号被保険者への加入の手続きを行う必要があります。
年金手帳などの必要書類を揃えて、市区役所・町村役場の国民年金窓口や、近くの年金事務所に速やかに届け出を行いましょう。
結婚をして配偶者の扶養に入った時
今まで会社に勤めていた方(第2号被保険者)や、フリーターだった方(第1号被保険者)が、結婚を機に退職し夫の扶養になった場合、第3号被保険者への種別変更の届出を行う必要があります。
変更手続きは、配偶者の勤務先で行いましょう。夫から会社の人事部に問い合わせを行ってもらい、必要書類を提出します。
自分だけではなく、夫に手続きをしてもらう必要があるため、忘れずに届け出をしましょうね。
配偶者の扶養から外れた時
在宅で仕事を始めたなど、夫の扶養から外れた場合は、第3号被保険者から第1号被保険者への変更の手続きを行います。
こちらの手続きは、市区役所・町村役場の国民年金窓口や、近くの年金事務所へ。変更手続きが遅れて年金保険料の納付漏れがあると、将来の年金額が減ってしまう可能性があります。きちんと確認しましょう。
外国に住むことになった時
転勤などで外国に住むことになった場合は、区役所や年金事務所で、必要な手続きを行います。
日本に住民票がない方は、国民年金は強制加入被保険者ではなくなりますが、日本国籍の方であれば、国民年金に任意加入することが可能です。任意加入するかどうかで、将来受け取れる年金額が変わってくるので、しっかり考えて、必要な手続きを行いましょう。
詳しくは、こちらの日本年金機構のサイトを確認して下さいね。
今の年金状況を確認したい時は?
ライフステージが変化した場合に、きちんと年金の届け出が必要なことは理解できたけれど、自分は以前変更手続きをちゃんとしただろうか、今の年金の加入状況を確認したい、と思った方はいませんか。
そんな方は、まず、年に1回郵送されてくる「ねんきん定期便」をチェックしましょう。ねんきん定期便には、あなたが加入している年金の種類はもちろん、いくら保険料を納めているのか、将来もらえる年金額の目安はどのくらいなのか、などが記載されています。
ねんきん定期便の詳しい見方については、こちらの「教えて!「ねんきん定期便」の上手な見方とは?」の記事を参考にして下さい。
また、それでも自分の年金の加入状況について不安や疑問点がある場合は、市区町村の年金課や、会社の人事部に、年金の加入状況の確認してみましょうね。
いかがだったでしょうか。年金は、私たちの老後の生活を支える大切な制度です。市町村や会社任せになっていたり、いつか手続きをすればいいやっと後回しにしていると、将来後悔することになるかもしれません。これを機に、自分の年金の加入状況をしっかり確認しておきましょう。