今の30代女子は小さい頃にぼんやりとバブルの風景を目にし、物心つく頃からバブルが崩壊していく様子を見てきました。就職氷河期に社会に出た私達世代は「ロスジェネ世代」とも呼ばれますが、バブルという特殊な時代の終わりを肌で感じてきた私達は、他の世代より『お金って怖い』というイメージが強いのではないかと感じます。そんなイメージを払しょくするためにも、ロスジェネ世代の私達が知っておくべきお金の教養があります。
ロスジェネ世代の
私達が知るべきお金の教養とは
2017年10月19日
ロスジェネ世代が感じる『お金って怖い』イメージの原因は?
私達ロスジェネ世代はバブル真っ只中に子供の頃を過ごしました。街の賑やかさ、夜のネオンの明るさ、子供心にも街に活気がある様子を感じていたと思います。
しかし、その後バブルがはじけます。
私達の青春は、景気がどんどん悪くなる時代に重なります。バブルという特殊な時代の絶頂期と、その後の転落を多感な青春時代に目の当りにした私達は、まさに人生をも狂わすような、お金の持つ力の怖さを肌で感じてきた世代なのです。
こんなテレビ番組、今より多かった気がしませんか?
思えば、バブル崩壊後しばらくしてから、テレビ放送では「大儲けからの大転落」「転落人生」「一気に数十億円の借金地獄」などといったテーマの番組が多く放映されたような気がします。
このような番組は、多くの人に「投資は怖いものだ。」「楽して稼ごうとするから、こうなるんだ。」「欲に目がくらむと痛い目に合う。」といったことを教訓のように印象付けました。親世代もそのように、私達子供に教えました。
ロスジェネ世代の私達は、このような背景の中で『投資は危険』『投資は楽をして稼ごうとする方法だ』という極端な認識を無意識のうちに持つようになったのです。
投資はギャンブルとは違う
そんな私達が知っておくべきお金の教養は、「投資はギャンブルではない」という考え方です。
賭け事と同じように、予想を的中させれば大儲け、予想が外れれば大損をする……もしかしたら、投資に対してこんなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、そうではない投資のやり方もあります。
オイシイ話に手を出すと痛い目に合うという考えは、半分正解ですが半分不正解です。
怖いイメージだけで投資を敬遠せず、銀行預金以外にも自分の選択肢を増やすつもりで、まずはその仕組みを勉強してみましょう。
「投資=怖い」は嘘? 初心者によくある4つの間違い」の記事でも、不安を減らす内容を紹介していますよ。
お金が足りなくなるかもしれない怖さもある
また、私達の親世代は、働いている最中にバブル~バブル崩壊を経験した世代です。
そんな親世代が私達世代に教えたことは「とにかく貯めろ。」という考え方ではないでしょうか?
その頃の定期預金金利は最も高いときで6%を超えています(※参照)。資産運用という考え方をしなくても、銀行にお金を預けておけば、それでいい時代だったのです。
またバブル崩壊を乗り越えた世代ですから、「何が起こるか分からない。」「いつお金が必要になるか分からない。」そういった気持ちも強く持ったことでしょう。
このような背景が、ますます「とにかく貯めろ」という教えを強化したのかもしれません。
※参照元 日本銀行 統計の概要および公表予定(目次:預金金利)
ロスジェネ世代で“お金を使うのが怖い病”が多発
バブル崩壊を見て、さらに親からは「とにかく貯めろ」と教えられ、就職氷河期に社会に出たロスジェネ世代。
このような背景から、私達の世代では“お金を使うのが怖い病”が多発しています。
お金の悩みというとまず、「使いすぎてしまうこと」をイメージするかと思いますが、実は同じぐらい「お金を使えない、どう使っていいか分からない」という悩みが続出しているのです。
お金を使うことは、つまり「とにかく貯めろ」という考えに反することになりますから、使うのが怖くなるのですね。
ですが、このような考え方では、常に「最も安い方法で生活する」ことになってしまうと思いませんか?
お金を使わないことを一番に考えて物事を選択すると、最小限の望みしか叶えられない人生になってしまいます。
貯めることの重要性はもちろんですが、お金を使うこと、使い方にこだわることは、貯めることと同じぐらい重要なのです。
親世代の子育て期=バブル(特殊な時代)
金銭感覚という言葉を聞くと、欲しいものを我慢できる力のことだと思う人は多いです。確実に貯める力という考え方ですね。
ですが、「貯める力」と「使う力」は2つで1つ。どちらも合わせ持って金銭感覚と言えるでしょう。
私達ロスジェネ世代は「ただ貯めればいいものではない」という認識も、お金の教養として持ちたいものです。
これからの時代は「とにかく貯めろ」では通用しませんし、投資の知識も必要です。お金を上手く「使う力」も必要です。
ちょうど私達は今、そしてこれから、子育てをする世代になります。自分が親になった時に最も参考にするのは、自分がどう育てられたか、つまり自分の親の教えではないでしょうか。
ただ、その「親が子育てをしていた時代」は、バブルという特殊な時代だったことを意識しなければなりません。
その頃は、年功序列・終身雇用という考え方が今よりも強かった時代ですし、専業主婦世帯が共働き世帯より多かったことも、現在とは異なります。
社会の状況が変われば、それに合ったやり方も変わります。親世代と全く同じようにやるのが正解とは限らないという認識を持ちましょう。
根幹を支えるライフプランという考え方
お金を使うのが怖いという人には、ライフプランを考える方法がオススメです。
お金を使うのが怖い理由の大半は、『将来に足りなくなるかもしれないから』という気持ちが占めています。
ライフプランを考えておくことで将来のお金が足りなくなる不安を払しょくできれば、あとは安心してお金を使えるようになります。
使っても大丈夫だと知ることで、今度はその使い方にこだわって、活きたお金の使い方を考えるようになるのです。
ライフプランの具体的なつくり方については「あなたの人生計画を立てよう! ライフプランで分かる5つのこと。」をチェックしてみてくださいね。
ロスジェネ世代の私達だからこそ気付けることがあります。お金の怖さを認めた上で、だからどうするか。前向きなイメージでお金との付き合い方を考えてみませんか?