今年もすでに豪雨の被害が出ています。地震に代表されるように、いつ・どれだけの被害が起こるか予測のできないのが自然災害ですが、台風は毎年だいたい決まった時期にやってくるもの。自分には関係ない…と考えず、もしもの備えについて知っておいて損することはありません。今回は、台風災害で考えられる被害と、その対策となる保険について説明します。
台風・豪雨への備え…
どんなときにどんな保険が有効?
2017年9月20日
台風の被害にはどんなものがある?
台風によって引き起こされる災害には、風害、水害、高潮害、波浪害などがあります。テレビのニュースなどで強風で標識や木々が倒れたり、大雨で川が氾濫したり、雨で地盤が緩んで土砂崩れを起した様子を見ることが多くなりました。
大きなものから小さなものまで 被害はさまざま
目を覆いたくなるような大被害の状況が報道される一方で、窓ガラスが割れる、住居の屋根が壊れる、屋根が壊れて水浸しになる、水浸しのせいで家電製品やパソコンが壊れる、道を歩いていて転倒する、飛来物に当たって怪我をする……など、挙げればきりがないほどの身近な被害があり得ます。
報道・情報伝達の発展により、台風や大雨による甚大な被害は海沿い・川沿い・山間地域などで多く起こるものというイメージが植え付けられている人もいるかもしれません。
しかし、都市に住んでいても台風災害のリスクは常にあるということをあらためて頭に入れておきましょう。
どんな被害にどんな保険?
台風被害には保険で備えることができますが、何に被害を受けたか、どんな被害を受けたかによって対象となる保険の種類が異なります。
被害例をいくつか挙げながら、何の保険で備えればいいのかみていきましょう。
家の窓ガラスが割れた
窓ガラスに限らず、屋根が壊れたり、そのせいで家の中が水浸しになるような場合、火災保険で備えることができます。
火災保険は火災だけでなく、風災・水災・雪災・落雷などの風水害等を補償するもの。だから、台風による強風や大雨が原因で家屋に損害を受けた場合には補償の対象となるんです。
住宅ローンを払っている人、賃貸住宅に住んでいる人などは火災保険への加入が義務付けられている場合がほとんどですから、すでに加入済みという人は多そうですね。
風で飛ばされた木の枝が飛んできて車に当たった
車関連の保険といえば自動車保険。「車両保険」をつけている場合に限られますが、台風の影響で自分の車に損害を被った場合にも自動車保険が適用されます。
木の枝などの自然物に限らず、強風で物が飛んできて車に当たり、損害を受けた場合や、また大雨で増水しているところに車が通り水没した……などの場合にも補償されます。
強風で転倒し、ケガをした
風水害によりケガをした場合には、傷害保険が対象になります。傷害保険では、風水災に限らず、日常のケガなども補償。治療のための通院、入院などが補償されるほか、手術やケガによる後遺障害、災害死亡などの場合にも保障されます。
なお、台風によるケガで入院するなど場合、生命保険や医療保険でも「災害入院特約」がついている場合には保障されます。
保険に加入しているからといって安心はできない!?
火災保険や自動車保険、医療保険など、多くの人が加入している保険で台風・豪雨での備えができるのは安心ですね。
しかし、保険による補償(保障)はどのような場合でも同様に、支払い条件に適した加入の仕方をしていなければ意味がありません。
例えば、火災保険では建物と家財への契約は別ですが、家電製品やソファなどの家具類、パソコンなどへの損害は家財保険にかけていなければ補償されません。
また、建物への損害も、保険商品によっては、損害が一定額に達しなくても補償されるもの、一定額以上に達しなければ補償されないもの、全額補償されるもの、免責があるものなどさまざまです。
自動車保険もしかり。事故を起した場合に相手への賠償をする賠償責任保険や運転者・同乗者を守る傷害保険、自分の車への損害を補償する車両保険などを総称して自動車保険と呼んでいます。
先にも見たように、自然災害で車に損害を受けても車両保険に加入していなければ保険の対象にはならないんです。
台風の多いこの時期、すでに加入しているから安心という前に、自分の契約内容を今一度確認し、本当の安心を得てくださいね。