投資をする時には、株や外貨をいつ買うべきか悩む人が多いかと思います。投資はいつでも好きなタイミングで行なえばいいというものではなく、買い時を見極めることが大切です。買うタイミングを間違えてしまうと、どんどん損失が大きくなるでしょう。そのため「ドルコスト平均法」が効果的だと言われていますが、実は一歩間違えると大失敗につながるというデメリットもあります。では、どんな人が損をしやすいのでしょうか?
「ドルコスト平均法」のデメリットとは?
投資初心者によくある失敗ケース
2017年9月4日
ドルコスト平均法をわかりやすく説明すると?
「ドルコスト平均法」は、実際に投資をしている人なら一度は聞いたことがある言葉でしょう。ここでは、ドルコスト平均法の基本的な知識についておさらいしていきます。
ドルコスト平均法とは
ドルコスト平均法は、株式や外貨を定期的に一定金額ずつ購入する方法です。毎月少しずつ株や外貨を買うことで、1単位あたりの購入単価を平均化し、投資のリスクを分散します。
【例】ドル/円相場が1か月ごとに100円・90円・80円・・・と下がっていった場合
①最初に3ドルを購入=1ドルあたりの平均額は100円
②月々1ドルずつ購入=1ドルあたりの平均額は90円
最初にドルを購入した時からレートが下がっても、そこで買い増しすることで平均単価を下げることができるのです。簡単でシンプルな手法なので、初心者でも実践しやすいでしょう。
ただし、必ず儲かる手法ではありませんし、投資なのでデメリットも存在します。あくまで「購入価格を平均化する手法」と覚えておきましょう。
ドルコスト平均法のデメリットとは?
ドルコスト平均法のデメリットとして「購入手数料が高くなる」「購入時期を分散するため、儲け時を逃す」などがよくあげられます。確かに、これらもデメリットになりますし間違いではありません。しかし、本当に恐ろしいのは別部分にあります。
下降トレンドに突入するとどうなる?
相場が上昇トレンドに入れば、ドルや株は右肩上がりで価格が上がっていきます。この時にドルコスト平均法を使っていれば、いずれ購入したドルや株を売ることで利益を出せるでしょう。
では、逆に下降トレンドに入った場合はどうでしょうか?価格が右肩下がりの時に、ドルや株を毎月購入したところで、損失はどんどん大きくなっていきますよね。実を言うと、このケースが厄介なのです。
具体例を考えてみましょう
例えば、あなたが1ドルを100円で買ったとします。翌月になるとレートが95円までさがり、そこで1ドルを買い増ししたとすると、手元には2ドルが残り購入単価は97.50円となりますよね。この後、相場が100円に戻ればドルコスト平均法で得をしたという結果になるでしょう。
しかし、レートがその後90円まで下がってしまった場合はどうでしょうか?損失はさらに膨らみましたよね。このまま買い増しを続けても、相場が回復しない限り、どんどん損失が大きくなっていくでしょう。このような状態でドルコスト平均法を使ったところで、損失の確定を先送りにしているだけです。
つまり、ドルコスト平均法を使う前に「相場のトレンド」を見極めることが大切だと言えるでしょう。
底値とドルコスト平均法について
上の章では「下降トレンドに入った時が危険」と説明しましたが、ある程度投資に慣れている人なら「『底値』に近づいた時を見計らって、ドルを少しずつ買っていけば安全なのでは?」という考えが浮かんだのではないでしょうか?次はこの考え方についてお話ししていきます。
「二番底」や「底割れ」での失敗に要注意
「底値に近付いてから購入する」という考え方は正解で、下降トレンドから反転して上昇トレンドに突入する時に株やドルを買う事が出来れば、大きな利益が期待できるでしょう。
ただし、相場には「二番底(ダブルボトム)」や「底割れ」というものがあります。一度反転した後で、再び安値に向かう状況ですね。
二番底であれば買った株を持ち続けれていれば後々の利益になる可能性はありますが、先行きがわからない状況になるとストレスが溜まります。「このままレートが下がり続けるのでは」という不安に耐えられなくなり、売却してしまう人も多いので注意が必要です。
リスクヘッジにも相場の知識が必要
投資をしている人の中には、「金融商品を買ったけど、相場の事はよくわからない」という人もいますよね。投資についての知識が少ないからこそ、ドルコスト平均法を使ってリスクヘッジしようと考える人がいる訳ですが・・・実はこの考え方は危険です。
前の章でお話しした通り、ドルコスト平均法を上手く活用するには相場の知識が必要になります。最低限、相場の大まかな方向性(トレンド)は知っておかなければなりません。
「ドルコスト平均法を使っているから私は安全」
「リスクヘッジをしているから、これ以上投資を勉強する必要無い」
こんな考え方はNGです。いくらリスクヘッジをしても、投資である限りリスクは付きまといますし、相場の知識がないと大損する可能性があります。間違いだらけのドルコスト平均法を行なえば、最終的に損失を出すかもしれません。
下降トレンドに突入した場合などを想定し、「この状況でドルコスト平均法を使うとどうなるか?」という点を予め考えておきましょう。
ドルコスト平均法はリスクヘッジの手法として人気がありますが、投資家自身に知識と経験が備わっていなかったり、トレンドを確認しなかったりすると、逆効果になる可能性もあります。
デメリットや失敗パターンを事前に確認しておきましょう。
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