毎月見る給与明細ですが、手取り金額だけみて終わっていませんか。働いていると、当たり前のように感じるお給料ですが、これは企業からの「信用の結果」。そして、その内訳が給与明細なのです。
今回は、「そもそも給与明細がなんのためにあるのか」基礎から詳しく給与明細の見方を学びながら、明日から働き方の意識の変わる給料明細の真実をお伝えします!
数年後に大きく差がでる!
おさえておくべき給与明細の読み方
2016年6月8日
給与明細で信用の結果がわかる?
社会人を何年も経験していると、同じ会社に勤めていても役職や勤続年数、事務や営業などの職種によって給料の額に差があることは知っているはず。でも、他の同僚がいくらもらっているのかは知らなくないですか?
たしかに給与明細を人と見比べることは滅多にありません。それどころか、自分自身の給与明細も「結局今月いくら口座に入る?」と今月の残業代と手取り金額をざっと見るだけになっているかもしれませんね。
そもそも「給与」とひとくちに言っても、基本給・職務手当・資格手当・残業手当など内訳は人それぞれです。
仮に同期入社したAさんが居たとします。同期で入社したのに、Aさんには資格手当が支給されているだけでなく、実は基本給も少し高かった……なんてことがあるかもしれません。それは、頑張って資格を取ったAさんの努力の結果でもありますが、頑張るAさんに対する会社からのご褒美、つまり信用の結果とも言えるのです。
これら給与の支給総額と内訳、控除の内容などの個人評価を詳細に記したものが給与明細。お給料をもらうのが嬉しくて、給与明細をまじまじと見つめていた働き始めた頃を思い出して、あらためて給与明細の正しい見方を身につけておきましょう。将来のキャリアアップを考えたり、お金の教養を身につけるために必要な第一歩になるはずです。
給与明細にはどんなことが書かれているの?
会社によって給与明細の書式に多少の違いはあっても、項目は大別すると「勤怠」「支給」「控除」の3つ。これはどの会社も同じです。
1ヶ月間の働いた状況がわかる勤怠欄
勤怠欄には「出勤日数」「欠勤日数」「残業時間」「有休取得日数」「有休残日数」などが記載されています。そのほか「遅刻・早退」の回数なども記載されているので、自分の勤務状況が確認できますね。
支給欄に細かく記載されている給料の内訳は要チェック
支給欄には「基本給」はじめ「役職手当」「職務手当」「残業(時間外)手当」「住宅手当」「家族手当」や「通勤手当」などの各種手当とその金額が記されています。会社によっては基本給が「本給」および「職能給」「資格手当」などと細かく分かれている場合もあります。
たいていの会社では、基本給をボーナスや退職金を計算する際のベースにしています。つまり、支給総額や勤続年数が同じでも、基本給の額が異なればボーナスや退職金の金額が異なるというわけです。また、「手当」として支給されているものは、会社の経営状態によっては削除されてしまう可能性もなくはありません。スキルアップして資格手当をもらえるのは嬉しいことですが、基本給がアップするかどうかも大切なことなのです。
また残業や休日出勤が多い職種の人は「残業手当」「深夜労働手当」「休日出勤手当」も確認しておきましょう。これらの手当をもらうことが当たり前になっていて、それに合わせた出費をしている場合、もしも職場内の異動や残業カットで手当の額が少なくなれば支出の見直しで節約を要されることもあり得ます。
控除欄は差し引かれるお金の明細
控除欄には給料から差し引かれる項目が記されています。主には法定控除として社会保険料と税金ですが、自分が加入している生命保険料や財形貯蓄の天引き分などもここに記載されています。
社会保険料は「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」そして40歳になったら「介護保険料」が引かれます。引かれた社会保険料は社会保険料控除として、年末調整の際に全額が所得から控除されます。税金を節約する意識を持てば、これらの金額にも注目できるはず。
税金は「所得税」と「住民税」が記載されています。
給与明細を正しく見ることでお金の教養がつくって本当?
このように給与明細の内訳を知っておくことは、自分が会社からいかに評価されているかを垣間見ることができます。それ以外にも、給与明細の内容が正しく分かれば、この先の人生の中で必要となるお金の教養を身につけることもできるのです。
たとえば、お給料がなかなか上がらないために残業代で稼ぐ…なんてことを思いつく人も多いかもしれません。ですが、お金のためにと躍起になって、無理して働いてしまうと身も心も持たなくなってしまいます。そればかりか、定時より長くお仕事をする形となり、時給単価は減るばかりに。
まずは、自分の時給単価をあげる方法を考えてみてください。就業時間内に仕事を終らせるためにはどうすればいいか、そのためにはどんなスキルや方法があるか。その考えがあるかないかで、数年後には自分自身のスキルや考えはもちろん、お給料にも大きな差が出てきますよ。