毎日頑張って仕事を続けているけど、定年退職を迎えたときに受け取ることができる退職金っていくらなのかご存知ですか。企業の規模や最終学歴のみならず、退職金の給付方法によっても差があります。気になる退職金の現状と平均相場はいくらでしょうか。自分がどのように、いくら退職金を手にすることができるのか確認することが重要です。
4人に一人はもらえない!?
○○金の実態とは
2017年8月15日
驚き!4社に1社は退職金がない会社もある!?
退職すると誰でも退職金をもらえると思っている人が多いのではないでしょうか。実は、そうとは言い切れないんです。
平成25年度の厚生労働省のデータ(※)によると、退職給付(一時金・年金)制度のある企業はなんと約75%。これによると4社に1社は退職給付制度のない会社ということになります。
企業規模によって変化する数字
企業規模でみていくと、1,000人以上の企業だと93.6%、300~999人だと89.4%、100~299人は82.0%、30~99人が72.0%という結果に。企業規模が退職給付制度の有無の割合に大きく影響しています。
産業別だと、一番割合の高いのは、96.3%で電気・ガス・熱供給・水道業、建設業91.5%、鉱業・採石業・砂利採取行が91.0%と続いています。逆に、少ないのが、医療・福祉が50.1%、宿泊業・飲食サービス業が52.6%、生活関連サービス業・娯楽が53.0%です。
また、年代別に見ると、ここ約30年は平成5年の92.0%をピークに平成25年の75.5%まで低下し続けているのが現状です。
(※)厚生労働省「平成25年就労条件総合調査の結果」より。調査は5年ごとに実施。
2種類の退職給付制度
そもそも退職給付とは、一定の期間に渡り労働を提供したことに対し、企業が退職以降に従業員に支給する給付のことを指します。
給付金は2つある
その給付方法は、2種類。退職時に一括して一時金(退職給付手当、退職慰労金、退職香料報奨金など)を支給する「退職一時金制度」と、労働者の退職後に、一定期間または生涯に渡って一定の金額を年金として支給する「退職年金制度」です。
前出した厚生労働省のデータによると、退職給付制度がある企業で両制度併用しているのは22.6%に留まります。退職一時金制度のみが65.8%、退職年金制度のみは11.6%となりました。
大企業がやっぱり有利?
これと対象に、日本経済団体連合会のデータ(※)によると、「退職一時金制度と退職年金制度の併用」が最も多く、2016年は71.7%。多少の変動があるものの2008年から2016年の間は7割前後で推移しています。
日本経済団体連合会は、東証第一部上場企業を中心に構成されている団体のため、大企業と言われる企業のほうが退職給付において、制度が整っていると言えるでしょう。
(※)日本経済団体連合会「2016年9月度退職金・年金に関する実態調査結果」より。調査対象は、経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,925社)
大企業・中小企業の退職金の相場
先に出た日本経済団体連合会の資料によると、学校卒業後すぐ入社し、その後標準的に昇進・昇格した人を対象に算出した退職金は、総合職(管理・事務・技術労働者)の60歳で大学卒が2374.2万円、高校卒業で2047.7万です。
対して、平成28年12月に東京都産業労働局相談センターが発表したデータ「中小企業の賃金・退職金事情」(※)によると、退職金制度がある企業が69.8%、制度なしが29.5%。制度のある企業の内、退職一時金のみは70.4%、退職一時金と退職年金の併用は25.9%です。
大卒と高卒で50万円近くの差
モデル退職金は、大学卒が1138.9万、高専・短大卒が1030.5万、高校卒が1082.9万でした。また、退職年金制度のみの金額だと、大学卒が1052.1万、高専・短大卒が895.5万、高校卒が858.9万と会社の規模や学歴のみならず、退職給付制度の形態によっても変わっているのです。
退職金制度や定年制の見直しなど時代とともに変わる可能性がある制度。
しっかりとしたライフプランが必要
いつリタイアするのか、どのように生活していくのか、住宅ローンをどのようにしていくのか大きく影響しますので、まずは、自分の勤めている会社の退職給付制度をしっかりとチェックしましょう。
自分の人生をしっかりと計画することにはメリットがたくさんあります。詳しくは「あなたの人生計画を立てよう! ライフプランで分かる5つのこと。」に記載してありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
(※)従業員10人~300人未満の都内の中小企業が対象