仕事もプライベートも、何の問題もなく自分が思うまま順調に進んだら……というのは誰もが願うこと。ですが、残念ながら人生はいいことばかりではありません。病気や事故、リストラなどの不測の事態にも対応できるように「守りのお金」もしっかり準備しておくことが大切になってきます。「守りのお金」について具体的な内訳から、その他生活において見落としがちなポイントもおさえながらご紹介します。
貯金には2種類ある
いざというときのための「守りのお金」
2016年5月25日
人生のアクシデントに備える「守りのお金」って?
自分が理想とするライフプランを描き、順調に歩めているうちはいいですが、人生にはアクシデントがつきもの。
充実した自分軸足の人生を送るためのコツは2つ。自分の理想とする人生に必要なお金を準備するために、お金を「貯める」「増やす」という攻めの視点と、病気やケガなど想定外のことが起こったときのために、もしもに備えるという「守り」の視点です。特に「守り」をしっかり固めておくことはとても大事なことです。
なにかあってからでは遅い!
今は健康で仕事も順調、家賃の支払いも問題ない!という状態でも、いつこの不安が顔をだしてくるかわかりません。コントロールできない病気、会社の業績不振でボーナスカット、交通事故に遭い介護状態に……なんてこともあり得ます。
また、個人的な諸事情はもちろん、今は世界的に見て自然災害などのリスクもあり、自分の力だけではどうしようもない不運に見舞われる可能性は、誰にもあるのです。
夢の実現のために必要な金額を具体的に把握し、それに向かって努力していくのと同じくらい、いつ降ってくるかわからない想定外のハプニングを解消するために「守りのお金」を準備することは重要なこと。この攻守両輪がバランスよく揃ってこそ、突然のハプニングにも負けずに人生を謳歌する土台を作ることが出来るんです。
老後の介護費用、どのくらい準備が必要?
「最期まで自分の力で生きていきたい」「誰にも迷惑をかけたくない」と、もし考えているのであれば、自分の介護についても考えておく必要がありそうです。
具体的には…
自分の介護といわれても、まだまだ先のことで実感がわかない人も多いかもしれませんね。けれど、長寿国日本は同時に介護大国でもあります。今や85歳以上の高齢者の60.3%が要支援、要介護認定を受け、介護を必要としています。
それに女性は男性より平均寿命が長いので、おひとりさまにせよ、パートナーがいるにせよ、よほど年下のパートナーをつかまえない限り、最後には「おひとりさま」になる確率が高いと考えておいたほうがいいかもしれませんね。
老後を考えると、生活費や住居費用と同じレベルで介護費も準備しておくことにこしたことはありません。要介護のレベルにもよりますが、訪問介護や通所リハビリテーションの料金を合わせると、月々4~5万円ほどは必要になると見ておいたほうがいいでしょう。
老後についてより具体的に考えたい人は「老後のお金は自分で作る! そのための方法って?」を確認してみてくださいね。
想定できるリスクはできるだけ解消する
そして、こうしたお金の準備ととともに大切なのは、アクシデントが起こりそうなことが想定できたら、それを回避する行動を起こすこと!
「銀行が破綻したときに困らないように複数の預金口座を分けておく」、「収入が減っても困らないようにお金を増やすスキルを磨いておく」「金利上昇に備えて住宅ローンを金利変動から固定金利に切り替える」「失業したときに転職先がスムーズに見つかるように資格を取得しておく」「自分が亡くなったときに備えて遺言書を作成しておく」…など、小さなものから大きなものまで、今から準備をできることはたくさんあります。
常にアンテナは張っておく
これはアクシデントにつながるかも!ということに気がついたら、自分の中で「TO DO リスト」にピックアップし、どうやったらそのリスクを解消できるのかをまずはリサーチ。簡単にできることもあれば、想像以上に時間がかかることも中にはあるかもしれませんが、ひとつずつできるところから行動を起こしていくことが大切です。
アクシデントに敏感であれ
これは簡単なようでいて、なかなかできないことかもしれませんね。「不安だなぁ」と思いながらも、実際に動くとなると足がすくんでしまう…という人も多いはず。気持ちはよくわかります。けれどそのまま放置して何か起こってしまったとき、困ってしまうのは自分。
「ちゃんと準備しておけばよかったなあ…」と思い、余計に落ち込んでしまうかもしれません。アクシデントが起こりそうと気づいた時点で、すぐに解消に向けて動きだせるようにしておくことがやはり大切ではないでしょうか?
一番は、「アクシデントがありそう!」と思ったら出来る限り避けること。常にアンテナをしっかり張っておくことは悪いことではありません。
困ったときは、強がらず誰かの手を借りて
また、「おひとりさま」となって老後を迎える場合に頼りになるのが、子どもや女性同士、地域社会といった人間関係です。
普段は自由気ままなおひとりさまを満喫していたとしても、高熱がでて動けない、入院していて着替えも取りに帰れないというようなときには、パートナーの不在を嘆いてしまうでしょう。
人を頼ることは悪いことではない
いざというときに人に甘えることができるようになっておくのも、おひとりさまライフを満喫するコツです。
体調がすぐれない時などは、家政婦さんやヘルパーさんに家事を依頼してみてはいかがでしょうか?これらのサービスは、1時間2,500~5,000円ほどで依頼できるところがほとんどです。他人の手を借りることによって「ピンチのときにも何とかなる!」と思えれば、不安も小さくなります。
しっかりと守りのお金は準備して
自分自身の予測できるピンチについて、日々お金を備えておくこと。そして、本当にひとりでは解決できないピンチに遭遇した時には、誰かに助けてもらえるような環境を作っておくこと。それだけでより楽しく人生を謳歌することができるはずです。ぜひ今からそんな環境つくりを進めてみてくださいね。