保険や住宅購入に関わる場面で、よく耳にする“ライフプラン”。「どうやら大事なことらしいね。」という漠然としたイメージはあっても、実際に何が分かるの?なんで大事なの?という部分を知る機会はなかなか無いものです。「ライフプランに興味はあるけど、本当のところはよく分かっていない。」という方に、ライフプランで分かることを5つに整理しました。
あなたの人生計画を立てよう!
ライフプランで分かる5つのこと。
2017年7月18日
ライフプランを使うのは、保険の見直しだけではありません!
近頃ではテレビCMなどでも“ライフプラン”という言葉をよく聞くようになりましたね。ライフプランが「将来のお金について考えることだ」という認識は、少し前よりずいぶん広がってきたように思います。
一方で、身近なFP資格保持者と言えば「保険屋さん」という印象から、「ライフプランは保険の見直しのために使うツールだ」という認識の方もいらっしゃいます。それは間違いではなく、保険を見直すために土台となるライフプランから考えることはとても重要です。
ですが、ライフプランを有効に活用できる機会はそれだけではありません。ライフプランが、実はもっと幅広い世代・幅広いライフステージで役立つ、万能ツールであることは一般的にあまり知られていないことです。では、実際ライフプランを使うとどんなことが分かるのでしょうか。5つの項目に整理して紹介します。
ライフプランで分かる、5つのこと
その①今の家計を見続けたら…
1つめは、「今の家計を続けたら将来どうなるかが分かる」です。
ライフプランシミュレーションを行う目的の、中心とも言える部分です。ライフプランシミュレーションでは、例えば「99歳まで」と入力してシミュレーションをすると、99歳までの毎年の収入と支出の予測、さらに貯蓄額の増減の予測がグラフ化されて表示されます。
支出が収入を上回る結果が毎年続けば、貯蓄額は目減りし、やがてマイナスゾーンへ突入します。ただしこれはシミュレーションなので、事前に「〇年後に貯蓄が尽きる」と分かれば、収入と支出のバランスを見直すことで現実ではマイナスゾーンへの突入を回避できるよう、早めに対策が取れるようになります。
その②夢の○○が…
2つめは、「住宅購入について適正な借入額や返済方法が分かる」です。
住宅購入についても、ライフプランシミュレーションを用いて検討できることがたくさんあります。「適正な借入額」「返済は固定金利と変動金利のどちらがいいか」などについて、条件入力を変えながら何度かシミュレーションを行うことで、キャッシュフロー(将来のお金の動き)がどう変わるかを確認できます。
また、子ども達の進学や定年退職といったライフイベントを考慮しながら、条件を変えて確認すれば、住宅購入時期や借入金の返済期間についてもベストなタイミングを計ることができます。
その③一日の大半を占めるあれが…
3つめは、「働き方の目安が分かる」です。
結婚や出産のタイミングで、働き方について迷うことがあります。働きたい・辞めたい・セーブしたい……選択肢は様々あります。自分がどれを選択するかについては、自分がこれまでに積み重ねてきたものに対する“想い”が大きく影響すると思います。その一方で、『生活するお金のため』という現実的な理由も選択に影響します。
もし、あなたが『お金が足りないから、退職したいけどできない』とか、『お金は足りているから、専業主婦のままでいい』という判断をしているとき、お金が足りる・足りないという判断に根拠はありますか?
ライフプランシミュレーションで「働いた場合」「働かない場合」と条件を変えて比べることで、その判断に根拠を与えることができます。働くか、働かないか、どんなペースで働くか。いつから働くか。いつまで働くか。自分の「希望」と「現実(お金)」のどちらにも折り合いを付けた、理想の働き方を知ることができるのです。
キャリアとお金についてより詳しく考えたい人は「この先いくら稼げるの?! 女性の生涯賃金はいくら?」を確認してみるといいかもしれません。
その④1人から、2人、2人から3人…
4つめは、「2人目・3人目の子が生まれても暮らしていけるか分かる」です。
「子どもを1人育てあげるには1千万円を超える費用がかかる」というのはよく聞く話です。進学先によっては2千万~3千万とも。ですが、このような大きな金額が、ある日突然ドン!っと必要になる訳ではありません。あくまで子どもが生まれてから20年前後の間にかかるであろう費用の総額。もし、このような話を聞いて、『2人目・3人目を望みたいけれど、お金が大丈夫か心配で……。』と思われる方は、ライフプランシミュレーションの出番です。
ライフプランシミュレーションでは、まだ生まれていない子どもについても「もし3年後に2人目の子が生まれたら」と条件を入れて確認することができます。仮に「子どもを望んでいるのにお金が足りない」という結果が出たとしても、〇年後にどれぐらい足りないかが分かるので、今から子どもが生まれても大丈夫なように資金準備に取り掛かれます。学資保険をいくら掛けるかといった目安を知ることもできますよ。
子供の教育費について知りたい人は「家計のブラックホール 公立?私立?こんなに違う教育費」をチェックしてみてくださいね。
その⑤毎日の○○が…
最後、5つめは「適切な生活費の目安が分かる」です。
今の自分の生活が、身の丈以上に贅沢をしているのか、逆に、必要以上に節約しすぎているのか。これもライフプランシミュレーションで分かることです。将来の貯蓄が赤字になる人は、自分の収入に対して毎月のお金を使いすぎています。どれぐらい生活費をセーブしなければならないのか、もしくは収入を増やさなければならないのか、具体的に毎月〇万円と分かりやすい数字で知ることができます。
反対に、将来に対する不安感から、必要以上にお金をセーブしている人もいます。ライフプランによって『これぐらいあれば将来も安心』という目安が分かることで、貯めすぎていた部分を自分磨きのために回すことができます。適切な生活費の目安が分かることで、自分に回せる金額の目安も同時に知ることができるのです。
お金を貯めることは「手段」です!
ライフプランシミュレーションが私達の暮らしに活かせる機会を5つに整理してご紹介しました。どの項目について考えるときも、まず必要になるのは“自分はどうしたいのか”というあなた自身の考えです。そして、あなたが考える“理想”を実現するために、お金をどう貯めて、どう使うのかを計画するのがライフプランです。
ただ貯めることだけを目的に最大限の節約をしていたら、最小限のことしか叶わない人生になってしまいます。ライフプランを上手く利用して、あなたの“理想”を最大限に叶える人生を歩みたいですね。