皆さんのご家庭では、子どもに「おこづかい」をあげていますか?現在の日本では、学校でお金のことを習う科目がありません。子ども達への金銭教育は、家庭で親が先生となって教えていくしかないのです。おこづかいを「教材」と考えたとき、おこづかいを通して身に付けられるものは金銭感覚だけではありません。小さいうちから「おこづかい」に取り組むことは、実はメリットがいっぱいなのです。今回はおこづかい教育で身に付けられる「3つの力」についてお伝えします。
子どもの将来に役立つ!
おこづかい教育で身に付けられる
「3つの力」
2017年7月3日
時代は変わっている!私達が子どもの頃には無かったもの
自分の子ども時代を思い出してみると、何だかそんなに昔のことではないような気分になるものです。子育てについても同じように、つい自分が子どもだった頃を基準に考えてしまうこともありますが、現代の子どもを取り巻く環境は、電子化やインターネットの発達によって、より複雑なものになっています。
例えば、携帯電話は私達が子どもの頃には無かったものです。よって課金ゲームといったお金の仕組みもありませんでした。電子マネーも昔は無かった仕組みです。少しの買い物や、電車・バスに乗る時には、小銭をゴソゴソと準備しましたよね。そういった作業が必要なくなり世の中が便利になった分、「お金を使っている」感覚から遠ざかってしまうのが現代です。見えないお金の仕組みに負けない金銭感覚が、現代の子ども達には必要とされています。
時代は変わっても、変わらない根強い風潮
子ども達を取り巻く環境の変化は速いにも関わらず、日本には古くから“お金の話をタブー視する”風潮があります。お金は汚いもの・いやらしいものというイメージも根強いですし、義務教育でお金の仕組みを学ぶ科目もありません。
特に「大人vs子ども」となると、タブー視する傾向は強まります。皆さんもご両親から「子どもはお金の話に入るな」というようなことを言われた経験はありませんか?そしてその言葉を我が子にも伝えてはいませんか?
お金の仕組みはどんどん複雑で見えにくいものになっているのに、お金の話をタブー視する風潮は変わらないまま。お金の仕組みを学校で学べない以上、このような現状と意識の差を埋められるのは家庭での金銭教育です。
「教材」としてのおこづかいはメリットいっぱい!
家庭での金銭教育を進めるのに、最も身近な「教材」である“おこづかい”。「教材」として見るおこづかいは、実はメリットがいっぱいあります。中でも、変化の速い“これからの時代”に対応し、たくましく生きていくために必要な「3つの力」を身に付けられることは、おこづかい教育の魅力です。
おこづかいで身に付けられる「3つの力」とは
おこづかいで身に付けられる、1つ目の力は「金銭感覚」です。限りあるおこづかいの中でやりくりするトレーニングは、モノの価値を見る目を養います。おこづかいを通して自分の中で“買い”かどうかを考えることは、自分の中に「価値の基準」を作っていく作業につながります。
目に見えない複雑なお金の仕組みは、お金のやり取りが数字だけの世界で完結することも多いです。自分の中に基準があれば、数字を単なる文字としてではなく、その裏にある量や金額の重みを推し量ることができます。自分の中の「価値の基準」を基に、金額の重みを考えて、買う・買わないを決められるバランス感覚が「金銭感覚」です。
2つ目、3つ目の力は「考える力」と「決める力」です。これからの変化の速い時代は、きっと“指示待ち”な態度では通用しない時代となるでしょう。そんな中で必要になるのは、自分の頭で「考えて」判断し、自分の行動を「決めて」動ける“自主性”ではないでしょうか。
おこづかいを運用するには、買うか買わないかを自分で考え、さらに買うものを自分で決めていかなければなりません。また、『欲しいものが買えない』といった困った事態に直面したら、自分の頭で考えて工夫をし、解決しなければなりません。自分で考えて決める、自主性を持って行動できる力は「たくましさ」につながります。今後は、現代以上に必要不可欠な力となるでしょう。
小さいうちだからできる“失敗”
これら「3つの力」を“失敗”を繰り返しながら身に付けられることが、「教材」としてのおこづかいの良さでもあります。例えば、『財布を空にするほど散財したら、しばらく欲しいものが買えなかった』。こんな失敗も小学生のおこづかいなら、散財と言えど数百円で済むものです。親も冷静に見守りながら、失敗の経験をさせられます。これがもし、社会人だったら……?年齢が上がるほど金額も大きく、取り返しの付かないことにもなりかねません。社会に出るまでにたくさん転んで学べるのも、おこづかい教育のメリットです。
家族みんなで進める金銭教育
『家庭での金銭教育が重要なことは分かったけれど、私にきちんと教えることができるかしら。』そう不安に思われる方もいらっしゃいますよね。それもそのはず。私達の世代も、学校で金銭教育を受けていないのですから。
子どもの将来ももちろん大切ですが、私達世代も、変化の速い時代に対応して老後を過ごさなければなりません。私達自身も、お金に無関心では居られないのです。
ですから、まずはお金の話をタブー視する風潮から変えていきましょう。子どものお金の教育はハピプロなどのゲームでも高めることができます。普段何気なく使っている“お金”。親子で向き合い、考えてみる時間を作ってみませんか?