年に1回、年金加入者に郵送されてくる「ねんきん定期便」。見慣れないものだから、どこを確認したらよいか、ちょっと困ってしまいますね。そこで今回は、「ねんきん定期便」でチェックするべきポイントを丁寧にご紹介します。上手な見方を知って、年金について確認を!自分の将来のお金について、しっかり考えてみましょう。
教えて!
「ねんきん定期便」の上手な見方とは?
2017年6月28日
ねんきん定期便って何?
20歳以上のすべての日本国民は、年金制度に加入する義務があります。
そしてその年金の加入状況を確認するために、国民年金および厚生年金保険の加入者(被保険者)の方に郵送されてくるのが「ねんきん定期便」です。厚生労働省からの委託を受け、日本年金機構から、毎年1回、その人の誕生月に送られてきます。
実は、ねんきん定期便は、年金加入者の年齢により、その様式が異なっているのをご存知でしょうか。まずは、ねんきん定期便の様式について、確認していきましょう。
ハガキ形式
50歳未満で、35歳・45歳以外の人は、ハガキ形式のねんきん定期便が郵送されてきます。このハガキには、「これまでの年金加入期間」や「これまでの加入実績に応じた年金額」などが記載されています。
年金の加入状況がシンプルにまとまっているので、毎年必ず確認を。記載項目については、のちほど詳しくご説明します。
封書形式
年金の受け取りに必要となる加入期間を確保するための、節目となる年齢の方や、年金の請求を間近に控えた方には、封書形式のねんきん定期便が郵送されてきます。
こちらの封書には、年金加入記録の確認方法などを詳しく記載したパンフレットや、年金加入記録に「もれ」や「誤り」があった場合に提出する「年金加入記録回答票」が同封されています。
封書形式のねんきん定期便を受け取った場合は、特に注意深く内容を確認して、年金の記録にミスがないかをチェックするようにしましょう。
記載情報を確認しよう
それでは、ハガキ形式のねんきん定期便について、その記載項目を確認していきましょう。以下のサンプル(日本年金機構のホームページから抜粋)を見ながら、チェックして下さいね。
a照会番号・b共済の加入者番号
「ねんきん定期便」に関する問い合わせに必要な番号です。
c国民年金第1号被保険者
これまで保険料を納めている期間、および保険料が免除された期間が記載されています。年金制度は、自営業などの方が第1号、サラリーマンなどの厚生年金加入者が第2号、サラリーマンの妻などで年収が130万円未満の方が第3号というように分類されています。
d国民年金第3号被保険者
第3号被保険者の期間として登録されている月数を表示しています。
e合算対象期間等(うち特定期間)
年金の受給資格期間に算入される合計月数が表示されています。
f老齢基礎年金・h老齢厚生年金
これまでの加入実績に応じた年金額が表示されています。
g国民年金保険料・i厚生年金保険料
これまでの保険料納付額(累計額)が表示されています。
jQRコード
QRコードを読み取ると、日本年金機構ホームページへアクセス可能です。
kお客様のアクセスキー
「ねんきんネット」のユーザIDを取得する際に使用する番号です。
lお客様へのお知らせ
年金加入者の必要な年金に関する情報を表示しています。
m作成年月日
ねんきん定期便に表示される年金加入期間は、作成年月日の2ヶ月前時点での記録です。
n国民年金(第1号・第3号)納付状況
「納付済」「未納」「半額免除」「学生納付特例制度」などの、納付状況が表示されています。
o厚生年金保険
厚生年金保険、厚生年金基金、船員保険、公務員共済制度などの加入区分が表示されています。
p音声コード
年金加入記録に関する情報を音声で聞くことができる、音声コードが印字されています。
老後に備えて貯金をしよう
将来のマネープランを考える上で、ねんきん定期便で特にチェックしたいのが、「f・h加入実績に応じた年金額」の項目です。ここを確認すると、将来いくら年金が受け取れるかが分かりますよ。
実際のところ、この年金だけで豊かな老後の暮らしを送るのは、なかなか難しい方もいるかもしれません。そこで、今から計画的に貯金をはじめることが重要なのです。
自分が必要になるお金をしっかりと把握して
例えば、将来、毎月25万の生活費が必要だとしましょう。年金で老後にもらえるお金が毎月15万円だとすると、10万円(25万円−15万円)不足してしまいますね。
仮に65歳で退職して、80歳まで生きたとすると、単純に計算しても、1,800万円(10万円×12ヶ月×15年間)のお金を自分で用意しなければならないことになります。
このように、まずは年金にプラスして、自分で準備しなければならないお金はいくらなのかを計算してみましょう。必要な金額が分かったら、毎年少しずつ老後のお金を貯めていくことが大切ですね。
貯め方はさまざま
老後のお金を貯める方法はさまざまあります。普段行っている貯金の他にも、「NISA」や「iDeCo(確定拠出年金)」などを利用しお金を育てるというという方法もありますね。NISAについて詳しく知りたい人は「夏ボーナス直前! 今年こそはチャレンジ「NISA」の始め方」の記事に、iDeCo(確定拠出年金)について詳しく知りたい人は「今、最も知りたいiDeCoのこと! そもそもiDeCoとは?」に具体的な内容を記載しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ねんきん定期便が郵送されてきたら、将来のお金についてじっくり考える大チャンス。なかなか見慣れないこのハガキですが、実は、私たちの将来のお金について、大切な情報がたくさん詰まっているのです。1年に1回必ず確認をして、老後のマネープランをたてるようにしましょう。