一定額の寄付金を納めることで、お礼として特産品などを受け取り、寄付金控除がうけられる制度として活用されている方も多い、ふるさと納税ですが、控除を受けるには年末の確定申告が必要なため、その手間から使えずにいる方も多いのでは? 給与所得者ならば、面倒な確定申告が不要になる方法があるのを知っていますか?
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2017年6月16日
ワンストップ特例とは? 誰でも使えるの?
通常、ふるさと納税を行った場合には寄付金控除を受けるために年末の確定申告が必要となりますが、ワンストップ特例とは納税時に申請することで、年末の確定申告を行うことなく控除が受けられる制度です。ふるさと納税についておさらいしたい人はこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
確定申告不要となるワンストップ特例ですが、この特例を利用するには、条件が2つあります。1つは、確定申告がそもそも必要のない給与所得者であるということ。
2つ目は、ふるさと納税を行う自治体が5団体以内であること。この2つに該当すれば、ワンストップ特例の利用が可能です。寄付を行う自治体にワンストップ特例利用のための申請書類と、本人確認用の書類を送付することで利用が可能となります。
ワンストップ特例申請に準備するもの
専用申請用紙
ワンストップ特例を利用するために必要な専用申請用紙は、寄付を行う自治体から入手します。ふるさとチョイスなどのポータルサイトなどから申し込みを行う場合には、ワンストップ特例を選択すると自治体から申請書が送られてきます。
ウェブ上などでフォーマットがダウンロードできるケースがありますが、自治体によってフォーマットに若干の違いがある場合もありますので、自治体から入手するのが確実です。
マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード
申請用紙には、ご自身のお名前、住所、生年月日、寄付金額の記入が必要ですが、これに加えて個人番号、つまりマイナンバーの記入が必要となります。マイナンバーカードか通知カードを手元に準備しましょう。
本人確認用の書類
申請書とともに送付する、本人確認用の書類は、3つの方法から選択することができます。
マイナンバーカードを持っている場合:
マイナンバーカードを持っている方は、マイナンバーカードの裏表コピーでOK
マイナンバーカードを持たない場合:
個人番号通知カードのコピーもしくは、個人番号の記載のある住民票のコピーと運転免許証もしくはパスポートのコピー
マイナンバーカードも運転免許証、パスポートも持っていない場合:
個人番号通知カードもしくは個人番号の記載のある住民票のコピーと、健康保険証、年金手帳、提出先の自治体が認める公的書類の中からいずれか2点のコピー
送付用の封筒と切手
自治体から申請書が送られてくる場合、返信用封筒が同封されているケースがほとんどですが、そうでない場合には、返信用の封筒の準備と、82円切手が必要となります。寄付のたびに入用となりますので、あらかじめ準備しておくと便利です。
ワンストップ特例制度利用の際の注意点
限度額いっぱいまで、寄付金控除制度を利用したいところですが、ワンストップ特例が使えるのは、5自治体までとなっています。5つの自治体なので、例えばX市に2回、Y市に3回だとしても、自治体は2自治体なので、制度は利用可能です。
ただし、ここで注意したいのは、同自治体への寄付だとしても、この制度を利用するには、寄付の都度、申請が必要ということ。たとえ同じ自治体への寄付だとしても申請書類と本人確認書類の送付はその都度、必要になります。
また、送付期限も1月10日必着ですので、忘れずに都度申請するのが良さそうです。(送付期限は年によって変わる可能性がありますので、申請書類等に記載の期限をご参照ください。)
またふるさと納税後に引越しをした場合には住所変更届けが必要となります。これは、ワンストップ特例を利用した場合、確定申告した場合と控除額は同じとなりますが、ワンストップ特例の場合には、控除は住民税からなされるためです。所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、ふるさと納税を行った翌年度の住民税の減額という形で控除されます。
最後に、ワンストップ特例を利用したけれど、6団体以上への寄付になってしまった場合や、他の案件で確定申告に切り替えたいという場合もありますよね?
その場合は、年末の確定申告を行うことで、自動的にワンストップ特例は適用されなくなります。確定申告の際には、該当の寄付について、寄附先自治体から送付された全ての「寄附金受領証明書」の添付が必要となりますので、この書類はキチンと取っておきましょう。
まとめ
・利用できる人は、確定申告の必要がない給与所得者で、寄付先が5自治体以内の方
・申請に必要なものは、ワンストップ特例申請書と本人確認書類コピーと送付用封筒と切手
・注意点は、5自治体までが上限。また送付期限があり、引っ越した際には住所変更届けが必要
・確定申告に切り替えも可能だが、寄付金受領証明書の添付が必要
いかがですか?手続きの流れと、あらかじめ必要なものさえ準備しておけば簡単に確定申告なしで寄付金控除が受けられるワンストップ特例。確定申告への切り替えも可能です。まずはふるさと納税を試してみたいという方は、ぜひワンストップ特例利用を選択してみてくださいね。
使いなれてきたら、最初から確定申告とするか、ワンストップ特例の利用とするか、ご自身のケースにあてはめて選んでみてくださいね。