格安旅行プランの広告は数多くあれど、豪華な旅行プランの広告はあまりみかけませんよね。富裕層の旅行というのは、選択肢が豊富でそのほとんどがオーダーメイド。つまり、飛行機でファーストクラスに乗ったり、一流ホテルのフレンチをコースを食べたり、時には気が変わってヘリをチャーターして目的地までひとっ飛びしたり…思うように時間を過ごせるのが一番のち外かもしれません。そんな自由度が目いっぱいの旅行で、一番贅沢な選択肢を選んだらいくらかかるのか、今回は調べてみました。
一生に一度の贅沢旅行のお値段はいくら?
~国内旅行編~
2017年6月21日
練馬区在住、趣味旅行、A子です
A子さんは旅行が趣味の都内OLです。格安ツアーを使って国内外に旅行に行くのが人生のたのしみなのですが、最近はそれもお休み気味。友達の結婚式やさまざまなイベントが重なり、趣味に使うお金がなかなか捻出できずにいました。
「そろそろ旅行にいきたいな」と思うもののお金がなければ実行はできません。効率良く貯めなくちゃ!と日々の仕事に精を出す毎日でした。
突然のラッキーハプニング
そんなA子さんにとてもラッキーなことが起こりました。なんと宝くじがあたったのです! この機会にA子さんは、一生に一度だけの夢の贅沢旅行をすることに決めました。行き先はあえて国内。海外旅行でストレスを溜めるより、ホスピタリティのある日本人のサービスを思う存分受けてみたいと思ったことが理由でした。
国内で最も贅沢な旅行先は?
目的によって基準は変わるかもしれませんが、今回、A子さんは贅沢で美味しいものを食べよう!という目標を立てていました。食といえば、北海道、九州……? A子さんは、いろんなところを思い浮かべます。
しかし、なかなか行き先が決まりません。そこでA子さんは今まで食べたなかで美味しかったものを思い出しました。それは女友達の結婚式に参加したときに食べた料理でした。
伊勢海老の活造り、松阪牛のローストビーフ……。ん? 伊勢海老も松阪牛も三重県? ……行き先は三重県に決まりました。
移動はもちろんオーダーメイド
三重県に東京都練馬区から移動する手段は、いろいろとあります。しかし今回は贅沢を極めた旅行。電車を使うつもりはありません。まずは、家から出発するのにハイヤーを使うことにしました。電話で呼ぶとすぐに来てくれるそうです。行き先を尋ねられるとA子さんは、「東京ヘリポートまで!」と答えました。
練馬からヘリポートはどのくらい?
ハイヤーの初乗り運賃は11,270円(最初の1時間、または15kmまでの走行)。その後は30分/7.5kmごとに2,800円加算されます。 練馬から東京ヘリポート(新木場)までは、距離はおよそ20km。車を使って移動した場合、40分の距離になるので、運賃はおよそ14,070円です。
ヘリコプターをチャーターする値段
ヘリコプターは定期便サービスも存在しますが、チャーターすれば、どこでも行きたいところに連れていってくれます。日本全国にヘリポートがあり、申請すれば、どこのヘリポートもわりと自由に利用できます(ヘリポートによって利用料金に差があり)。
三重県にも数は少ないですが、ヘリポートがあります。行きの車の中からヘリ会社に連絡をしたら、そういうオーダーが多くて慣れているのか、即日でも対応してくれるとのこと。A子さんは三重県までヘリコプターを1台チャーターすることにしました。
意外と知らないチャーター料金
ヘリコプターのチャーター料金は、時間と距離に応じて値段が変化します。 降りる場所が一定ではないので、はっきりとした運賃表はないですが、東京から箱根まで(100km所要時間35分)の料金が片道で286,000円です。東京から三重県津市までは、(330km所要時間110分)なので、ヘリの機種にもよりますが片道88万円(税抜き)でした。
「あのホテル」に泊まってみる
三重に着いたらまずはホテル探しです。さて、「三重県 五つ星ホテル」と検索すると、先日行われた伊勢志摩サミットで各国首脳が利用したホテルがいくつか出てきました。
A子さんは、アメリカ大統領が泊まったホテルを検索したところ、「志摩観光ホテル ザ・ベイスイート」というホテルがヒットしました。そこで津からタクシー移動をして、そのホテルに宿泊することにしました。
全室スイートルーム、そのお値段は?
志摩観光ホテルは都ホテルグループが運営するホテルです。伊勢志摩の賢島にあり全室がスイートルームで値段は均一69,000円です。窓から見える景色は俳句を読みたくなるような絶景です。
なお、三重県にはハイヤー会社がないのでタクシー移動しました。津から志摩までおよそ50km。昼間ならおよそ25,000円の距離です。
贅を尽くしたフレンチレストラン
ホテル内には立派なレストランがありました。伊勢志摩の海産物を使った料理が名物のフレンチです。アワビステーキや伊勢海老のアメリカンソースなどが味わえるトラディショナルコースは36,000円です。この料理を安倍首相やオバマ大統領も味わったと思うと感慨もひとしおです。
二日目、松阪牛を食べに行く
ホテルで優雅に過ごした翌日、A子さんは松阪牛を食べに行くことにしました。前日のディナーでも松阪牛は食べれたのですが、あえて食べずに今日は隣の松阪市まで移動して本場で食べることにしていました。松阪市で調べると「牛銀本店」というお店が有名なようでした。
タクシーで松阪市まで移動して明治35年創業の牛銀本店に向かいました。着いてお店を見てみると、まるで「千と千尋の神隠し」に出て来そうな和風建築のレストラン。そこで松坂牛のすき焼きを食べます。すき焼きのコースは11,000円。
牛肉は霜降りの特上で、2、3回鍋で表裏を焼けば、すぐに食べられます。口の中に入れるとするする溶けて肉なのに喉に流れていく感覚で食べられて、やみつきになりそうでした。移動のタクシー代は、志摩→松阪間、およそ15,000円でした。
最後は神様へのお参り
松阪牛を食べて、心の底から満足したA子さんは、フトこんなに贅沢をしてもいいのだろうか? と考えて、罪悪感を覚えました。そこで、足を伸ばして、日本人の心のふるさと「伊勢神宮」で身も心も綺麗になりたいと思いました。もうタクシーも乗り飽きたところだったので、電車で移動することに。
やっぱり普段のルートが落ち着くかも
松阪駅から伊勢市駅までは近鉄で390円。特急を使ってもプラス500円。特急を使って、伊勢市駅について外宮までは徒歩で移動。そこからバスに乗って内宮も参拝。(バス代420円)そして、近くを流れる五十鈴川を眺めながら、おかげ横丁に寄って太麺で有名な伊勢うどんを食べました。(600円 )
三重県に来てよかったと思いながらすする、伊勢うどんは格別の味がします。 将来は三重県で暮らすのも悪くないと思いながら、神宮の森が夕暮れ色に染まっていくのをぼんやり眺めていました。
…とは言えど、最後はやっぱり豪勢に
自分を見つめ直すこともできたA子さんは、目的も達成したので東京に帰ろうと思いました。帰りはもちろん、ヘリコプターです。ヘリ会社に連絡して、ヘリポートに移動して、もう一度、東京にフライアウェイ。880,000円(税抜き)です。そしてハイヤーで自宅まで安全に送り届けてもらいました。
旅行で得たものは?
旅行というのは、他では得難い経験を与えてくれます。今回、A子さんは、一生に一度の贅沢旅という一般人ではできない経験をしました。実は、宝くじで当たった金額は200万円だったので、ケチケチせずに思い切ってパーっと使ってしまおうと思ったのです。この2日間でA子さんが使った金額は、しめて1,946,050円。
ごく普通のOLとして働くA子さんは予算内に収まったことにホッとしました。A子さんはこの経験をしたことで、これからの毎日の仕事を頑張るやる気が湧いたそうです。残った金額はわずかですが、心には忘れがたい経験が残ったのでA子さんは満足しています。
お金は行動したい気持ちに翼を与えてくれる
お金は行動したい気持ちに翼を与えてくれます。でも、その翼をどこに向かわせるのかは、その人の自由です。今回の旅行は人によっては単なる無駄遣いのように感じるかもしれませんが、A子さんはこの旅行で確実に得たものがあります。
それは普段 見られない世界をみることによって得られた、ワクワクする日常です。空を見上げヘリコプターが飛んでいたら、「あれに乗ったことがある」という優越感は、心を軽くし、いつかまた乗りたいと思うようになりました。A子さんが心の中に生まれたワクワク感をこれからどう活かすか、楽しみですね。