株や投資信託の利益が非課税となる少額非課税制度NISA。実は、NISAをさらに便利に利用するコツがあることをご存知ですか?今回はこれからNISAを始めたい人も、すでにNISAで資産運用を始めている人も、しっかりチェックしておきたいNISAの裏技を大公開します。
NISAを利用する時に確認したい!
知ってお得な裏技5つ
2017年4月27日
NISAのおさらいをしよう
NISA(ニーサ)は、2014年1月から始まった少額投資非課税制度の愛称です。私たち国民の、効率的な資産形成や貯蓄の手段として、イギリスの制度をお手本に導入されました。
通常、私たちが資産運用を行う場合、株式や投資信託などでもらえる配当や譲渡益などの利益には、所得税や住民税がかかります。しかし、証券会社や銀行、郵便局などの金融機関で、少額投資非課税口座(NISA口座)を開設して有価証券を購入すると、本来課税される配当金や売買益が、非課税となる制度です。
2017年現在のNISAでは、非課税枠で購入できる金額は、年間120万円まで。非課税期間は5年間となっています。
さらに2018年からは、「積立型NISA」という、新しい少額非課税制度がスタートする予定です。積立型NISAについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してみましょう。
覚えておきたいNISAの裏技
日本においても少しずつ普及し始めているNISAですが、実は、NISAで使える便利な裏技があるんです。確認しておきたいポイントを5つご紹介します。
裏技1. NISA枠は、年に1度使い切り
NISAの非課税枠は、年間120万円までとなっていますが、この枠は毎年使い切りとなっています。
例えば、120万円分の投資信託を1月に購入し、そのうち20万円分を4月(年の途中)で売却したとしましょう。非課税枠は使い切りなので、売却したからといって、その年は20万円追加して、NISA口座で有価証券を購入することはできません。
毎日のように株や投資信託の売買を繰り返し、値上がり益を狙う、いわゆるデイトレードでは、あっという間に非課税枠を使い切ってしまう可能性があります。まずは、1年間時間をかけてお金を育てていくつもりで、NISAを利用してみましょう。
裏技2. ドルコスト平均法で買い増し
NISAでは、非課税枠120万円の範囲内で、少額ずつ有価証券を買い増ししていくことが可能です。毎月定期的に、一定の金額ずつ証券を購入する投資方法、「ドルコスト平均法」を実践したい投資家の方も、NISAを有効に利用することができますよ。
例えば、NISA口座において、毎月10万円ずつ、年間12回にわたって同じ銘柄の株式を購入すると、120万円全額分が非課税となります。毎月一定額ずつ買う「ドルコスト平均法」は、投資初心者の方にもとても分かりやすいので、NISA口座でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
裏技3. 金融機関は毎年変更可能
すでにNISA口座を開設しているけれど、取り扱う商品や手数料を比較検討して、金融機関を変更したいと考えている方はいませんか。次にご紹介するのは、そんな人に嬉しい裏技。2015年以降、年単位で、NISA口座の金融機関を変更できるようになりました。
対面式の証券会社は、営業員の方に相談しながら金融商品を購入できますが、ネット証券よりも、手数料が高めに設定されています。来年度は、手数料が安い金融機関へNISA口座を変えたいと考えているような方は、変更したい年の前年の10月1日から変更申請ができますよ。ぜひ検討してみましょう。
裏技4. 非課税期間を延長できるロールオーバー
NISAの非課税期間は、投資を始めた年から5年目の12月末までとなっています。非課税期間が終了した場合、NISA口座で保有していた商品を「一般口座に移管する」か「売却する」という選択肢の他に、翌年のNISAの非課税枠に資産を移管させること(ロールオーバー)が可能です。
ロールオーバーさせた資産は、引き続き5年間NISA口座で保有し、非課税期間を延長することができます。NISA口座で保有している金融商品で損をしてしまって、まだ売りたくなという場合に使えるテクニックですので、ぜひ覚えておきましょう。
裏技5. NISA口座の配当金の受け取り方は?
NISA口座で株の配当金を受け取る場合、その受け取り方法を「株式数比例配分方式」に設定するようにしましょう。配当金を受け取る方法は、他にも「配当金領収書方式」や「登録配当金受領口座方式」、さらに「個別銘柄方式」がありますが、これらに設定した場合は、20.315%の税金が源泉徴収されてしまいます。
NISA口座を開設する場合は、配当金の非課税というメリットを受けるために、「株式数比例配分方式」を忘れずに選ぶようにしましょうね。
いかがだったでしょうか。投資初心者の方でも、資産運用を始めやすいNISA。すでにNISA口座を持っている人も、これからチャレンジしたいと考えている人も、NISAで資産運用を行う場合は、今回ご紹介したポイントをおさえるようにしましょう。