大手広告会社で、長時間労働が問題となりました。仕事には、日々一生懸命取り組みたいけれど、自分の意図としない「仕事のし過ぎ」は、身体的にも精神的にも良くありません。長時間労働にならないようにするためには、自分の時間をお金に換算する「時給」を意識することが大切です。今回は、あなたの時間の価値について考えてみましょう。
働き女子必見!
長時間労働にならないために、
自分の時給を考えよう
2017年3月15日
雇用形態によって時給は変わる
アルバイトやパート、派遣社員などでお仕事をしている場合、時間あたりの賃金が、1,000円や1,500円というように、あらかじめ「時給」が決められていますね。残業した場合や、深夜勤務・休日勤務した場合のお給与も具体的に定められているので、いつも自分の時給を意識して働くことができます。
一方、雇用形態によっては、「年俸制」によって年収のみが決まっており時給が定められていない方や、営業成績や会社の業績によってお給与が決まる「出来高制」の方もいるでしょう。
このような方々にぜひ意識してもらいたいのが、自分の「時間の価値」です。自分の年収を年間の労働時間で除することで、あなたの「時給」、つまり「時間をお金に換算した価値」を計算することができます。
あなたの時給はどのくらい?
では、実際に、時給を計算してみましょう。例えば、年俸が480万円のケースを見てみましょう。1日の労働時間が5時間で、毎月20日間働いたとすると、年間の労働時間は1200時間(5時間×20日間×12ヶ月)となります。よって、この人の時給は4,000円(480万円÷1200時間)ですね。
一方、年俸が同じ480万円でも、労働時間が変わると時給が変化します。仮に1日の労働時間が10時間で、毎月20日間働いたとすると、年間の労働時間は2400時間(10時間×20日間×12ヶ月)です。時給に換算すると2,000円(480万円÷2400時間)となります。1日の労働時間が5時間の場合と比較すると、時給がなんと半額に。労働時間が長くなっても、お給与が上がらない雇用形態の場合、労働時間が長くなればなるほど、計算上の時給は下がってしまうのです。
大きな仕事を任されて、ついつい深夜まで頑張り過ぎてしまったり、上司やチームメンバーのプレッシャーから、意図せず休日勤務をしてしまっていませんか。自分の時給を意識することで、長時間労働になり過ぎないよう、自分をしっかり守ることが大切ですね。
専業主婦の賃金を計算してみよう
次に、「家事労働」について、時給を考えてみましょう。具体的にお給与は発生しませんが、家事は立派な労働です。内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部が2011年に発表した「家事労働等の評価について」によると、専業主婦の年収は平均304.1万円(機会費用法により算出)となっています。詳しい資料は、こちらを参照してみましょう。
先ほどの例と同様に、自分の年間の家事労働時間でこの金額を除すると、自分の家事労働の時給を計算することができます。
専業主婦で具体的にお給与をもらっていない場合、メリハリがなく、ついダラダラと時間を無駄に過ごしてしまうことがあるかもしれません。そこで、家事労働の時給を計算し、自分の時間の価値を認識することで、効率よく、よりテキパキと家事をこなすことができるようになるでしょう。時間は貴重だという意識を持って、毎日の家事に取り組みたいですね。
時間は価値があるもの「機会費用」を意識しよう
経済学の世界では、時間には価値があるものと考え、時間をお金に換算した値を「機会費用」と呼んでいます。
大手広告会社では、長時間労働が問題となりましたが、自分の意図しない過剰労働は、身体的にも精神的にも悪影響を及ぼします。あなたの時間はとても貴重です。長時間労働にならないように、常に時間の価値「機会費用」を意識して行動するようにしましょう。