女性の活躍促進とか、ウーマノミクスという言葉をよく聞くけれど、このままずっと働き続けたほうがいいの?お金を稼ぐことも大事だけど、他にも大事なことがある気がする…なんて女ゴコロが揺れることはよくあることです。そんなあなたも生涯賃金を知れば、働くモチベーションがさらに上がるかもしれません。
この先いくら稼げるの?!
女性の生涯賃金はいくら?
2017年3月13日
生涯賃金って知ってる?!
女でも男でも、給料の額が仕事へのモチベーションのひとつであることはたしかです。今の職場を選んだ時も、やりたい仕事、好きな仕事、自分に出来る仕事、なんて条件以外にも、給料額やボーナスの有無をチェックしたのでは?
働いて、収入を得て、それで暮らしていくのだから、毎月の給料や年収という目先の収入額を気にするのはとても大切なことです。でも、女性も定年年齢まで働き続けることが普通になりつつある昨今、生涯賃金についても考えてみましょう。
生涯賃金とは、人が就職してから退職するまでの期間にもらう賃金・賞与の総額のこと。一般的に、新規学卒として就職してから、一般的な定年年齢である60歳で退職するまで働き続けるものとして、物価上昇率などを加味しながら計算します。
働き方で生涯賃金が変わる?!
とはいえ、新卒で会社に就職し、定年までずっと同じ会社で働き続ける人もいれば、転職や退職後の再就職の経験をする人もいますね。実は、この2者を比べると生涯賃金に大きな差があるんです。さらに契約社員や派遣社員など、正社員と非正社員を比べると、この差はさらに大きくなるんです。
女性の生涯賃金はいくら?
労働政策研究・研修機構が発表する『ユースフル労働統計2016』によると、大学を卒業し60歳で退職するまで正社員として働き続けた場合の女性の生涯賃金は、約2億1,800万円。短大卒の場合なら、約1億7,400万円です。
もしも、新卒入社から60歳で退職するまで、正社員として同一企業でずっと働き続けるなら、生涯賃金はもっと多く、大卒女性で約2億4,400万円、短大卒なら2億500万円です。転職でキャリアアップや収入アップする人も増えているとはいえ、一般的にはずっと正社員で働くにしても、転職せずに同じ会社で働き続けるほうが生涯賃金は高くなるようですね。
では、非正社員ではどうでしょう。学校を卒業してフルタイムの非正社員となり、そのまま非正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金は、大卒女性が1億2千万円、短大卒で1億1千万円と、正社員で同一企業で働く場合の約半分程度という実態です。
現役時代の賃金だけじゃない!リタイア後にも影響!
これらの生涯賃金には退職金は含まれていません。でも退職金も人生の中で得られる収入として侮れないもの。一般的に退職金の決め方として、勤続年数を用いる会社が多いんです。つまり、同一企業での勤続年数が長くなればなるほど退職金の額も大きくなる場合がほとんどです。
また、リタイア後の年金も忘れずに。非正社員でも条件を満たせば厚生年金に加入できますが、将来受給できる厚生年金の金額は、「加入期間」や「平均給料」などによって計算されるんです。月給でいえば正社員よりも多く稼ぐ非正社員もいるでしょう。でも、年金額の計算には賞与の額も含まれることを考えると、やはり将来の年金額も働き方で大きな差が出る可能性は大なのです。
この先いくら稼ぐかは、あなた次第
どんな働き方をするかは、個人の自由。家庭の事情や自分の置かれている環境などで、働き方の選択肢が限られる場合だってあるでしょう。先に紹介した生涯賃金の額はあくまでも統計上の金額で、個々人別に見ればこの通りだとは限りません。
でも、あなたが初めて就職した時からこれまで稼いだ収入総額をグラフにすれば、グラフは右方上がりに伸びているはず。もし今あなたが正社員で、そのまま右方向にアップさせていきたいなら、いまの職場を辞めないのがGOODな選択かもしれません。
女性の場合、結婚、出産、育児、配偶者の転勤など、自分のヤル気以外の問題で働き方が変わる場合があることは否めませんが、安易にワークスタイルを変えることだけは避けたほうがいいでしょう。子どもができたら預け先のこともあり、場合によっては月給の大部分が保育料に消費され、働き損かもと自問することだってあり得ます。
でも、そんなときこそ生涯賃金グラフを思い描いてみてください。パパとなる人にはイクメンになってもらって、二人で稼ぎ、二人で育児というライフスタイルだってあるんです。そのためには、子どもが欲しいと思ったときから、生涯賃金について二人で話し合っておくことが必要かもしれません。
生涯賃金が変われば、暮らしぶりにだって大きな差が出るはずです。自分の望む生き方、暮らし方をイメージしながら、かかる費用と生涯賃金をシミュレーションしてみるといいかもしれませんね。