新聞やニュースなどで、「インフレ経済」や「デフレ傾向」などの言葉を聞いたことはありますか。これは、私たちが普段使っている、お金の価値を表す指標です。一見難しそうに見えますが、これらの経済用語が分かると、世の中の動きがよく見えてきますよ。今回は、働き女子がぜひ押さえておきたい経済用語、「インフレーション」と「デフレーション」について勉強してみましょう。
デキる働き女子は知っておきたい
「インフレ・デフレ」で日本経済丸分かり!
2017年3月9日
インフレーションってどういう状態?
インフレーション、略してインフレとは、簡単に言うと、物の値段がどんどん上がっていき、お金の価値がどんどん下がる状態を指します。
例えば、スーパーで、昨日は1つ100円で売られていたリンゴが、今日は1つ150円、さらに明日は1つ200円で売られるようになったとしましょう。
私たち消費者は、昨日は手元に100円あればリンゴを購入することができたのに、今日は100円では買うことができません。つまり、物の価値が上がり、お金の価値が下がってしまっているのです。
このように、リンゴに限らず、市場で取引されている様々な物やサービスの価値が上がり、お金の価値が下がるという状況をインフレーションと言います。
私たち消費者にとっては、物の値段が上がると出費が増えるため、インフレ経済は嫌だなっと感じるかもしれません。しかし、物やサービスを販売する企業からすると、価格の上昇に伴って売上高が上がります。そして、企業の増収は、結果的に社員のお給与アップにもつながるため、一般的に、世の中が好景気の状態の時に、インフレが起こる傾向があります。
デフレーションは不景気の時に起きる!
一方、デフレーション、略してデフレとは、物の価値が下がり、お金の価値が上がる状態を指します。
簡単に言うと、スーパーで、昨日は1つ200円で売られていたリンゴが、今日は1つ150円、さらに明日は1つ100円で売られるようになる状態ですね。
私たち消費者にとっては、昨日よりも少ないお金でリンゴを買うことができるので、デフレは嬉しい状況に見えます。しかし、リンゴを販売するスーパーにとっては、同じリンゴを販売しているのにもかかわらず、昨日と今日で、売上高が減ってしまうことになるのです。
さらにデフレが進み、スーパーの売上高がどんどん減って経営が苦しくなってしまうと、スーパーの従業員のお給与までが下げられてしまいます。このように、物やサービスの値段、さらにお給与までも減ってしまうデフレーション経済は、一般的に、世の中が不景気の状態の時に起こる傾向があるのです。
日本経済をインフレとデフレで読み解こう
それでは、日本の経済を「インフレ」と「デフレ」という切り口から見ていきましょう。
インフレとデフレを判断する時に使われる指標の一つに、「消費者物価指数」というものがあります。これは、私たち消費者が購入する物やサービスの価格を総合した、物価の変動を測定するものです。
この消費物価指数が上がっていると、物の値段が上がっている状態なのでインフレ経済であると判断し、逆に消費者物価指数が下がっていると、物の値段が下がっているデフレ経済であると判断することができます。
ここ3年間は?
では、ここ3年間の消費者物価指数を見てみましょう。2014年は前年比2.7%アップ(前年に比べ、物価が2.7%上がった)、2015年は前年比0.8%アップ(前年に比べ、物価が0.8%上がった)、2016年は前年比0.1%ダウン(前年に比べ、物価が0.1%下がった)となっています。
この消費者物価指数の変化から、2014年と2015年はインフレ傾向でしたが、2016年は若干デフレ傾向であったということが分かりますね。
消費者物価指数は、総務省が毎月発表しているので、インフレやデフレを知ることができる手がかりになります。ぜひニュースや新聞などでチェックしてみましょう。さらに詳しく知りたい方は、こちらの総務省統計局のホームページを確認してみて下さいね。
いかがだったでしょうか。インフレとデフレについて、理解は深まりましたか。最初は取っ付きにくく感じる経済用語ですが、簡単な例を使って学んでいくと、分かりやすいですよね。このような経済用語について知識を増やしていくと、日本や世界経済の動きが、どんどん理解できるようになります。新聞やテレビから流れる経済ニュースに日々アンテナを張って、デキる働き女子を目指していきましょう。