「キャンペーン中でおトクですって勧められて、とりあえずオプションをつけたけど、結局ずっと解約してない…」「ジムに高い入会金を払って入会したけれど、そういえば全然行けていない…」数百円の差だからと、毎月毎回、無駄に払ってしまっているお金はありませんか?「いつか解約するから」と、ついつい後回しにしてしまうその行動で、なかなか貯蓄がうまくいかないこともありますね。実はこれには、経済学に登場する「サンクコスト」という考え方が絡んでいるのです。今回は、サンクコストと貯蓄の関係についてご紹介します。
「いつかいつか」はもったいない?!
サンクコストを学んで賢く貯金!
2016年10月13日
サンクコストとはどういう考え方?
「サンクコスト」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 サンクコストとは、日本語で「埋没費用」と訳される、経済学や経営学で使われる用語です。既に支払ってしまってもう戻ってこない費用や労力、さらに時間のことを指します。 例えば、2016年9月現在、築地市場の豊洲への移転問題で、東京都の今後の対応が大きなニュースになっていますね。 中には、「もうすでに多額のお金を使って豊洲に設備を建設してしまったのだから、豊洲市場を使わないなんてもったいない。豊洲に移転すべきだ。」と考えている方もいるでしょう。 このような方々は、「たとえ移転先の状況があまり良くなかったとしても、既にこれだけお金を使ったのだから、後には引けない」と考え、今やめたらもったいないと言う思考が働いているのです。 しかし、一度このような考え方になってしまうと、市場の移設が本当に良いかどうかを正しく判断できなくなってしまいますね。これがまさに、サンクコストの罠にはまってしまっている状態と言えるのです。
私たちの身近に潜むサンクコストの罠
さらに、私たちの生活の身近に潜む、サンクコストの罠についてご説明しましょう。
タイミングを逃していけてないジム、ありませんか?
例えば、よく例として挙げられるのが、入会金が高かったスポーツジムや習い事の辞め時が分からなくなってしまうというサンクコストです。 時間がなくて、もうほとんど通えなくなってしまっているジムや習い事だけれど、最初にせっかく払ってしまった入会金がもったいなくて、きっといつか時間ができたらまた通うだろうと、毎月月会費を払い続けているなんて方はいませんか? 確かに、一度支払った入会金は返金されないことが多く、スポーツジムや習い事を退会するのはもったいないと思うかもしれません。 しかし、もう通っていないのに、ジムや習い事に毎月月会費を払い続けている方が、実は大きな無駄使い。 家計の負担につながり、なかなか貯蓄ができませんね。 冷静に考えれば、少しでも早くジムを退会し、月会費を払うのを辞めることがベストな選択であることが分かりますが、なかなか決断ができないという状況がサンクコストの罠なのです。
子どもの習い事も!
また、サンクコストの罠は、ピアノやバイオリンなど、お子さんの習い事にも当てはまります。 お子さんがピアノやバイオリンをもう練習せず、レッスンを休みがちになっているにも関わらず、高い楽器を買ってしまったから行って、無理やり続けさせているなんてことはありませんか? いつか辞める習い事だとすると、少しでも早く教室をやめて月謝を払わなくてよくなる方が家計にとってはプラスなのですが、決心がつかない方もいるでしょう。
まだまだあるサンクコストの罠!
その他にも、本当に今後必要なのか分からないけれど、これまで保険料を払い続けてきたから、今解約してしまってはもったいないと思い、とりあえず加入し続けている保険や、今の仕事において全く活用していないけれど、更新料や会費を払って、維持し続けている資格なども、サンクコストの罠に該当します。
サンクコストをかけずに、賢く貯蓄
さて、サンクコストの罠については、大体理解できたでしょうか。 ここまで挙げてきた例のように、冷静な考え方ができず、無駄に払い続けてしまっているお金がある人は、要注意です。
必要・不必要な出資を見極めて
毎月きちんと貯蓄していくためには、合理的に考えて、家計にとってベストな選択肢となるように、出費を減らしていくことが大切ですね。自分の毎月の出費の中に、サンクコストの罠が潜んでいないか、一度しっかり見直してみるようにしましょう。 さらに、サンクコスト以外にも、ついつい無駄遣いが多いと自覚がある人は、こんな行動をしていませんか?毎日の無駄使いをなくす工夫について知りたい方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみて下さいね。 いかがだったでしょうか。「サンクコスト」という経済学の難しい用語が登場してきましたが、実は私たちの生活にも活かすことができる大切な考え方です。今回勉強したサンクコストのさまざまな例を頭に入れておき、賢く貯蓄ができるように心がけていきましょう。