おしゃれや流行に敏感な人ほど、ついかさんでしまう美容費やコスメ代。いつまでもきれいでいたい女子は「高い価格の商品を買わなきゃ!肌にいいものを使わなくては!」と考えがちですが、化粧品の本来の価値「原価」とは、一体どのくらいなのでしょうか。世の中で販売されている商品には、製造コスト以外にも、人気女優を起用した大掛かりなコマーシャルなどの宣伝費や研究開発費、人件費などさまざまな費用がかかっています。「価値と価格」を見極める力を身につけて、いつまでも美しい「賢美」を追求していきましょう。
原価は驚くほど安い?意外と知らない
美容に関する値段のカラクリ
2016年5月27日
「値段が高い=効果がある」とは限らない?
化粧品やシャンプーなどの商品を購入する時、あなたは何に注目して選んでいるでしょうか。商品パッケージがキラキラしていて可愛いものや、有名な女優が宣伝モデルとして起用されているブランドは、私たち消費者からも親しみやすく、つい惹かれてしまいますね。また、少し高価な美白クリームやアンチエイジング化粧品などは、有効な成分がたくさん含まれているような気がして、美意識が高い女子は一度試してみたくなるものです。
世の中で販売されている商品は、その商品を販売するまでにかかった研究開発費用、製造コスト、コマーシャルなどの宣伝費などさまざまな費用が盛り込まれて、価格が決定されています。化粧品の場合、例えば、シミに効く美白成分を研究するために多くの時間がかかったものや、貴重な植物からしか抽出されないエキスを使ったクリームなどは、研究開発費用や製造コストが高くなる傾向があります。一方、化粧品の成分としては一般的ですが、広告に有名な女優が起用されていたり、雑誌やテレビコマーシャルで頻繁に登場する商品は、宣伝費用が多くかかっており、それが商品価格に反映されています。このように、商品の値段が高いからといって、必ずしもお肌にとって有効な成分がたくさん含まれているとは限りません。価格が安くても十分効果がある化粧品もありますし、逆に価格が高くても、宣伝費用でコストがかかっているだけで、安い商品とあまり効果が変わらないこともあるのです。
商品の本当の価値を知ろう
自分が使っているものが本当に価値のあるものなのかを知るためには、その商品を製造するときにかかっているコストを表す「原価」や、広告宣伝費用や人件費である「販売費及び一般管理費」を調べることで分かります。
例えば、大手化粧品会社である資生堂グループを見てみましょう。資生堂グループの連結損益計算書(2015年度)を調べてみると、売上高は7,630億5,800万円、売上原価は1,960億900万円、販売費及び一般管理費は5,293億8,800万円となっています。資生堂グループでは、化粧品などの商品を製造するためにかかる「原価」の約2.7倍を「販売費及び一般管理費」に使っていることが分かりますね。
売上原価や販売費は、企業や業界によって大きく異なります。少し難しい会計用語ですが、各企業がどのような経営をしているかを示す指標なので、お金の教養として頭の片隅に入れておくと、企業分析をする際に役に立つと思います。
賢い化粧品の選び方 ポイントは3つ
それでは、実際に私たちが賢く化粧品を選ぶには、どのようにしたら良いのでしょうか。大きなポイントを3つご紹介しますね。
まずは、化粧品やシャンプーに含まれている成分を確認しましょう。価格が高い商品と低い商品を比べてみると、含まれているうるおい成分や美白成分はほとんど同じであることがあります。商品ブランドにあまりこだわりがない方は、成分を確認して、より安い物を選ぶと大きな節約になりますね。
2つめのポイントは、ネット等の口コミを参考にすることです。広告費用にお金をかけていない商品でも、消費者の間で評判が良いものはネットや雑誌で話題になります。名前が知られていなくても、優秀な美容アイテムを見つけることができるかもしれません。
最後のポイントは、化粧品サンプルを利用してみるということです。デパートの化粧品売り場等では、実際に商品を試してみたり、サンプルをもらえることがあります。高級な化粧品を買う前には、一度その使い心地や効果を確かめてみて、納得してから購入するようにしましょう。コマーシャルなどの広告だけに惹かれて買ってしまうと、アレルギー反応を起こしてしまったり、自分の肌の色に合わなかったりと失敗して、お金を無駄にしてしまうこともあるので、注意が必要です。
化粧品やシャンプーなど、美容アイテムの値段のカラクリが分かると、商品選びもますます楽しくなりますね。お金の教養を身につけて買い物することで、賢くお金を利用することができ、またあなた自身の美しさにも磨きがかかり、まさに一石二鳥。今日ご紹介した部分以外を中心に、自分観点をプラスして、上手にお買い物をしてみてくださいね。