だんだんと空気が乾燥し、インフルエンザが流行する季節がやってきました。すでに今年の10月には感染者の報告もあり、対策をし始めている方も多いのではないでしょうか。
一番強力な対策はなんといっても予防接種ですが、実は1000円~6000円と、病院ごとに値段が大きく異なります。「なぜそんなに差が出るの?」「安いとワクチンの質が悪いの?」そんなインフルエンザ予防接種の価格のナゾに迫ります!
1000円でも大丈夫…?
インフルエンザ予防接種の価格設定のナゾ
2016年11月21日
インフルエンザはいつ頃がピーク?
インフルエンザウィルスは低温乾燥を好みます。つまり、ウィルスが増殖する条件が揃う真冬がインフルエンザの流行のピーク。 インフルエンザウィルスが最も猛威を振るうのは12月~2月の寒さが厳しいときと言われていますが、すでに今年の10月にインフルエンザウィルスの感染者が確認されていますね。 また、過去にも10月、11月に流行期を迎えたこともあり、初冬を迎える前の早い段階でウィルスが出回ることも珍しくなくなってきました。 入念な手洗いやうがいなどは当然のこと、インフルエンザの予防接種を含め早め早めの対策をしておくことが大切。 予防接種はウィルスが流行してからではすでに遅い場合もあることを知っておきましょう。
効果が出るまでに時間がかかる?
というのも、インフルエンザワクチンを接種してすぐに効果が期待できればいいのですが、個人差はあれど、実は接種をしてから抗体ができるまでに1~3週間程度の時間を要します。 流行前までに免疫を作っておきたいなら10月中~下旬、流行のピークに合わせるなら11月中に接種しておきたいですね。 ちなみに多くの医療機関ではインフルエンザ予防接種の適正時期を11月としています。
新しく導入された「4価ワクチン」とは?
そもそも予防接種(ワクチン)とは、毒性を弱めた病原体や毒素を前もって投与しておくことで、体の中に抗体をつくり病原体に対する抵抗力を高めるもの。 体内に病原体が入ってきても発症を防いだり、罹ったとしても軽くて済んだりします。
毎年ワクチンは変わる
インフルエンザワクチンも例外ではなく病原体を投与することで抗体を作るものですが、困ったことにインフルエンザウィルスにはA型とB型があり、また同じ型のなかでも遺伝子の型の種類がいくつかあるんです。 おまけに、どの型が流行するかは毎年変わります。だからインフルエンザワクチンは流行しそうなウィルスの型に合わせて毎年作り変えられるんです。 その年に使用されるインフルエンザワクチンは厚生労働省によって決められますが、2014年まで長らく使用されていた3価ワクチンに替わり、今では4価ワクチンが導入されています。 通常、ワクチンはA型・B型のどちら、または両方のインフルエンザが流行しても予防できるよう、両者を組み合わせて作られます。 3価ワクチンとはA型2種類、B型1種類を合わせて作ったもので、4価ワクチンとはA型2種類、B型2種類を合わせたもの。 年々インフルエンザの激しい猛威の情報を聞きますが、よりさまざまな型のウィルスへの予防をしておこうということかもしれませんね。
ワクチンの価格は決まっている?
インフルエンザワクチンは任意接種のため、基本的には健康保険が効かず全額自己負担。 予防接種する前にやっぱり金額が気になりますね。 基本的にインフルエンザの予防接種は自由診療。つまり、価格は医療機関が独自で決めることができるんです。 実際、医療機関によって1,000円程度~6,000円前後とかなりの差。 これだけ差があると、逆に1,000円のワクチンは格安で効果が薄い感覚を受けてしまいますが、実はワクチンの効果は同じです。
価格差のカラクリ
同じワクチンを使っていても仕入れ価格や接種希望者の数などは医療機関によって異なりますね。 実はこれが価格差のカラクリのひとつ。 インフルエンザワクチン1本には大人2回分の量が入っていて、開封したらその日に使い切らなければなりません。 同じ日に2人の接種希望者がいれば1本のワクチンを使い切れますが、1人または3人、5人など人数によっては使いきれない分を破棄せざるを得ず、仕入れ代金を回収できない場合もあるんです。 他にも予防接種を地域医療貢献と考えるなど、接種に対する捉え方も医療機関によってさまざまで、このような多くの事情を考慮しながら価格が設定されるというしくみ。 医療機関のなかには来院経験のない患者との接点を持つ貴重な機会として広告費をかける代わりに安くするところもあるので、節約のためにも行きつけの病院でないところも含め、いくつかの医療機関に価格の問い合わせをしてみるのがおススメです。 ちなみに、全国の平均価格およそ3,000円程度。首都圏は少々高めなど、地域差もありますが、3,000円~4,000円くらいと目安をつけておくといいですね。 なかには家族同時に接種すると割引してもらえる医療機関もあるので、家族みんなで予防接種するのもいいかもしれませんね。
弱っている体に病は近寄ってきます。不調気味の方はこちらの記事を参考にして、早めに対策を!今年の冬は病気知らずで健康な毎日を過ごせるといいですね。