結婚したら、子どもが欲しい。そんな風に考える女性も多いのでは。今や、耳にすることも多くなった「不妊治療」。言葉は聞けど、実態は未だよくわからない…なんて人もいるのでは。知っておいて損はない、不妊治療の基本についてまとめました。
「ママ」になるために知っておきたい
不妊治療とお金のコト
2016年8月19日
不妊治療は早めのスタートが肝心
日本産科婦人科学会によると、不妊のカップルは約10組に1組。妊娠を考える年齢が上昇している昨今では、その数はもっと多いのではないかといわれています。 というのも加齢によっても妊娠する・させる力が低下することが分かっており、女性では30歳を過ぎると自然に妊娠する確立が減り、35歳を過ぎると著明な低下をきたすよう。 男性は女性に比べるとゆっくりですが、35歳頃から徐々に精子の質が低下するといわれています。 一般的に妊娠を望んで1年の間に妊娠しない場合が不妊とされますが、この1年を待たずともできるだけ早めに検査・治療をするほうが得策。 不妊には男女関わらずさまざまな原因がありますが、加齢によっても妊娠の確立が低下するのなら、治療を受けても成功率も徐々に低下する方向に。 治療を先延ばしにしていると、不妊の期間も治療にかかる費用もアップしてしまう……ということになるかもしれません。
不妊治療ってどんなもの?かかる費用は?
不妊の原因が特定できる場合は、それに対応した治療を行います。 しかし、とくに原因もなく不妊という場合は、排卵と受精を補助する治療がなされます。 まずは、ホルモン検査などから排卵日を推測し、指定した日に性行為を行う「タイミング法」や内服薬や注射で排卵を促す「排卵誘発法」が一般的。 数周期試して妊娠しなければ「人工授精」や「体外受精」へとステップアップしていきます。
費用は数千円~数十万円まで幅広く
気になる費用の方ですが、初期の一般不妊治療とされる「タイミング法」「排卵誘発法」では1回の治療費は数千円程度。健康保険も適用されるので自己負担は3割で済むので安心です。 しかしステップがあがり、「人工授精」や「体外受精(顕微授精)」になると健康保険が適用されません。 細いチューブで精子を子宮へ送る「人工授精」は治療費が1回当たり15,000円程度と手が届きやすい金額ですが、「体外受精」になると1回当たり20万~50万円、体外受精のなかでも細い針で精子を卵子に注入した受精卵を子宮内に戻す「顕微授精」では1回当たり40万~60万円とアップします。
治療期間もカップルによってさまざま
治療にかかる期間は個人差があり一概には言えませんが、1回の治療で成功する人は一握り。 不妊に悩むカップルを支援するNPO団体Fineのアンケート調査(2012~2013年)によると、治療期間でもっとも多かったのは2~5年未満。 なかには10年以上かかる人もいます。治療回数を重ねるごとにそれだけ費用がかかってしまうことは簡単に想像できますね。
知っておいて損はナシ!不妊治療の公的補助制度
子どもを望む気持ちと経済的な負担能力のバランスがうまく取れるのがベストですが、残念ながら、経済的負担が重くて不妊治療を躊躇するカップルも多くいます。 そこで、不妊治療に対する国の助成金制度について知っておきましょう。 国の助成金制度は2004年にスタートし、利用者も年々増えています。
特定治療支援事業の概要
これは、自治体の指定を受けた医療機関で、特定不妊治療といわれる「体外受精」と「顕微授精」をした場合に助成金が支給されるというもの。 1回の治療につき15万円まで(凍結胚移植等は7万5千円まで)の助成金が支給されます。ただし夫婦合算で年間所得が730万円までと所得制限が設けられています。
対象年令が設けられたので注意して!
また、2016年4月に助成の対象範囲が一部変更され、治療開始時の妻の年齢に制限が設けられました。 43歳になると対象から外れてしまうのです。助成の回数にも制限があり、40歳未満の女性は通算6回まで、40歳以上43歳未満の女性だと通算3回までとされています。 それまでに助成制度を受けていた場合は制限回数も異なります。 詳しくは、各都道府県の不妊相談センターに確認してみましょう。 なお、国の助成金の上乗せとして、都道府県や市町村など、地方自治体独自の助成金制度を設けている場合もあります。 あわせて確認をしてみると、より多くの補助金をもらうことができるかもしれませんよ。
パートナーと話しあい、しっかりと検討して
助成金をもらえると経済的なサポートになることには違いありません。 しかしながら、助成金の額に対して治療にかかる費用が大きいため、自己負担は免れないことも事実。 また、体外受精や顕微授精を行うカップルのなかには年齢も高く、比例して高所得で助成金を受けられないというケースもあり得ます。 治療を早いうちから開始することも大切ですが、早いうちから先取り貯金などで資金準備をしておくことも大切。 未来に命を残すなら、早いうちからぜひパートナーと話し合うことをおススメします。 妊活後に、ママになってからもらえるお金については、こちらの記事にまとめていますので、合わせて参考にしてみてくださいね。