若いシングル女性には、「私は健康だから」「保険料がもったいないから」などの理由で保険に加入していない人も多くいるようですが、いざという時に困らないように「医療保険」への加入を検討してみてはいかがでしょうか?
ただし、よく知らないと「おすすめ保険」に加入し、高額の保険料を支払う可能性も・・・。自分でしっかりと必要な保険が選べるように知っておきたいことをご紹介します。
「おすすめ保険」からの卒業!
女性のための医療保険の選び方
2016年5月13日
いざという時に頼りになる公的保険
病気やケガへの備えを考える場合、まず、公的保険でどれくらいの保障がカバーされるのかを知っておくことが大切。病気やケガで治療を受けたとき、窓口で支払う自己負担額はかかった医療費の3割です。残りの7割は加入している健康保険などで負担してくれています。 そればかりか、1カ月の医療費には、自己負担限度額の割合が決められていて、超過分を申請すると還付が受けられるしくみになっています。この制度を「高額療養費制度」というのですが、これによって、毎月の医療費は多くても8万円~9万円に抑えることが。そのため、大病になって何百万円と負担することはないのです。
会社員なら休んだときにも公的保険から手当が出る!?
さらに、お給料の保障もあるんです。会社員が加入する健康保険の場合、病気やケガで会社を休み、お給料が出ない場合には、1日あたり標準報酬日額の3分の2を休業4日目から最大で1年6カ月間支給される「傷病手当金制度」があります。ただし、自営業者やフリーランスの人が加入している国民健康保険には、この制度はないので自分で備えておく必要があります。
このあたりはこちらの記事で詳しくまとめていますので、読んでみてくださいね。
300万円の医療費が全額自己負担?!公的保険が適用されないこともある
公的保険のおかげで、医療費が8~9万円程度の出費ですむなら、民間の医療保険は不要だと感じる人もいるかもしれませんね。でも、実際の出費はこれだけでは収まらないことも多いようです。…というのも、すべての医療費が公的保険でカバーされるわけではないからです。
治療には、健康保険が適用になる「保険診療」と、その枠を超えて治療を行う「自由診療」の2つがあります。保険診療であれば3割の自己負担額で治療が受けられますが、問題は自由診療。なかでも高額なのが「先進医療」と呼ばれる治療です。その代表的な例として、がん治療のための陽子線治療は平均290万円ほどかかるといわれています。こうした治療を受けた場合、その技術料は全額自己負担になります。
このほか、健康保険が適用されないものとして差額ベッド代があります。ベッド代は大部屋をベースとして入院費に含まれていますが、ある一定以上の広さの部屋や個室を希望する場合には差額ベッド代がかかってきます。また差額ベッド代の金額は病院が自由に設定してもよいことになっており、金額もさまざま。平均すると1日あたり5,000円というのが相場です。注意すべきは個室だけではなく、病床のプライバシーを確保するための設備があったり、個人用の照明があるなどごく普通の4人部屋でも病院によっては差額ベッド代がかかる場合もあります。 また、入院となると世話をしてくれる人の交通費や宿泊費、お見舞いへのお礼など、治療費以外にも出費がなにかとかさみます。おひとりさまで家族がいない場合には、身の回りの世話をしてくれるヘルパーさんの費用も必要になるかもしれません。 いざというときに頼りになる公的保険ですが、すべてカバーされているわけではないのも事実です。
公的保険でカバーされない部分を民間の医療保険で補う
では具体的にどのような保険に加入すれば良いのでしょうか。入院1日につきいくら、手術1回につきいくらという形で給付金が支払われる「終身医療保険」に加入すれば、これらの保障が生涯にわたって続きます。
備えあれば憂いなし。 保険は、病気になってしまってからでは加入できないので、若くて健康なうちに加入を検討することがオススメです。
医療保険を選ぶ際のポイント
一口に医療保険といってもさまざまな種類がありますが、医療保険を選ぶ際に大きなポイントとなるのが、「入院給付日額」と「支払限度日数」です。 入院給付日額とは、入院1日あたりにもらえる金額、支払限度日数は、1回の入院につき何日まで保障されるかということです。 前述の通り、公的保険に加入していれば、高額療養費制度によって医療費は最高でも1ヵ月9万円程度。さらに会社員の場合は、傷病手当金制度で、入院中でも標準報酬月額の約3分の2が最大1年6ヵ月支給されます。 そこで保障内容を検討する際は、差額ベッド代や病気によっては必要となる先進医療の技術代などを補う保険内容を考えます。
ある保険会社のデータによると、1人部屋以外の差額ベッド代の平均額は5,000円以内。そこで、医療保険の入院給付日額も、5,000円を一つの目安として考えます。 支払限度日数については、最近、高齢化の影響によって増え続ける医療費の負担を何とか抑えるために、入院日数がますます短くなる傾向にあります。 厚生労働省「患者調査」によると、1回の入院の平均在院日数は33.2日となっています。これを踏まえると、支払限度日数は、最近主流の60日型を選択するとゆとりもあり、良いでしょう。
最近は、民間の保険も進化していて、先進医療特約付の掛け捨て型の医療保険で、入院給付日額5000円、支払限度日数60日型のもので、20代、30代女性なら2,000円~3000円程度とかなり安い保険料で加入することができますよ。
「おすすめは何ですか?」から卒業をしよう!
医療保険を選ぶときには、入院給付日額は5,000円、支払限度日数は60日型を基本の保障と考え、入院が長期化しやすい人やフリーランスの人、年齢を重ねた場合は、入院給付日額や支払限度日数を増やすことを検討するとよいでしょう。
保険会社に勧めされるままに加入していては、色々なオプションがつき、保険料が高額となってしまいます。こうした公的保障をきちんと把握し、自分が病気やケガで入院したときにはどうなるんだろう?と考え判断でき、ムダな保険料は払わない! それが「お金の教養」の高い女性ですよ。