人生100年時代といわれるようになりました。
長生きできるのは嬉しいけれど、セカンドライフが長くなるとその分、必要なお金も増えることになります。
老後になって困らないために、少しでも早く資産形成をしていきたいですね。
資産形成のコツを年代別に考えていきましょう。
人生100年時代
年代別に考える資産形成
2022年11月10日
どんどん平均寿命が延びている
厚生労働省が発表している「令和2年簡易生命表」によると、2020年に生まれた男性の28%、女性の53%が90歳まで生存すると予想されています。男性の4人に1人、女性の2人に1人は90歳を迎えるということになります。
また、同じく厚生労働省の調査によると100歳以上の人口もどんどん増えてきていて、2022年現在の100歳以上の人口は9万人を超えています。
以前は、60歳で定年退職をしたあとは「老後」という認識があり、老後の20年~25年をのんびり過ごすというイメージがありました。今は定年退職が65歳に移りつつありますが、それでも退職後の「セカンドライフ」は約30年と、退職後の人生が長くなってきています。
そこで、セカンドライフをどのように過ごすかが大切になってくるのです。
長生きリスク、何がある?
長生きできるのは嬉しいことですが、そうなってくると気になるのがお金でしょう。
やりたいことがたくさんあっても、お金がなくて諦めないといけなくなるのは残念です。
長生きリスクに備えておさえておきたいポイントはどんなことがあるでしょうか。
金利と物価上昇率の関係
1990年は、郵便貯金の定期貯金の金利(3年以上)が6.33%でした。でもその後金利はどんどん下がり続けており、2022年10月現在同じゆうちょの定期貯金の金利(3年以上)は0.002%です。
昔のように定期預金に預けておくだけではほとんど利息がつかなくなってしまいました。
一方で、気をつけないといけないことは物価上昇です。
2021年の秋から、さまざまな物が値上がりしているのを実感している人も多いかと思います。
総務省が2022年9月20日に発表した2022年8月の消費者物価指数は、生鮮食料品を除く総合指数(コアCPI)が102.5と、前年同月比で2.8%上昇となりました。
つまり、金利が上がらないのに物価だけが上昇している状況で、手持ちのお金が目減りしているということになります。
退職後の支出と収入を知る
セカンドライフを楽しく過ごしたいと思った時に、どれだけお金が必要なのかを知っておくことは不安解消の第一歩です。
まずは、退職後の生活費がどれくらいかかるのか、また生活費以外にまとまったお金がいつ、どれくらい必要なのかを書き出してみましょう。
そして、次に退職後の収入についても予想しておきたいですね。
退職後の主な収入は公的年金になります。今は勤務先で厚生年金に加入している人も結婚や出産で退職すると夫の扶養家族に入ることもあるでしょう。ライフイベントの変化に応じて、自分はどの年金がもらえるのかその都度確認しておくことが大切です。
また、退職金や公的年金以外に自分で加入している年金保険やiDeCoなども、60歳以降の収入としておきましょう。
今すぐ考えたい! 世代別資産形成
退職後の支出と収入を予測できたら、不足分を今から準備していきましょう。
効率的に準備をするには、「現役世代」「退職前後世代」「年金受給世代」の3つの世代に分けて考えていくことが大切です。
現役世代
現在働いていて退職までまだ時間がある人は、お金を運用しながら積み立てることが大切です。
仮に現在40歳だとすると、定年までまだ20年以上の時間があります。
2022年10月現在の銀行の定期積立の金利は比較的金利が高いといわれているネット銀行でも0.02%です。これでは月1万円ずつ20年間積み立てたとしても、20年後に受け取れるお金は240万4,000円となりほとんど利息がつきません。
でも、仮に3%で運用できたとすると、20年後には約328万円となり、その差は80万円以上になります(複利で運用、税金・手数料は考慮しない)。
やはり少しでも早いうちから投資信託などを利用して運用しながら積み立ててほしいと思います。
退職前後世代
そろそろ定年退職が見えてきた、退職金が支払われたという世代は、今まで貯めてきたお金や退職金など、ある程度まとまったお金があると思われます。そのようなまとまったお金の寿命を延ばすということを考えていきましょう。
先ほどもお伝えしましたが、定期預金にお金をおいておいても残念ながらほとんど増えません。
まずは年金受給開始までに使うお金と年金受給後に向けて運用するお金とに分けて、しばらく使わないお金は運用しながら年金受給後に年金を補完する仕組みを考えていきましょう。
年金受給世代
65歳になって年金受給が始まったあとは、今まで貯まったお金を取り崩しながら生活をしていくことになるかと思います。
その場合も、定期預金においたまま取り崩していくのではなく、運用しながら取り崩していくことでお金の寿命を延ばすことが期待できます。
人生100年時代。
セカンドライフなんてまだまだ先のこと、と放置するのではなく、その時その時の世代にできることを考えながら中長期の視点で資産運用をしていくことが大切です。
(※本ページに記載されている情報は2022年10月2日時点のものです)