将来を見据えながらしっかり資産形成していく方法としておすすめの「つみたて投資」。これにクレジットカードを組み合わせると資産形成がよりはかどるって知っていますか?最近では、クレカつみたて投資を提供する金融機関も増えてきていますから、上手く活用してみてはいかがでしょうか。本記事では、クレカつみたて投資をおすすめする理由や注意点について説明します。
「クレカ」×「つみたて投資」で、
資産形成がよりはかどるかも!?
おすすめの理由と注意点を紹介
2022年2月24日
クレカつみたて投資とは
「クレカつみたて投資」とは、「クレジットカード」と「つみたて投資」を合わせた造語です。一般的には、証券会社が提供している投信積立(投資信託の積立サービス)を、クレジットカードを使って行う方法を指しています。
投信積立は、毎月一定の日に、毎月一定の金額で、自動的に投資信託を買い付け、積み立てていくという資産形成方法。多くの証券会社では毎月積み立てるお金を金融機関口座からの自動振替で申し込めるようになっています。
一方、クレカつみたて投資は、金融機関口座から自動振替する代わりに毎月の積立額をクレカ決済するというもの。クレカ決済された積立金は、普段のショッピングなど他のクレカ利用分と合わせてカードの引落し日に口座振替されます。
「クレカ」×「つみたて投資」はなぜ良いの?
支払い方法が異なるだけで、クレカつみたて投資と普通の投信積立と変わらないのではと考える人もいるかもしれません。しかし、口座振替の代わりにクレカ払いにするだけで資産形成がよりはかどる可能性があります。というのは、積立投信とクレジットカード、資産形成における両方のメリットを期待できるからです。
積立投信のメリット
積立投信には主に次のようなメリットがあります。
- ・毎月少額から積立てできる。
- ・毎月一定の金額で定期的に継続して投資信託を買い付けるため、1口当たりの平均買付価格を下げる効果を期待でき、価格変動リスクを抑えられる。
- ・毎月自動的に積み立てられるため買付けのタイミングに悩まなくていい。
- ・つみたてNISAを利用すれば、投資で得られた利益に税金がかからない。
クレジットカード利用のメリット
クレジットカードにはさまざまなメリットがありますが、資産形成のうえでは主に次のようなメリットがあります。
- ・クレジットカード利用に応じてポイントがたまる。
- ・たまったポイントには投資信託や株式の購入代金として使えるものもある。
- ・ポイントで投資するため初心者でも投資にチャレンジしやすい。
実は「投信積立」や「つみたてNISA」、「ポイント投資」は、「ファイナンシャルプランナーがおすすめする、お金の増やし方6選」の記事のなかでも筆者がおすすめしています。どれもじっくり時間をかけて資産形成したい方法ですが、相乗効果で資産形成がよりはかどることも期待できるのがクレカつみたて投資なのです。
クレカつみたて投資の注意点
ここまでの説明をお読みいただいて、「私もクレカつみたて投資をしてみよう」と思われた人もいるかもしれません。はじめる際は、次のような注意点をしっかり理解したうえで実行するようにしてください。
クレジットカードは後払い制です。
「口座振替」で投信積立をしている場合、口座残高が足りなければその月は買付けされません。しかし、クレジットカードは、いわゆる「後払い制」の決済方法です。そのためクレカつみたて投資は、積立日に口座残高がなくても投資信託の買付け(積立て)が行われます。
しかし、万一、後日、クレカつみたて投資分を含めたクレジットカード利用額が引落としできなければ、信用情報機関に遅延情報が一定期間登録されるうえ、支払いが遅れた日数分だけの損害遅延金がかかるといった不利益があります。
それなら口座振替で積立てをしておけばよかったということにならないように、あらためてクレジットカードの特性を理解したうえで申込みしましょう。
クレジットカードには利用可能枠が設定されています。
キャッシュレス決済できる場面が多くなっている昨今、普段の買い物や公共料金等の支払い、電子マネーへのチャージなど、日常の消費行動の大部分をクレジットカードで行っている人もいるかもしれません。
クレジットカードには利用可能枠が設定されていますから、クレカつみたて投資を申込むとその分利用可能枠を使ってしまいます。他の支払いができないことにならないよう、普段の自分のクレジットカードの利用状況をきちんと把握したうえで毎月の積立額を決める、あるいは毎月の支出を見直すようにしましょう。
クレカつみたて投資ができる証券会社や投資信託が少なめです。
投信積立はほとんどの証券会社が申込みできますが、クレカつみたて投資ができる証券会社はまだ少なめです。また、利用できるクレジットカードや積み立てできる投資信託が限定されている場合もあります。
クレカつみたて投資はどこでできる?
やっぱりクレカつみたて投資をやってみたいと思われた方のために、主なクレカつみたて投資を紹介します。申込みをする際は各証券会社のサイトでも特徴や条件などをしっかり確認してから申し込んでください。
楽天証券×楽天カード
楽天証券では投信積立の毎月の積立額を楽天カードで決済できるようにしています。積立額は毎月100円~5万円(※)、つみたてNISAにも対応しています。
積立金額100円につき1ポイントの楽天ポイントが付与され、楽天ポイントがたまれば投信積立に利用することも可能です。
SBI証券×三井住友カード
SBI証券が提供するクレカつみたて投資のひとつが、三井住友カードで決済するものです。積立額は毎月100円~5万円(※)、つみたてNISAにも対応しています。
三井住友カードのカード種類(一般・ゴールド・プラチナなど)に応じて、積立金額の0.5~2.0%のVポイントが付与されます。
SBI証券×タカシマヤカード
SBI証券では、タカシマヤカードを使ったクレカつみたて投資も提供しています。
積立額は三井住友カードの場合と同じく、毎月100円~5万円(※)、つみたてNISAにも対応しています。
積立により、高島屋で使えるタカシマヤポイントが付与されます。付与率は、積立開始時点が積立額の0.1%、3年目から0.2%、5年目から0.3%、積立経過年数に応じて上がるため長く続けるのがおすすめです。
tsumiki証券×エポスカード
株式会社丸井グループが100%出資しているtsumiki証券では、同じく丸井グループのエポスカードを使ったクレカつみたて投資を提供しています。
投資初心者でもはじめやすいように投資信託数を5つに絞り、毎月100円~5万円(※)の範囲内で積立額を設定できます。5本のうち4本はつみたてNISAにも対応しています。
積立によりエポスポイントが付与されます。付与率は積立額の0.1%からスタートし、1年経過するごとに0.1%ずつ上がります(最大0.5%)。
なお、tsumiki証券ではエポスポイントを投資に使えるポイント投資も別途提供しています。
セゾンカード(UCカード)×セゾン投信
株式会社クレディセゾンでは、セゾンカードおよびUCカード保有者向けの証券サービスとして「セゾンポケット」を提供しています。
セゾンポケットは投資信託の選びやすさを重視して、積立てできる投資信託は2本に限定、毎月1,000円~5万円(※)の範囲内で積立額を設定できます。つみたてNISAにも対応しています。
積立により永久不滅ポイントが付与されますが、積立て6回達成ごとに、6回の累計額5,000円につき1ポイント付与されます。たまった永久不滅ポイントはつみたて投資に利用することもできます。
(※)つみたてNISAの場合は年間40万円(月3万3,000円)限度です。
今回、「クレカつみたて投資」について基本知識やおすすめの理由・注意点などについて説明しました。少額からできるつみたて投資は将来に向けて早いうちから取り組んで欲しい資産形成方法です。それにクレカ決済を組み合わせたクレカつみたて投資。皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(※本ページに記載されている情報は2022年1月20日時点のものです)