老後資金がなくなる老後破産に関して自分には関係ないと考えている人も少なくありません。
しかし、想定外の出費があったときの原因と対策を事前に知っておかないと将来的に老後破産に陥るリスクが高くなります。
こういったリスクを避けるためにも、将来に備えていまから知識を身に着けておきましょう。
今回の記事では、老後破産に陥る原因や陥りやすい人の傾向、老後破産を防ぐための対策について解説します。
事前に知っておきたい老後破産!
知っておくべき原因と対策
2020年2月19日
老後破産が起こる原因は
老後破産は老後の生活費をまかなえず、破産状態に陥ることです。どのようにして老後破産が起こるのか、その原因について解説します。
定年退職した後も住宅ローンが残っている
給与は50歳をピークに減らされることが多いため、給与が減らされた状態で住宅ローンを支払っていくと、日々の生活を送るだけで精一杯の状態となり、老後の貯金に回す資金を捻出できません。
また、近年は晩婚化が進んでるため、マイホームを購入するタイミングが遅くなります。そのため、定年までに住宅ローンを支払いきれず、定年退職後の仕事がない状態で退職金や老後の生活資金を切り詰めて、住宅ローンの返済が必要な場合が多くあります。
このような老後の住宅ローンの負担により、老後破産する方もいるため注意が必要です。
子供に多くの費用がかかる
子供にかかる費用としては、教育費などで多額の費用が必要となるため、子供が就職するなどして自立した後でも貯金が行えず、老後を迎える方も少なくありません。
晩婚化の影響もあり、定年後も子供が高校生、大学生である家庭が増加傾向です。最近、問題になってきているのが30代や40代などの子供がニートとなり、その子供の生活費も貯金や年金から負担している家庭もあります。
自分たちの生活費だけでも余裕がない場合にそのような状態になれば、老後破産のリスクが高まることは避けられません。老後の支出を抑えるには、子供が経済的に自立することも重要です。
医療・介護費用の増加
高齢者の医療費は現役世代よりも安くなっていますが、予期せぬケガや病気などで通院したり、入院したりする頻度は、現役世代より高くなります。1回あたりの支出は少なくても回数が多くなれば、その分医療費は高額になり、結果として医療費が現役世代よりもかかる場合が多いです。
また、高齢者にとって避けられない問題が介護の問題です。自分自身はもちろん、パートナーに介護が必要になると在宅での介護だけでなく、介護施設や老人ホームへの入居、デイサービスの利用などを検討する必要があります。
ただし、これらの施設やサービスを利用する費用は決して安くないため、長期間利用する場合は生活を圧迫します。こうした、医療費や介護費用の増加も老後破産の一因です。
働いていた時の生活水準を落とせない
定年退職を迎えた後は年金生活となるため、収入は仕事をしていた時よりも確実に減少します。また、退職金制度がない企業も増加しているなど、過去のように高額な退職金を受取れる時代ではなくなってきています。
退職金が少ない、あるいは受取れない場合、支出を抑えながら生活していくしかありません。
定年後に、貯金がほとんどなくぎりぎりの状態で生活している高齢者もいる中で、定年前と同じような支出を行えば貯金は減り、年金だけでは生活費などを賄えず老後破産に陥ってしまうでしょう。
老後破産に陥りやすい人とは
老後破産に陥る原因はさまざまです。しかし、中には自分では気づいていないだけで、老後破産に陥りやすい人もいます。どのような人が老後破産に陥りやすいのでしょうか。
1.住宅ローンの負担が重い人
住宅ローンの返済額が大きく家計を圧迫していると、老後に対する貯金ができにくくなります。また、現役時代と老後の返済計画の見直しができているかも、ポイントです。
2.子供に費用をかけすぎる
子供の教育費などに費用をかけすぎれば貯金ができず、子供が自立しなければ生活費が多くかかることになります。そのため、子供にかける費用のバランスも老後破産を防ぐ上で重要なポイントです。
3.お金の問題を相談できない
仕事が見つからない、生活するためのお金が足りないなどお金に関する悩みを抱えている人は少なくありません。自分だけで解決できないのであれば、誰かに相談すると解決の糸口が見えることもあります。
相談できないと問題を放置することになり、状況が悪化します。
4.現役時代と同様の生活水準
定年退職後は収入が下がるため、現役時代よりも生活水準を落として生活している高齢者が多いです。しかし、中には生活水準を下げられず、収入と支出のバランスが支出に偏り老後破産に陥る人もいるため、生活水準のバランス調整が必要です。
5.夫婦の仲が悪い
夫婦の仲が悪いと共同して将来に対する備えを行うという意識が希薄になります。そのため、老後の資金についても継続的に貯めて行くことが難しくなり、いざ老後を迎えた際に、資金が足りない状態になるといったことが考えられます。
老後破産を避けるためにできること
老後破産は誰にでも起こり得るため、対策することが重要です。ここでは、老後破産防止に向けた対策について解説していきます。
定年後のライフプランを立てる
定年後は収入が大きく減少するため、その時期や金額を想定してどれだけ貯金が必要なのか考える必要があります。また、そうしたライフプランを考えた上で、就労しているあいだにできるだけ貯金を貯めるようにしましょう。
子供の教育費など費用がかかる時期は難しいものの子供が自立すれば、計画的に貯金を増やしていけます。
また、老後に住宅ローンは大きな負担となるため、定年後までには返済できるようにローンを組むようにしましょう。
健康状態を保つ
老後破産を防ぐために重要なことは健康状態を保つことです。お金に余裕があっても医療費や介護費に多額の費用がかかれば、老後資金は大きく目減りします。
また、健康な状態を保つことにより、定年退職後もアルバイトや勤務先の再雇用などで働けるため、収入を得ることが可能です。老後資金を減らしにくくするためにも、健康でいることは重要なポイントとなります。
老後破産を防ぐためには、定年退職前の対策、老後の健康管理や収支の管理などが重要です。誰にでも老後破産のリスクがあることを理解しながら対策していきましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年2月19日時点のものです)