「セカンドライフを考えたことありますか?」若い自分には関係ない、今大変なのにそんなこと考えられない、等々…真剣に考えたことがある人の方が少ないかもしれません。しかし、定年間際になって、どうしようと考えるのは遅すぎます。長いセカンドライフを幸せに過ごすためには、早いうちから準備をしておくことが鍵です。この機会に考えてみませんか?
セカンドライフ考えたことある?
若いうちから考えておいた方がいい3つの理由
2018年12月31日
セカンドライフとは
直訳すれば、「第二の人生」となりますが、主に定年後の人生を指します。人生100年時代と言われ、60歳で現役を退けば、残り40年もの期間があります。
今、問題となっているのは、少子高齢化が進み、現役世代が年金生活者を支えきれなくなる未来です。そのため、定年後の人生は公的年金に頼らず、自助努力によって築かなくてはならない時代がやってくるでしょう。
必然的にマネープランの見直しが必要となってきます。この点は、すでにいろいろなメディアで取り上げられ、「老後貧困」などのキーワードとともに、危機感を煽っていますが、実際にどうしたらいいのか、などの提言はほとんどなされていないように思います。
政府はここにきて、企業の継続雇用年数を現状の65歳から70歳へ引き上げる方針を示しています。「70歳定年制」となった場合、年金支給を先延ばしできるというメリットはあれど、そこには様々な問題が生じます。
こうした状況の中で、「幸せなセカンドライフを送るためにはどうしたらいいのか」ということを早いうちから考えておくことはいろいろな面で有利に働きます。
その理由は3つあります。順番に見ていきましょう。
老後資金を効果的に準備することができる
現在30歳の人が60歳まで資産を運用すると、30年間の運用期間があります。資産運用の王道と言われているのが、「長期、分散、積立」です。この積立投資を30年間行うことができれば、かなりの老後資金を貯めることができます。
老後資金の準備と節税ができるiDeCoを利用すれば、さらに効果的です。
iDeCoで30年間運用すると
年収500万円の会社員がiDeCoを使って、毎月2万円の掛金を運用利率3%で運用したとすると、30年間の節税額(所得税・住民税)は144万円になります。
そして、30年間の掛金の合計は720万円となり、運用益は約445万円となります。(通常かかる税金89万円が非課税)
このケースでは、60歳の時点で1,165万円準備することができ、節税効果は233万円にもなりました。
※iDeCoには加入手数料、口座管理手数料、信託報酬などの手数料がかかります。
投資信託で運用するなら長期保有が原則
前述のiDeCoで3%の運用利率を確保するには、投資信託で運用する必要があります。
(定期預金型も選べますが、利子よりもiDeCoの保有コストの方が高くなってしまいます。)
そして、投資信託の運用は長期がよいとされています。その理由は3つあります。
1.手数料の負担を軽くすることができる
iDeCoの手数料は加入手数料などの初期手数料のほかに、給付手数料など、受け取る時にも手数料がかかります。期間が短いと運用益に対しての手数料割合が多くなってしまいます。
2.複利効果が大きくなる
利子や分配金は再投資され、それを含めて利息がつくため、長期保有によって複利効果は大きくなります。
3.リスクを抑えることができる
長期で保有すると、値動きの幅が縮まることが知られています。値動きが大きい=リスクとなるので、長期保有することで安定した運用が期待できます。
以上のことから、早いうちから資産運用をする利点がおわかりいただけたと思います。iDeCoの場合は、掛金の上限額が決まっているので、会社員がiDeCoで3,000万円作るということができません。そのため、iDeCoのメリットを最大限に生かすためには、1年でも早く始めることが肝心です。但し、60歳まで解約できないことはしっかり頭に入れておきましょう。
錆びないスキルを得るための柔軟さがある
人生100年時代を説いた本「LIFE SHIFT」(リンダ グラットン、アンドリュー スコット著)が話題となりました。この本の中で、これからはマルチステージを生きなくてはならないと述べています。つまり一つの企業で定年まで働くという仕組みが破たんして、いくつかのステージを移行するようになるということです。そこで必要となってくるものが“変身資産”です。ステージの移行を手助けしてくれる人脈やスキルを持つことが重要となります。
時代の流れは速く、人工知能や様々な技術の発展によってさらに加速していくでしょう。一つのスキルで40年以上持たせるのが難しい時代がやってきます。50代になって、新たなスキルを得ようとすることは不可能ではありませんが厳しいものがあります。そのため、最初から複数のスキルを身に付けたり、一つのスキルを時代に合わせて変えていく能力が求められます。
こうした柔軟さは残念ながら年とともに失われていきます。これからはマルチステージを生きることになるということを早いうちから想定しておくことは、仕事や人脈づくりなどで有利に働くでしょう。
健康な体をつくる
人生100年時代といっても、不健康な状態で長生きしても意味がありません。
現在、年金受給は65歳からとなっていますが、将来的に70歳に引き上げられることも十分考えられます。前述したように、政府は「70歳定年制」の方針を打ち出しています。70歳、場合によっては80歳まで働くことが当たり前の時代がやってくるかもしれません。
そうした状況では“その年齢まで健康に働けること”が最も大切なこととなります。
厚生労働省の発表によると、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」は、男性は72.14歳、女性74.79歳となっています。平均寿命が男性80.98 歳、女性87.14 歳なので、その差は男性で8.84年、女性で12.35年にもなります。
※厚生労働省(2016年調査)より
この差はそのまま介護期間となるので、政府は社会保障費の抑制のためにも、この期間を縮小するための取り組みを行っています。
生活習慣病の予防や身体機能の維持、向上のためには、日頃の食生活、運動習慣が大切となります。早いうちからこうした健康維持のための取り込みを行っていた人と行っていなかった人とでは、セカンドライフの過ごし方が大きく違ってくることでしょう。
若い人にとっては、セカンドライフ=老後の話として、遠い未来に感じるかもしれませんが、それは地続きでつながっています。今の行動が未来を築く材料になるのです。時間を味方につけて、幸せなセカンドライフを送りたいものですね。