老後破産という言葉を聞いたことがありますか。
近いうちに生活保護を受給することになるかもしれないとビクビクしながらギリギリの生活をする、そんな老後は想像するだけでもつらいもの。
老後破産を避けるためには貯蓄が必要ですが、実は健康管理も大事です。
高齢ならではの医療費の問題が、老後の支出バランスを崩すきっかけとなるかもしれません。
老後破産を避けるための健康対策の重要性についてご紹介します。
老後破産を避けるために!
貯蓄とともに健康管理も大事にしましょう
2018年6月16日
老後破産を避けるためにどうしたらいい
どんな老後を思い描く?
夫婦で街を歩く高齢者を見ながら、あるいは孫の手を引く高齢者を見ながら、どんな老後を過ごせるだろうと考える瞬間はありませんか。楽しそうに外出したり、おしゃれな着こなしを楽しんだりと、笑顔で過ごせる毎日にしたいものですよね。
老後の理想の生活を思い描くとき、現実的な問題として貯蓄しておかなければと思うようになります。老後破産してしまう事態などもってのほかと考えつつも、自分は大丈夫だろうかと一抹の不安がよぎってしまうのではないでしょうか。
お金が足りなくて三食まともに食べられない、具合が悪くても病院へ行けない、わずかな貯金が底をつくことに怯える毎日、そんな老後破産の生活は誰でも避けたいはず。
老後破産を避けるために必要なお金と健康
老後破産を避けるために、今、私たちは何をしておくべきでしょうか。
・貯金をする
・無理のない範囲での投資を検討する
・節約をする
・収入を少しでも増やせるように努力する
・将来の医療費を抑えるための健康づくりをしておく
どんな世代の人であっても、お金がなければ生活は成り立ちません。特に老後は年金収入と貯蓄だけでやりくりしなければならないため、若いうちの貯蓄が重要と多くの人が理解しています。しかし、このときに健康づくりの大切さを見落としがちな点に注意が必要です。
ギリギリの生活における医療費負担の重さ
生活費に困る高齢者が増えている
シビアな話となりますが、生活保護受給者の問題について考えてみましょう。実は、生活保護受給者における高齢者の割合は高く、生活保護受給世帯のうち45.5%が65歳以上です。
平成27年の65歳以上の生活保護受給者は97万人。65歳以上人口に占める割合としては2.86%ですが、増加傾向が続いています。また、生活保護を受けずに生活保護受給者よりも少ない収入でやりくりをしている老後破産状態の高齢者も多くいるのです。
生活が苦しいけれど友人などにも打ち明けられず、ひっそりと暮らす日々。食費を切り詰め、具合が悪くても病院へ行かずに我慢をする、そんな老後破産の生活は大変厳しいものです。
出典:内閣府(http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/gaiyou/pdf/1s2s_02.pdf)
医療費の増加が生活を圧迫する
老後の安定した生活プランを思い描くときは、平均寿命までの年数を考えて生活費の目安を決めなければいけませんね。貯蓄とのバランスを考えておかなければ、生活が破綻してしまいます。このときに、見過ごしてはならないのが健康問題です。
年をとると、誰でも老化という自然現象に向き合わざるを得ません。その事実は数字にも表れており、高齢者世帯の保健医療費は、ほかの世帯と比べて1.69倍と増加しています。平成28年の高齢者世帯保健医療費月額平均は15,256円です。
出典:厚生労働省(http://www.stat.go.jp/data/topics/topi1034.html)
国民年金(老齢基礎年金)の標準額は年間779,300円(平成30年4月~)であり、月あたりで考えると約65,000円。この数字から年金暮らしの厳しさが伺えるのではないでしょうか。厚生年金が上乗せされる人にとっても、医療費負担金額は軽視できる金額とはいえませんね。
健康な体づくりをしておきたい
保険での備えとは別枠で考える必要あり
病気への備えをイメージするとき、医療保険に入っているから大丈夫と思う人は多いもの。確かに、大病をしたときなどは、自分で備えておいた医療保険や公的な高額療養費制度を使えば負担を抑えられます。
しかし、保険を使うレベルではない体調不良による通院治療や投薬でかかった医療費は、自己負担分がそのまま生活支出に影響しますね。70歳未満の人の場合、医療機関窓口での自己負担割合は3割です。
【年齢別の医療費負担割合】
70歳未満あるいはそれ以上でも現役並み所得がある人:3割
70~74歳:2割
75歳以上:1割
毎月の支出としての医療費の備えは、医療保険などの保険料とは別に考えておく必要があるのです。一度病院にかかり始めると、治療のために何カ月、何年とかかってしまうケースもあります。想定外の継続的な医療費支出が老後破産の原因になってしまう人もいるという現実を知っておきましょう。
老後に後悔する前に
健康づくりは、年をとってからではなく、なるべく若いうちから意識しておきたいもの。若いときの不摂生が老後に影響するだけでなく、年をとればとるほど悪い生活習慣を直すことが困難に感じられてしまうためです。
喫煙はもちろんのこと、肥満などによる生活習慣病が老後の健康を妨げる原因となるかもしれません。骨粗しょう症は主に閉経後に注意が必要といわれる病気ですが、若いときの無理なダイエットや運動不足でも骨はもろくなってしまいます。
老化によりリスクが上昇する白内障などの病気を予防するためには、健康的な食生活や適度な運動などのアンチエイジングを意識した生活が有効。年をとってから考えればいいと後回しにせず、若いうちから健康づくりを始めておきましょう。
安心して老後を迎えるために、貯蓄はしっかりしておきたいもの。お金の面での備えをしつつ、健康維持も大事にしておくと、さらに安心できるようになりますよ。
生きていてもしょうがない、お金がないからしょうがないと肩を落とすような老後の生活は想像するだけでもつらいですね。収入と支出のバランスを崩しかねない医療費負担の問題は、年を重ねた誰にでも起こりうるリスクの一つ。老後のためにプラスとなる健康づくりを、今から心がけてみてはいかがでしょうか。