初めて投資信託で資産運用にチャレンジしようと思っても、どの商品を選べば良いか迷ってしまいますよね。特に投資初心者の方が最初に困ってしまうポイントが、「再投資型」と「毎月分配型」と呼ばれる2つの投資信託。今回はそれぞれの商品の特徴を分かりやすく解説します。これで、初めての投資信託選びも怖くありません!
投資初心者必見!
再投資型VS毎月分配型
どっちの投資信託を選ぶべき?
2017年12月17日
「毎月分配型」と「再投資型」って何?
私たちが投資信託を購入すると、その商品の運用成績によって、分配金が支払われます。分配金は、投資信託の運用成績や運用戦略によって、支払われる時期や金額が異なります。
そして、この分配金の受け取り方について、投資信託は、「毎月分配型」と「再投資型」の2つに分けることができるのです。
それぞれの受け取り方の特徴を勉強してみましょう。
毎月分配型
毎月分配型と呼ばれる投資信託は、原則として、毎月決算を行い、分配金が支払われます。
そして、私たち投資家は、支払われた分配金をそのまま現金で受け取ることができます。
投資家からすると、毎月分配型の投資信託を購入し、ただ保有しているだけで、毎月決まった日付にお金を受け取ることができるので、安心感が得られる商品です。
しかし、毎月分配型は、注意しておきたいポイントがあります。
注意点1.複利の効果を生かせない
投資は、利益を最大化するために、「複利の効果」を活用することが大切です。
複利の効果とは、簡単に言うと、もうけた利益がさらに利益をうみ、雪だるま式に増えていく効果のこと。
毎月分配型は、せっかく生み出した利益をそのまま現金として支払ってしまうので、複利の効果を生かすことができず、利益を最大化できないという特徴があります。
注意点2. 元本払戻金(特別分配金)
さらに、毎月分配型には落とし穴が。
一般的に、毎月分配型の商品は、運用成績が良く、収益を上げている月は、その利益分を投資家に分配金として支払います。
しかし、運用成績が悪く、利益がない月、または損をしてしまっている月は、投資信託の元本(私たちが投資したお金)から分配金が支払われることがあります。
この分配金は、「元本払戻金」または「特別分配金」と呼ばれており、運用成績が良く収益を上げている時に支払われる普通分配金とは全くの別物です。
簡単に言ってしまえば、商品購入のために自分たちが投資した分のお金が、そのまま戻ってきているだけ。
毎月分配金が受け取れるからといって、決して儲かっているわけではありません。安易に選ばないように注意しましょう。
再投資型
一方、決算期に支払われた分配金で、同じ投資信託を追加的に買い付ける商品は、「再投資型」と呼ばれています。
こちらは、毎月お金として分配金があなたの銀行口座に振り込まれるわけではありません。
しかし、分配金で新たに商品を買い付けることで、「複利の効果」を最大限に利用して、利益を増やすことができるという特徴があります。
どちらの商品がオススメ?
それでは、「毎月分配型」と「再投資型」、どちらを選択した方が良いのでしょうか。ズバリおすすめは、「再投資型」です。
先に挙げたとおり、「毎月分配型」は、複利効果を生かせず、さらに、運用成績が悪い場合でも、無理やり分配金を支払う(元本を切り崩す)ため、結果的には利益を最大化することはできません。
複利の効果を利用して、長期的に資産形成したいと考えている方は、「再投資型」を選ぶようにしましょう。
実際のところ、「毎月分配型」は、毎月決まった日付にお金が振り込まれるので、分かりやすくて安心と、投資初心者や高齢者から人気の商品でした。
しかし、金融庁が「毎月分配型」は、長期的な資産形成に不向きだとして問題視したことをきっかけに、「毎月分配型」の投資信託の販売実績が落ち込んでいます(2017年7月17日日本経済新聞より)。
「毎月分配型」と「再投資型」の違いを理解し、長期的にお金を増やすことができる「再投資型」を選ぶようにしましょうね。
NISAでは「再投資型」を選ぼう!
NISA(少額非課税口座)で投資信託を購入する場合も、「再投資型」の商品がオススメですよ。
NISAは、分配金など利益が出た場合に、税金がかからないという口座です。
しかし、NISAで毎月分配型の投資信託を保有した場合、分配金の受け取りにおいて、この非課税メリットを受けられない可能性があります。
先ほど挙げた、毎月分配型の運用成績が悪い場合に支払われる元本払戻金(特別分配金)は、元本を取り崩して支払われる分配金なので、もともと非課税。
せっかく非課税で取引できるNISA口座で、非課税の商品を保有しても意味がありませんね。
NISA(少額非課税口座)で投資信託を購入する場合は、「再投資型」の商品を選ぶようにしましょう。
いかがだったでしょうか。
少し難しそうに感じる分配金の受け取り方ですが、利益を最大限増やすことができるかどうかという点において、大切なポイントです。「毎月分配型」と「再投資型」の違いをきちんと理解して、商品を選ぶようにしましょう。