最近、テレビやネットニュース、新聞や雑誌などでも「円安」に関する話題をよく目にします。「円安や円高って、そもそもどういうこと?」「私たちの暮らしにどんな影響があるの?」
これを機に、今一度、正しく理解し、日々の暮らしの中で、どのように対応したらよいのか確認しましょう。
【円安・円高】を分かりやすく教えて!
私たちの暮らしにどんな影響があるの?
2022年9月1日
【円安】とは?【円高】とは?
【円安】とは、為替相場において、外国通貨に対し、円の価値が低い状態のことです。
【円高】とは、為替相場において、外国通貨に対し、円の価値が高い状態のことです。
【円安・円高】は、
「円」が低いか高いかではなく、「円の価値」が低いか高いかを指す言葉です。
では、外国通貨の中でも、最も身近で親しみのあるアメリカドルを用いて、分かりやすく説明します。
日本で暮らす私たちがハワイの旅行先で、1万円をドルに両替するとします。
為替相場が1ドル=100円であれば、1万円は100ドルに両替されます(10,000÷100=100)。
では、為替相場が1ドル=200円では? 1ドル=50円では? 計算してみましょう。
(ここでは、両替手数料を考慮せずに計算してみましょう。)
1ドル=200円では、10,000÷200=50なので、50ドルに両替。
1ドル=50円では、10,000÷50=200なので、200ドルに両替。
両替前の1万円は同じなのに、為替相場の変動で、受け取るドルの量が変動しています。
1ドル=50円の時 → 1万円=200ドル
1ドル=100円の時 → 1万円=100ドル
1ドル=200円の時 → 1万円=50ドル
では、この3つの中で【円安】はどれでしょう?【円高】はどれでしょう?
【円安】は、円の価値が低い状態のことと言いました。
1万円を両替した時に受け取るドルが一番少ないのが、円の価値が低いという事です。
それは、1ドル=200円の時の1万円=50ドルです。
よって、この3つの中では、1ドル=200円の時が【円安】です。
【円高】は、円の価値が高い状態のことと言いました。
1万円を両替した時に受け取るドルが一番多いのが、円の価値が高いという事です。
それは、1ドル=50円の時の1万円=200ドルです。
よって、この3つの中では、1ドル=50円の時が【円高】です。
円の価値が低い時が【円安】、円の価値が高い時が【円高】 理解できましたか?
【円安・円高】メリット・デメリット
【円安・円高】のメリット・デメリットを説明いたします。
ちなみに今日現在の為替相場は、1ドル=約139円くらいで、1998年以来、約24年ぶりの【円安】です。
【円安】 メリット
1つめは「輸出」。
自動車や鉄鋼業など、外国に製品を輸出し、外貨を稼ぐ製造業には追い風です。
2つめは「観光業」。
円安時は外国人観光客にとって、日本への旅行が安くなるため、外国からの観光収入が見込めます。
また、外貨預金を保有している場合、購入時より円安なら、円に戻したときに為替差益を受け取れます。
【円安】 デメリット
「物価高」が大きなデメリットです。
外国からの輸入品が高くなるだけでなく、例えば、輸入に頼っている石油や天然ガスなどを使って製造した国内の製品や食材も高くなります。
物価高に連動して、給料が上がっていくのならそれほど問題ないのですが、そうはなっていないのが、我が国の現状です。
【円高】 メリット
1つめは「輸入」。
石油や天然ガスなどの資源エネルギーや輸入品が安く買えます。
2つめは「海外旅行」。
円高時は日本から外国への旅行が安くなります。海外ブランドの製品も安く買えます。
また、外貨預金を始めようと思っている場合、円高時に始めると、より多くの外貨を買い付けることができます。
【円高】 デメリット
自動車などの輸出企業は、外国製品と比べると高い価格で販売することになるため、売上が伸びず株価も下がります。
円高時は、輸入品だけでなく、物価が全体的に安くなるため、消費者にとっては嬉しいのですが、企業側は売上が伸びず、業績に影響します。
【円安・円高】が私たちの暮らしにどう影響するの?
前項で【円安・円高】のメリット・デメリットを説明しました。
【円安・円高】が、私たちの暮らしに直接影響することが分かりました。
それらを理解した上で、メリットを享受できる暮らしかたの知恵をお伝えします。
円安時の暮らしかた
「物価高」は私たちの暮らしに大きく影響します。輸入品だけでなく、国内で生産された物も高くなるのはかなりの痛手です。
それをしのぐ知恵としては、生鮮食料品などは「地産地消」といって、私たちが暮らす身近な場所で収穫できた物を買うようにしましょう。安くて新鮮で美味しいですよ。
また、円安時は輸入品や海外ブランドの製品が高騰します。新品を買いたくても買えない人もいるでしょう。もしお家で使わずに眠っている輸入品や海外ブランドの製品があれば、メルカリなどに出品すると高い価格設定でも買い手がつくかもしれませんよ。
円高時の暮らしかた
消費者としては、物が安く買えるのはありがたいことです。しかし、商売をしている方や企業側としては、売上が伸びないため、給料は上がりません。
安いからと言って、まとめ買いや大量消費はせず、いつでも冷静に必要な分だけ買いましょう。
また、円高時は、海外旅行や海外ブランドの製品を安く購入できるだけでなく、外貨を購入するチャンスでもあります。
外貨を保有することで、為替相場に関心を持ち、円安や円高も身近に体験できます。経済やお金の勉強にもなるのでおススメですよ。
(※本ページに記載されている情報は2022年7月17日時点のものです)