前回、値上げから家計を守る方法についての記事を紹介したばかりですが、ウクライナ危機によって世界中で物価上昇の動きが速まっています。当然、この影響は私たちの家計にもやって来ています。家計の見直しを強いられるかもしれません。とはいえ、できれば我慢を強いられるような節約は避けたいと思う人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、スマートに節約をするための、家計の見直しに役立つヒントを紹介します。
家計見直しもスマートに!
値上げ続きで不安な時代の節約ヒント6選
2022年4月29日
こんなに値上げが続くのはなぜ?
「値上げの波から家計を守ろう!おすすめの対処法を紹介」の記事のなかで、食品類の値上げ状況をいくつか紹介しました。値上げの主な理由は原材料価格や燃料費高騰などの影響です。穀物をはじめ、原材料となる農作物は天候などの自然環境によっては生産量が少なくなって価格に影響することもありますし、生産量を一定に保とうと思うと燃料などのコストが余計にかかり、価格に影響することがあります。また、これらの原材料を輸入に頼ることの多い日本では、消費者が支払う価格はこれらの影響を受けるという旨、お伝えしました。
このようななか、ウクライナ危機が勃発し、原材料価格や燃料費のさらなる上昇および、より幅広い品目への値上げ拡大へと波及しています。というのも、たとえば小麦はロシアとウクライナの2国で世界輸出量の3割を占めており、この3割分の輸出が滞ることになると、さらに値上がりに拍車がかかっています。
ほかにも、輸送時の航空ルート変更というあらたな価格上昇要因もでてきています。例えば欧州各国の航空会社はロシア領空の飛行ができなくなることで、遠回りして他のルートを使わざるを得ません。輸送費もかさみ、欧州各国からの輸入品目の値上げが考えられます。
家計全体を見直すチャンスと捉えよう
飲食料品、電気・ガス代、ガソリン代……と日々の生活に直結する値上げ。家計へのインパクトを実感している人もいるかもしれません。筆者もその1人。この状況がどれだけ続くのか、この先どの程度上がるのかわからないだけに不安を感じてしまいます。
そこで、少し考え方を変えて、家計全体の見直しのチャンスと捉えてみましょう。
昨今の値上げ状況を受け、買い物時におやつなど嗜好品の購入量を減らす、こまめに電気を消す、暖房の設定温度を下げる……といった節約に努められている人も少なくないと思います。節約に努めることは大切ですが、せっかくの努力よりも値上げ幅のほうが大きかったり、我慢が長く続いたりするうちに、ストレスとなってリバウンド消費をしてしまう人もいます。
家計全体を見直すとは、「消費を減らす」ことだけをいうのではありません。消費の仕方を変えて、あるいは暮らし方を少し変えて、結果的に「支出を減らす」という、よりスマートな方法もあります。なるべくストレスにならない方法、それでいて確実に効果のある方法を見つけることが、いま私たちに求められているともいえるでしょう。
家計見直しのヒント6選
ここで、ちょっとした工夫で支出を減らせるような家計見直しのためのヒントを紹介します。すでに実行しているものも、思いつかなかった、というものもあるかもしれません。ご自身の状況に応じて、できるものをぜひ試してみてください。
自治体の補助制度を活用する
地方自治体が実施している補助制度には、光熱費や水道代の削減に役立ちそうな制度も多々あります。たとえば、高断熱窓やドアへの改修費用や雨水貯水タンクの購入・設置費用を一部補助してくれるものも。改修時・購入時にはある程度の支出が必要になりますが、長い目で見れば光熱費や水道代の節約に役立ちます。
また、家庭用生ゴミ処理機購入費用の一部を助成してくれる自治体もあります。生ゴミが減ってゴミ袋の消費量削減につながりますし、家庭菜園の肥料として活用できます。
自分が居住している自治体の補助制度を知るためには、「これは便利!これならおトク!アプリを使えば助成金もゲットしやすくなる」の記事も参考にしてください。
電気、ガス料金プランの見直し
電気やガスの小売り全面自由化により、他業種からの新規参入が増加するとともに提供される契約プランも多様化しています。例えば、電気とガスのセットプランはその代表で、電気・ガスの使用状況によってはよりお得になることがあります。
実際にお得になるかどうかは電気やガスの消費量や消費時間帯などによります。でも、さまざまなプランを比較検討することで、今契約しているものよりお得なプランを見つけることができるかもしれません。
シャワーヘッドや水道コマの取り替え
シャワーヘッドや水道コマ(水道ハンドル内部の部品)を節水タイプのものに取り替えることで、水の流出量が減り、水道代の節約につながります。水の流出量が減ると水圧が小さくなって物足りないと感じがちですが、最近では節水効果と水圧アップ効果を同時に実現できるものもあるようです。なお、節水コマは水道局や自治体で無料配布しているところもあります。ただし、水栓のタイプによっては取り付けできないものもありますので問い合わせしてみましょう。
フードロス対策のサービス利用
最近、登場しているフードロスを減らすためのアプリやサービスを利用して、食費の節約をしてみましょう。
たとえば、セブンイレブンでは消費期限の近い食品をnanacoを使って購入すれば5%のポイントが付与されるエシカルプロジェクトを実施しています。ほかにも「No Food Loss」というアプリでは、対象店舗が提供しているクーポンを探し、店頭で提示すればフードロスとなりそうな食品をお得に購入することができます。実施店舗はまだ一部の地域に限られているようですが、近くにあれば利用してみるといいでしょう。
また、「Let」というアプリを使うと、在庫の余りや規格外品などの「訳あり品」をお得に買えたり、売ったりすることができます。贈答品などでたくさんもらったけど食べきれないという飲食料品があれば、出品したり、フードバンクに寄附するのもいいですね。
ドラレコ割引で自動車保険料を節約
自動車を所有している人に必要不可欠な自動車保険。補償の確保は大切ですが、保険料は抑えたいものです。運転に自信がある人は自動車保険のドライブレコーダー特約を付帯して保険料の割引を受けるのもいいでしょう。ただし、特約を付加することで特約保険料の支払いが必要になることや、割引を受けられるのはドライブレコーダー特約を付帯して4年目からなどという条件があります。詳しくは、「ドラレコ特約は必要?「自動車保険」の最新情報を知っておこう」の記事もチェックしてみましょう。
サブスク・シェアリング活用
最近の節約の王道とも言えるのが、サブスクやシェアリングサービスの活用です。趣味や娯楽のサブスクは、サービスや利用の仕方によっては逆にムダな支出となることもありますが、必要なもの、使う時期が限定されているもの、バリエーションが必要なものなどは、購入するよりもサブスクやシェアリングサービスを使ったほうが節約につながるものもあります。自分のライフスタイルに合わせて上手に活用してみましょう。
このほかにも、前回の記事「値上げの波から家計を守ろう!おすすめの対処法を紹介」で紹介した対策法も実行しながら、さまざまな工夫で家計を守っていきましょう。
(※本ページに記載されている情報は2022年3月19日時点のものです)