育児・介護休業法が改正され、この4月から段階的に施行されます。なかでも、第二段階の10月からは、産後パパ育休制度(出生時育児休業制度)が創設されます。文字通り、男性にも取得を促す制度で、取得を考えている方もいらっしゃると思います。どんな制度なのかを解説し、育休中でもお金に困らないようにやりくりするコツを3つのステップでご紹介します。
産後パパ育休を利用しよう!
3ステップで乗り切る育休中のお金のやりくり
2022年4月22日
1.「産後パパ育休制度」(出生時育児休業制度)とは?どんな制度?
上の画像は、厚生労働省の「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」から抜粋した表です。産後パパ育休制度とは、子どもの誕生後から、パパが8週間以内に4週間まで休みを取得することができる制度です。通常の育児休業とは別に休暇取得ができます。この制度が始まると、現行のパパ休暇(産後8週間以内にパパが休暇を取ると、2度目の育児休業が取得できる制度)は廃止になります。
従来から改善されたポイントは、以下の通りです。
休業の申し出期限が2週間前に短縮!
現行の育休制度は、職場への休業の申出期限は1ヵ月前まででしたが、今回の制度は、休業予定の原則2週間前までの申し出で取得が可能になりました。各家庭の実情に合った休暇の取得がしやすくなったといっていいでしょう。
分割して育児休暇取得が可能に!
今回の改正では、2回の分割で取得することが可能になります。例えば、ママが出産した翌日から2週間休業し、4週間は就業、2週間は休業ということが可能になりました。
例えば、出産を終えて、里帰りするときに3日間お休みを取り、里帰りから自宅に戻る際に25日間お休みを取って一緒に育児をするようなことが可能になります。
休業期間中の就労も可能に(上限あり)
今回の産後パパ育休制度では、要件を満たせば休業期間中でも、所定労働日、所定労働時間の半分を上限に就業することも可能になります。この制度は、労働者が申し出た条件の範囲内となりますので、事業者側から一方的に就業を依頼することは禁止されています。ですから、積極的に育児参加したいけど、仕事への影響はなるべくおさえたい、と考える方にも取得がしやすい制度になります。なお、通常の育休制度は、現状通り就労は不可となっています。
2.家計を見直そう
次のステップは、育休中の収支の整理です。
収入面
育児休業給付金は、休業開始日6ヵ月までは、休業開始時賃金日額の67%、それ以降は50%となっています。育休に入る直前から、半年間の平均賃金で算出されます。
例えば、月収25万円であれば、月16.75万円が半年間、それ以降は12.5万円が支給されます。また、育児休業給付金には所得税はかかりません。社会保険料は、免除になります。なお、住民税も非課税ですが、前年の所得に対して翌年の6月からかかりますので、免除の時期がずれる点は注意しておきましょう。夫婦でどれだけ育休を取るのか、計画して見積もってみましょう。
支出面
次は、支出面です。出産を機に支出の内容が大きく変わります。
産後は、外出が少なくなるので被服、美容代は減る傾向にあります。一方で、自宅にいる分水道光熱費などは増える傾向にあり、お祝い返しなどの交際費、ミルク、オムツ代などの子ども費が新たにかかってきます。ベビー用品もさまざまな便利グッズがありますが、あっという間に使わなくなるものが多いです。中古品を利用することも取り入れて工夫するといいですね。食費は、生後半年くらいから離乳食が始まります。便利な市販品もあり、疲れているときなどは、うまく活用しましょう。
これまで家計を振り返っていない方は、毎月どのくらいかかるか把握し、使いすぎている部分は見直しをしていきましょう。
貯金
毎月の収入の一定額を、先取りで貯金していきましょう。必ず先取りで貯金することが成功するポイントです。毎月の収支から見て金額を決めましょう。また、児童手当の申請も必ずしましょう。
3.復帰時の想定外なこと、働き方を考えよう
最後は、復帰時についてです。いざ復帰したくても、保育園が決まらず預け先がないこともあります。その場合、最長2年まで育児休業を延長、給付金を受け取ることができます。
今回の改正で、育児休暇は分割して取得が可能になります。子どもが保育園に入園できないけど、パパとママで交代で育休を取り、仕事も交代でするという手段も取ることができるようになりました。
また、復職後の働き方も考えておきましょう。時短で働く場合は、収入がダウンしますので、どのくらいの収入になるか想定して、貯金や生活費を含む支出をその範囲内に収める努力が必要です。育休中にうまくやりくりできるようにしておくといいですね。
まとめ
2022年10月から開始する産後パパ育休の解説と、育休中のお金のやりくりについて解説しました。従来の制度より、休みを柔軟に取れる制度になりました。また、ライフスタイルが変わるときは、お金の整理をする時期です。ぜひ、見直しをして乗り切ってくださいね。これから産まれてくる、かわいい赤ちゃん。一生に数えるほどしかない、貴重な時間です。ぜひ男性も積極的に育休を取得してほしいですね。
(※本ページに記載されている情報は2022年3月20日時点のものです)