「エンディングノート」という言葉を聞くと、終活のためのツール、親世代のためにあるものというイメージを持たれている方が大半だと思います。しかし、今やエンディングノートは「より良い人生を歩むためにおかねと心を整える」生き活のツールとして年齢に関係なく使われることも増えてきました。 今回は、そのエンディングノートの魅力についてお伝えしていきます。
終活ではなく生き活⁉エンディングノートでおかねと心を整える方法
2022年4月26日
エンディングノートとは
エンディングノートとは、あなたとあなたの大切な人がこれからの人生をよりよく生きるために書くものです。「エンディング」という言葉がついているため抵抗を感じるかもしれませんが、何歳から書いても面白い、かつ自分自身の人生に役立つノートになります。自分がこの世に誕生した瞬間から現在までの人生を振り返り、自分自身を見つめなおすことで頭が整理され、「本当に大切なもの」「これからやりたいこと」などが見えてきます。
一般的なイメージの終活のひとつであったり相続の揉め事を避けるためだけのものではありません。
エンディングノートに決まった形式はありませんが、書店などで購入することも可能です。たくさん種類があるので、まずはどんなことを記入するのか眺めることから始めても面白いかもしれませんね。
エンディングノートの項目
エンディングノートで記入する項目は、一般的には次のような内容です。
1「あなたのプロフィール」
名前、住所や生年月日、血液型、電話番号、メールアドレス、本籍など現在の状況以外にも
家族とその家族の生年月日、家系図、名前の由来など家族について考える項目、
一番古い記憶、青春時代の思い出、一生の記念、ちょっと後悔していることなど今までの人生を振り返る項目、
お気に入りのおもちゃやアーティスト、好きな食べ物、好きな花、好きな音楽、好きな色、好きな本、人生でやりたいことリスト10など。これらを書くことで自分にとって大切なものや本当は大切にしたいものに気づける項目があります。
2「あなたの持ち物」
あなたの大切なものと、遺したいものを明確にする項目です。
預貯金や、株式・投資信託、不動産、生命保険、ローンなどの金融資産以外に忘れてはいけないものが「デジタル資産」というものです。
SNSアカウント、携帯電話のパスワード、blogやネット通販のアカウントとパスワード、そしてネット上で管理しているネットバンキングやポイントなども入ります。
金融資産は時々刻々と変化しますが、現時点での資産を書き出し、定期的にそれを更新することで、自らの資産管理が容易になり、年齢を重ねるにつれて保有する資産が増えていく喜びも味わえるでしょう。遺された家族同士のトラブルを避けるため「どこ」に「どれくらい」保管しているのかとプラスの財産なのかマイナスの財産なのかを正直に記入することがポイントです。
3「もしものときのお願い」
いまはまだ若くて元気なため、自分の死など想像することもないかもしれませんが、何が起きるかわからないのが人生です。万が一のことが起きたときのために、自分の希望を書いておくのは意味のあることといっていいでしょう。
一般的に記入する項目は、かかりつけの病院や普段飲んでいる薬、葬儀の希望、介護の希望などがありますが、今を生きている世代の30代、40代は「もしものとき、何を望むか」「してほしいこと、してほしくないことは何か」を書く程度で十分でしょう。
エンディングノートの注意点
エンディングノートには遺産相続などについての希望を書くことが出来ますが、遺言書のように法的効力はありません。遺産相続において、「遺族の負担を減らしたい」「揉め事を避けたい」場合は、エンディングノートに加えて遺言書を作成することをおすすめします。
また、エンディングノートにはパスワードや金融資産のことなど重要な情報が満載です。自己責任のもと簡単に見つからない場所に厳重に保管しましょう。ただし、見つけるのに苦労する場所だと、いざという時に誰にも見つからない恐れがあるため、信頼できる親族にエンディングノートの存在を伝えておくといいかもしれません。
エンディングノートを書くことでおかねと心が整う
エンディングノートは自分史を書くようなものです。自分にとって本当に大切なことは何かと向き合うことで不要なものを手放すきっかけになります。
また、これからの人生についても考えていく中で、必要なおかねをこれからどのように工面していく必要があるのか計画を立てるきっかけを作ることになります。
つまり、自分の想いを書き出すことにより心とおかねについて冷静に考えることが出来、これから挑戦したいことも実行しやすくなるのです。
「エンディングノートを書くのはまだ先でいい」と決めつけず、まずは、書ける項目から書きはじめることでこれからの人生をよりよく生きるためのヒントが得られるかもしれません。
(※本ページに記載されている情報は2022年3月21日時点のものです)