今年もあと2カ月となりました。ふるさと納税を利用したいなと思いながら、今年はまだ利用していない人もいるのではないでしょうか。そこでコロナ禍だからこそ利用したいふるさと納税についてお伝えします。
コロナ禍だからこそ
ふるさと納税をお得に利用したい
2021年10月22日
ふるさと納税とは?
「ふるさと納税」と聞くと、「2,000円の自己負担で返礼品がもらえてお得」というイメージがあるかもしれません。でも、ふるさと納税はもともとは社会貢献を目的として、2008年にスタートした税金の制度です。
地方の過疎化が進み、若い人が都会に出ていくと働く人がいなくなって住民税収入が少なくなります。その事態を防ぐ目的で、「寄附をしてくれたらお礼に税金を安くしたりお礼を差し上げたりする」というのがふるさと納税の始まりです。「納税」といっていますが、実際は寄附ということです。
ふるさと納税は一時返礼品がどんどん高額になっていくことが問題視され、2019年6月の法改正で返礼品が規制されるなど見直しがありました。
現在は、
1.返礼品は寄附の3割以内
2.返礼品は地域の地場産品に限られる
ということになっています。
コロナ禍で利用したいふるさと納税
先ほど、ふるさと納税の元々の目的は「社会貢献」だとお伝えしました。そこで、コロナ禍だからこそのふるさと納税の活用方法を考えてみるのもいいでしょう。
新型コロナウイルスで被害を受けた地域を応援する
ふるさと納税の各サイトでは、農林水産省が実施している「地域の創意による販売促進事業」を利用した、新型コロナウイルスで被害を受けた事業者を支援するプロジェクトを実施しています。
生産者が補助を受けて調達費用を安く抑えることで、自治体は通常より量が増えた返礼品を提供することができるというわけです。
例えば「ふるさとチョイス」では、「コロナ支援品」として様々な地域の返礼品を検索することができます。気になっている支援品があれば、地域も応援できて一石二鳥ですね。
新型コロナウイルスで困っている人を応援する
返礼品を受け取ることはできませんが、ふるさと納税をすることで、新型コロナウイルスで困っている人を応援することもできます。
ふたたび「ふるさとチョイス」を取り上げてみましょう。このサイトでは「ガバメントクラウドファンディング®」という取り組みを行っています。
「ガバメントクラウドファンディング®」とは、全ての寄付がふるさと納税の対象となる、政府(自治体)が行うクラウドファンディングです。自治体は、寄付金の使途をより具体的にすることで、寄付者の共感を獲得し出資を募ります。寄付を受ける自治体はもとより、寄付者もより寄付のし甲斐を感じることができるとして、近年注目されている仕組みです。
この仕組みを利用して「ふるさとチョイス」では、現在、「全国の『新型コロナウイルス対策』をふるさと納税で応援しよう」という取り組みが開催されています。2021年10月時点で103の自治体が参加していて、その中から、医療、学び、子育て、経済など自分が応援したいプロジェクトに寄附をすることができます。
ふるさと納税、税金もお得になる
ふるさと納税を利用する人の中には、所得控除を利用して寄付金控除を受けることを目的としている人もいるのではないでしょうか。先ほど、ふるさと納税は自己負担2,000円で地域の特産品などがもらえるとお伝えしました。これは、所得控除のひとつである寄附金控除を利用するということです。
ワンストップ特例制度なら年末調整でOK
本来、ふるさと納税をして寄附金控除を利用する場合は、確定申告が必要でした。でも、「ワンストップ特例制度」を利用すると、面倒な確定申告をしなくても年末調整で税金の処理が終了します。
ワンストップ特例制度は、寄附をした自治体に「寄附金控除に係る申告特例申請書」を提出することで自動的に住民税が安くなる制度です。
ワンストップ特例制度を利用することができるのは、以下の条件に当てはまる人です。
1.収入が給与所得のみであり、かつ年収が2000万円以下である
2.その年の寄付先の自治体が5つ以内である
3.ふるさと納税を行う度に、寄付先の自治体に申告特例申請書を提出している
注意したいのは、ワンストップ制度を利用した場合に控除されるのは住民税のみとなることです。所得税の還付も受けたい場合は確定申告が必要になります。どちらの場合も控除される総額は変わらないので、便利な方を選んでくださいね。
ふるさと納税を利用して、利用者にとっても生産者や自治体にとってもお得になるのなら嬉しいですね。コロナ禍だからこそ、本来のふるさと納税の意味を再確認して上手に利用してくださいね。
※本ページに記載されている情報は2021年10月15日時点のものです。