子どもの習い事にお金をかけすぎていませんか? 子どもが、自分からやりたいという意欲を持つのはいいことですが、言われるがままに習い事をするとあっという間に家計を圧迫することになってしまいます。子どもの意欲を尊重しながら、選ぶ基準や赤字にならないためにはどうしたらいいでしょうか。FPの視点で3つのコツをお伝えします。ぜひ、お子さんと一緒に考え実践してみてくださいね。
何を基準に選ぶ?
子どもの習い事で赤字にならないための3つのコツ
2021年10月13日
1.習い事の予算を把握する
習い事のほか、学校などを含めた子どもに関わる教育費全部の目安は、月の手取りに対して10%程度が望ましいとされています。
この表は、令和元年12月に文部科学省が発表した「平成30年度子供の学習費調査の結果について」を基に作成したデータです。習い事の他に、幼稚園や学校でかかる費用も含まれていて、私立の学習費は全体的に高い傾向です。
このデータをさらに詳しく見ていくと、私立・公立を問わず小学校1年生のときと、公立の中学3年生のときに1番お金がかかっているという実態がわかります。このことから想定されるのは、私立小学校入学に関わる費用や、高校受験のための塾代がとても大きいということです。習い事の予算を決めるときは、現時点でかかる費用だけでなく、将来の学校や学校外活動でどのくらいの費用がかかるのか、ということも考えるとよいでしょう。
もし、現時点で習い事の費用が手取り収入の10%より大きくオーバーしている場合は見直しを検討してみましょう。なお、ボーナスで補填するという方法はおススメしません。ボーナスは会社の業績に左右されます。あまり頼りにしすぎると、万が一会社の業績が傾いたときに支払いが困難になる可能性もあるからです。毎月の収入の範囲内でやりくりできるようにして予算を決めることも大切です。
2.習い事をする目的と期限を決め、辞める時は潔く!
親の意志でも、子どもの意志でも、習い事をするときは目的を持つことが大切です。習い事をしてどうなりたいのかというゴールがあれば、期限も見えてきて、余計なお金をかけすぎることも防げます。
習い事を始めるきっかけには、子どもからやりたいという場合と、親や周辺の人がやらせたいという場合の2パターンがあると思います。それぞれで想定できるお金の工夫をお伝えします。
子どもがやりたいという場合
友達がやってるからなどの理由ではなく、子ども自身が上手になりたい、身につけたいという感情で習い事を希望する場合は、なるべく子どもの意思を尊重したいですよね。予算内であれば始めてもいいと思います。やってみた上で、なんだか違うな、合わなかったなと感じたら、早めに辞めればよいのです。せっかく始めたのになどと考えがちですが、続けている方が時間もお金もよりかかります。
習い事を始めるには初期費用(スイミングであれば、水着など)もかかりますが、フリマアプリで中古品を利用したり、おさがりをもらったりして工夫すれば安く済ませることもできますよ。
親がやらせたい場合
親の方針で、習い事を始める場合、子どもが納得しないときは、やらせても身につきづらいので、無理はしないようにしたいものです。例えば英語は、子どもの頃から通うことで話せるようになるとは限りません。話せるようになることが目的であれば、コスパという点からすると決していいとはいえないでしょう。
英語に親しんでもらうことが目的であれば、習う期間も変わってきます。そして、子どもの得意・不得意、好き・嫌いで、お金をかけてもかけなくても、同じ成果になることもあるということもあると思います。
自分の子どもにどんな子になってもらいたいか、という親心と子ども自身の意見を尊重しながら選べるといいですよね。
3.子どもと一緒に考えよう
もし、予算オーバーしていて選び兼ねている場合、子どもと話し合って決めてもよいでしょう。予算には限りがあること、これからも教育費はかかることを伝えながら、本当に続けたいものはどれなのか、一緒に考えることも、子どもがお金のことを学ぶ機会にもなり、自分自身について考えるよいきっかけです。
子どもとの話し合いは、うまくいかないこともあると思います。もちろん筆者も悩みながら、失敗もしてきました。折り合いをつけながら、習い事を楽しく充実したものにさせてくださいね。
※本ページに記載されている情報は2021年9月16日時点のものです。