ジュニアNISAは、金融庁が発表した「令和2年度税制改正」により2023年で制度を終了することになっています。制度終了後の運用したお金は、どうなるのでしょうか? 現在の制度にある、払い出し制限がなくなるという利点もありますが、注意点もあります。ジュニアNISAの概要と変更点についておさらいし、注意点を解説しますので、今ジュニアNISAで運用している方は、もう一度整理しておきましょう。
ジュニアNISA制度終了後はどうなるの?
注意点も解説
2021年9月15日
ジュニアNISAの概要と変更点をおさらい
ジュニアNISAは、両親や祖父母が子どもや孫の教育資金を作るための投資制度です。上場株式、ETF、REIT、株式投資信託などの売却益に対してかかる約20%の税金が非課税となります。 年間投資上限金額は 80 万円で、非課税期間は最長5年間です。教育費用に使用することが目的のため、年齢による払い出しの制限があります。
上の表は、ジュニアNISAの現状と、2023年の成人年齢引き下げに伴う開設年齢と払い出し年齢の引き下げ、廃止になる2024年以降の非課税期間と払い出しのルールについて記したものです。
2023年には、高校2年生の1月1日から払い出し、つまり現金化ができるようになるので、塾の費用などの受験準備にも資金が使いやすくなります。また、ジュニアNISAの制度が廃止になる2024年以降は、いつでも払い出しが可能になりました。
ジュニアNISA注意点とは?
制度が廃止になるので新規で投資ができない
2024年以降は、新規の投資ができなくなります。投資をする場合、課税口座を利用することになります。ですから、2021年にジュニアNISAを始めた場合は、最大で240万円を非課税で投資することが可能です。
ロールオーバーは手続きしないと課税口座に移管されてしまう
ロールオーバーとは、5年間の非課税期間が終了したあと、新たな一般NISA口座に移管することで、引続き5年間非課税期間を延長することです。ロールオーバー以外の選択肢は、課税口座に移管するか、売却するかになります。
例えば、2021年に投資した分は、2025年まで非課税で保有することができます。2025年にロールオーバーの手続きをすることで2026年以降は、1月1日において 18 歳である年の前年末まで非課税で保有可能になります。自分で手続きしないと課税口座に移管されてしまいますので、注意しましょう。
さらに、課税口座に移管されてしまうと、移管された時点での資産価格が買付価格になります。この価格が当初の買付価格を下回っていた場合は、余計な税金がかかる可能性があります。
例えば、非課税口座での買付価格が100万円で、課税口座に移す時点の資産価格が50万円になっていた場合、50万円が買付価格になります。そして、将来的に資産価格100万円で売却すると、50万円の利益が出たとみなされ、税金がかかってしまいます。
払い出しする場合は口座で保有している商品を全て払い出しをしなければいけない
2024年以降は、18 歳に達していなくても、非課税で払い出すことができます。 ただし、払い出しを行う場合は、これらの口座で保有している商品は全て払い出す必要があります。ですから、複数の株や投資信託などを保有している場合は、現金化したい資産だけ売却するということができませんので、売却と払い出しは計画的にする必要があります。
まとめ
ジュニアNISAの概要、変更点、注意点をお伝えしました。
・2023年に払い出し年齢が引き下げられる
・2024年以降は制度が廃止になるため新規投資は不可
・5年間の非課税期間終了後のロールオーバーの手続きは自分でする必要がある
・2024年以降の払い出し(現金化)はいつでも可能に。ただし、全ての資産を払い出しする必要がある
無理のない投資をして、手続きは忘れずに、非課税のメリットを最大限に受けられるようにしてくださいね。
※本ページに記載されている情報は2021年8月24日時点のものです。