30代から40代という世代は、働き盛りの年齢でもあり、企業はもちろん、社会的にも重要は役割を果たしている人が少なくありません。このような30代から40代に想定されるライフイベントの内容と、属性別の資産形成方法とはどのようなものなのでしょうか。
30代から40代における
属性別資産形成方法
2021年9月20日
30代~40代のライフイベントとその特徴
以前であれば、20代で多くの人が経験する一定のライフイベントがありました。しかし、今は多様化しています。新たなライフステージをこれから迎える人、さらには迎えずに過ごす人など、ライフプランによってさまざまです。現代の暮らしがこのような多様さを見せるのは、1人ひとりの個性や信念が認められてきたことの証でもあるでしょう。
しかしながら、特定のライフイベントは、若い世代で経験するよりも30代になってから経験したほうがよりメリットを得られる場合がありますし、一方でデメリットが大きくなってしまう場合もあります。
結婚・出産
20代で結婚する場合と比べ、30代そして40代で結婚する方が結婚資金も十分に準備できるという考え方が一般的です。しかし、既に自分のライフスタイルが確立されていて、お金を全て自分のために使ってしまうという方であれば、結婚資金は用意していないという方もいます。また、結婚の時期にかかわらず、高齢出産が増えている傾向にあることや、不妊治療費用による費用が膨らみやすいのもこの年代の特徴といえるでしょう。
住宅の購入
住宅の購入においては、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。住宅ローンを組む際には、できるだけ自己資金を用意しておくことがポイントとなりますがその資金を用意できるか、そして今後の返済に無理はないかを考える必要があります。特に40代で住宅を購入する場合であれば、住宅購入後に起こるライフイベントも加味しながら、返済計画を立てる必要があるでしょう。
教育資金
子どもがいる家庭であれば、避けて通ることができないのが、子どもの教育資金です。一般的に子どもが多いほど教育費は増えていくと考えられがちですが、子どもが少なくても、1人当たりにかけるお金は増えていて、その結果、少子化にも関わらず教育費は増加傾向になっています。
属性別の資産状況を踏まえた資産形成方法
世帯の資産状況は「共働き夫婦」なのか、「専業主婦(夫)」なのか、さらには「子どもの有無」や「おひとり様」など属性によって異なります。
共働き夫婦
共働き世帯の場合、夫婦それぞれでお金を管理していると、世帯全体でいくらの貯金があるのかが不明瞭なケースが見受けられます。したがって、世帯全体でどのくらいの貯蓄があるのかを共有しておくことも大切です。また、共働き世帯は金銭的なゆとりが得やすいことから、運用を行う際には、リスク性のある株式投資や不動産投資などを視野に入れてみてもいいでしょう。
専業主婦(夫)
専業主婦(夫)の場合でも、相手の万が一に備えてパートやアルバイトなどで働くことにより、リスクに備えることが可能となります。家計に余裕があると、専業主婦(夫)の収入については娯楽費に向かいがちですが、できるだけ将来の資産形成に努め、運用を行う際には積立型の運用商品を取り入れることをおすすめします。
専業主婦(夫)世帯は、家計全体で考えると、実質は片働き世帯となりますので、住宅購入の際には共働き世帯よりもローンの借り入れが難しくなりがちです。住宅購入後のライフイベントが予定されている場合は、それに沿った運用方法を取り入れるようにしましょう。
子どもの有無
子どもがいるのか、いないのかで必要な生活費は異なり、運用に回せる金額も異なります。子どもがいる場合には、子どもの教育費と自分たちのセカンドライフへの準備を目標とし、早めに準備に取り掛かることが大切です。子どもが成人するまでは子どもに関する支出がメインとなりますが、その後はセカンドライフの準備に取り掛かれるように計画性をもって長期的な運用方法を選ぶ必要があります。
一方、子どもがいない夫婦は、2人の将来についてしっかりと話し合っておくことが大切です。セカンドライフはどのように送るのか、終の棲家はどこにするのかなどの目標のすり合わせをきちんと行いましょう。そして、将来を見据えて、早いうちからリスクを取った運用を行うことも有効です。
おひとり様
自分ひとりで全てを賄わなくてはならないのが「おひとり様」です。何にどのように使うのかは本人の自由ですが、自由があるだけリスクがあるという現実にも目を向ける必要があります。
若いうちは働いて収入を得ることができますが、年齢を重ねると年金などの限られた収入になってしまいます。したがって、好きに使っていいお金と貯めて増やしていかなければならないお金を分け、それに応じた運用を行う必要があります。ただ、その運用については、「趣味に関する運用」や「将来に備えた運用」など、自分の目標および目的に沿った運用ができる点もおひとり様の特徴といえます。
世帯の属性によって、抱える問題はさまざまです。共働き世帯で子どもがいる場合は、子育てにかかる費用も避けては通れない問題ですし、住宅ローンの組み方についても、貯蓄の中からどれだけ自己資金に回せるかのバランスを考えることが重要です。
また、おひとり様が住宅を購入する際には、老後にひとりで住めなくなった際の対処方法も考えたうえで購入したほうがよいかもしれません。老後に対する不安が高まっている中、30代~40代の世代はさまざまなライフイベントが予想されることから、自分の属性と合わせて計画的に支出と運用のバランスを考えていくようにしましょう。
※本ページに記載されている情報は2021年8月17日時点のものです。