投資初心者は、インデックスファンドで運用したほうがよいと聞いたことがある方も多いと思います。とはいえ、「より高い運用成績を狙うアクティブファンドの方が資産を増やすことができるのでは」と思うことはありませんか。インデックスファンドとアクティブファンドの違いと、インデックスファンドが投資初心者向けである理由を解説しながら、もしアクティブファンドを選ぶならばどのように選んでいけばよいのか考えてみましょう。
インデックス vs.アクティブファンド
投資初心者の上手な選び方
2021年8月3日
インデックス運用とアクティブ運用の違い
インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIX、アメリカなら、S&P500など、市場全体の動きを表す代表的な指数(インデックス)に連動した運用成績をめざす投資信託のことです。これらの指数に連動するため、値動きがわかりやすいこと、ファンドの銘柄は機械的に選ばれるため、運用中にかかるコスト(信託報酬)が低いことが特徴です。
一方、アクティブファンドとは、指数以上の成績を狙う投資信託のことです。ファンドマネージャーといわれるプロの投資家が銘柄を選ぶため、信託報酬が高くなります。
インデックス運用が投資初心者向きなワケとは?
指数に連動しているのでわかりやすい
インデックス運用は指数に連動しているので、 その指数が下落すればそれに連動したインデックスファンドも下落しますし、反対に指数が上昇すればファンドも上昇します。短期的には景気が悪化し下落することはありますが、長期的には物価上昇と経済成長が実現すれば価格は上昇します。つまり、分散と時間を利用することで、資産がマイナスになる可能性を小さくしているのです。
アクティブファンドの銘柄は、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが銘柄を選定します。その銘柄が当たれば、指数以上に上昇しますし、反対に外れた場合は指数以上に下落します。信託報酬も高いため、リターンが高くないとコストを回収できなくなります。
インデックス運用よりアクティブ運用の方が成績が悪いと言う研究結果も!
アメリカの研究では、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500に対し、アクティブファンドのだいたい8割以上は負けているというデータがあります。上の表は、アメリカのS&P DowJones Indicesが発表した、2020年12月31日現在のSPIVA®日本スコアカードより作成したデータです。インデックスファンドより成績が悪かったアクティブファンドの割合を数値化したもので、10年間で比較すると、半分以上がインデックスファンドに負けているということがわかります。
もちろん投資時期によって結果は異なります。 投資を開始したのが景気が悪化し始めた時であればしばらくは資産がマイナスになる可能性が高く、景気が良くなり始めた時であれば資産が増える傾向にあります。
ファンドの比較がしづらい
当然、インデックスファンドより成果を出しているアクティブファンドもあります。ただ、運用成績がファンドマネージャーの銘柄選びに左右されることや、先ほどのデータからもわかるようにインデックスファンドを上回るアクティブファンドは数が少なく比較が難しいため、一般的に選びづらいのが現実です。
賢いアクティブファンドの選び方
では、アクティブファンドに投資することでインデックスファンド以上の利益を期待する場合、どのようにファンドを選ぶとよいのでしょうか。3つのポイントで解説します。
1.5年以上の成績をチェック
インデックスファンドより高いリターンを狙うので、リターンを重視します。 5年以上の成績をチェックしましょう。ファンドができて2、3年では、データが少なく、またそのデータへの信頼度も低いため避けるほうが無難です。運用成績が悪化すると、繰り上げ償還といって運用を終了してしまうことがありますので注意しましょう。
2.純資産総額が右肩上がりかをチェック
純資産総額が増えていると言うことは、そのファンドに資金が入っていて資産価値が上がっていることを意味します。右肩上がりでないと、投資家が売却しているか、組み入れられている資産が値下がりしているということです。先ほどもお伝えしたように、償還してしまう可能性もあります。
3.信託報酬をチェック
モーニングスター社の調査によると、2020年8月末時点のアクティブファンドの信託報酬の平均は、1.47%となっています。できるだけコストの低いファンドを選ぶようにしましょう。
投資初心者でも、丁寧にリサーチすることでよいアクティブファンドを選ぶことは可能です。まずインデックスファンドで定期的に積立て、慣れてきたら、併用してアクティブファンドにもチャレンジしてみてもいいですね。
(※本ページに記載されている情報は2021年7月26日時点のものです)