6月になると、勤務先から住民税決定通知書が配布されるという人も多いのではないでしょうか。毎年もらうものの、じっくり見たことがないという人、見方がわからないという人もいるでしょう。今回はそのような人のために、住民税決定通知書の見方やポイントをお伝えします。今年の新入社員の人は来年に向けて一緒に予習しておいてくださいね。
住民税決定通知書の見方とポイント、徹底解説!
2021年6月7日
そもそも住民税って?
住民税とは、毎年1月1日時点に住民票がある都道府県・市区町村に対して納める税金で、都道府県民税と市町村民税のことをいいます。住民税は所得割と均等割の2つを合計して支払います。
住民税は前年1月1日~12月31日の所得によって税額が決まり、6月から翌年5月まで分けて納付します。
会社員や公務員は、給与から住民税を差し引く特別徴収という方法で支払いが行われます。
住民税の金額は、「住民税決定通知書」という書類に記載されています。住民税決定通知書は、毎年5月~6月頃に勤務先を通じて配布されます。給与明細に添付されていることが多いでしょう。
住民税決定通知書の見方
では、具体的に住民税決定通知書の見方をお伝えしていきます。
勤務先から配布された住民税決定通知書と照らし合わせながら見てくださいね。
①所得
「給与収入」に記載されているのが年収です。
そしてその下の「給与所得」に記載されているのが、給与収入から給与所得控除を差し引いた金額です。
収入が給与収入だけの人は右下の「総所得金額①」がこの金額と等しくなります。
②所得控除
この欄には給与所得から差し引くことができる所得控除が記載されています。
給与所得から所得控除を差し引いた金額が税金のもととなる「課税所得」になります。
所得控除とは、人それぞれの事情によって給与所得から差し引くことができる控除で、全部で15種類あります。
年末調整や確定申告でこれらの控除をした場合に、「所得控除」のそれぞれの欄に控除された金額が記載されています。
会社員や公務員は年末調整で所得控除の手続きができるので、基本的には確定申告をする必要がありませんが、確定申告で「雑損控除」「医療費控除」を利用した場合はそれぞれの欄に金額が記載されていることを確認しておいてくださいね。
「所得控除合計②」に記載されている金額は、それぞれの所得控除の合計になります。
③課税標準
「総所得金額①」に記載されている金額から「所得控除合計②」に記載されている金額を差し引いた金額が「総所得③」です。
この欄に記載されている所得がある場合はそれらの所得を加えた金額が、住民税の課税の対象になります。
④税額
この欄では、税額控除額を確認します。
市町村民税と道府県民税それぞれの欄に、「税額控除前所得割額」「税額控除額」「所得割額」「均等割額」が記載されています。
「税額控除前所得割額」は、③の総所得に税率をかけた金額が記載されています。
税率は市区町村民税・特別区民税が6%、道府県民税・都民税が4%です。
「所得割額」は、「税額控除前所得割額」から「税額控除」を引いた金額です。
昨年ふるさと納税をした人や住宅ローン控除がある人は、「税額控除額」の欄に金額が記載されているはずです。「税額控除額」の金額は「税額控除前所得割額」から差し引くことができます。
次に「均等割額」は基本的に市区町村民税・特別区民税は3,500円、道府県民税・都民税は1,500円です。ただし、一部地域では異なっているので、自分の住んでいる自治体のHPで確認しておいてくださいね。
住民税、気をつけること
冒頭でもお伝えしたように、住民税は前年の所得に対して課税されます。
会社を退職して収入がなくなったとしても、前年の住民税を支払わなければなりません。支払う時になって、「お金がない!」と慌てなくてもいいように、会社を退職する時は住民税を支払わないといけないということをしっかり覚えておいてくださいね。
また、今年の新入社員の人は、前年の所得がないために今年は住民税を支払う必要がありません。だからといって、給与を全額使ってしまう癖をつけると、来年になって給与から住民税が差し引かれるようになると手取りが少なくなって困ることになります。
今のうちから、来年からは住民税を支払うということを頭に入れておくようにしましょう。
今回は住民税決定通知書の見方をお伝えしました。
今まで何となく住民税を支払っていたという人も、今年は住民税決定通知書をしっかり見て、どのくらい住民税を支払っているのか確認しておいてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2021年5月26日時点のものです)