毎年届く「ねんきん定期便」をきちんと確認していますか? 届いていることには気づいていても、よく確認していない人も多いのではないでしょうか? 国民年金や厚生年金の保険料は、会社員であれば毎月の給料から控除され、勤務先を通じて支払っています。年金定期便は、その年金について、改めて確認するチャンスです。今回は、ねんきん定期便が届いたら確認しておきたいポイントについて、みていきましょう。
「ねんきん定期便」が届いたら確認してみよう!
2021年4月5日
ねんきん定期便とは?
ねんきん定期便は、日本年金機構から、年金に関する情報を、国民年金、厚生年金保険の被保険者へ、郵便でなされる通知書です。日本年金機構は、公的年金の一連の業務を担う団体で、ねんきん定期便は2009年より実施されています。
年1度、基本的にその人の誕生月に送付されます。
通常年は、はがきで通知されますが、節目年齢といわれる35歳、45歳、59歳では封書で通知がされ、より細かい情報が記載されています。
ねんきん定期便で分かること
これまでの加入履歴が分かる
ねんきん定期便では、これまでに加入者が納めた保険料の累計額と、年金加入期間を確認することができます。
会社員であれば、給料控除で厚生年金保険料を納めているため、年金に加入している、支払っている、という意識はあまりないかもしれません。この機会に、これまでに控除された金額の累計を確認してみましょう。かなり大きい金額になっていることに驚くかもしれません。
また、これまでの年金加入期間も確認できます。
大学を卒業し、現在まで会社に勤めている人は、国民年金と、厚生年金に加入していた期間が記載されています。また将来年金を受給するためには、一般的に120カ月以上の加入が必要です。受給資格を満たしているかも確認しておきましょう。
これまでの加入実績に応じた将来の年金額が分かる
これまでの加入期間、納付額によって、将来受け取れる年金額が記載されています。
会社員の年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金から構成されており、それぞれの年金額が記載されています。
老齢基礎年金は、20歳~60歳まですべての期間納付すると、満額78万1,692円になります(2020年度)。
ねんきん定期便に記載されているのはあくまで現時点での年金額になり、今後納付する保険料に応じて、将来の年金額が決定されます。
老齢厚生年金は、その人の所得によってそれぞれ変動します。基本的に収入が多く、納付している保険料が大きければ大きいほど、将来受給できる年金額も大きくなります。記載されている年金額は、こちらも現在の納付履歴に基づく年金額になります。将来の年金額は、今後納付する保険料により大きく変更になる可能性がありますので、定期的に確認していきましょう。
ねんきん定期便で、確認しておくべきこと
年金に加入漏れがある!?
ねんきん定期便には、直近1年間の納付状況が記載されています。1年間について、納付に漏れがないかどうか、必ず確認しましょう。
会社員の場合、毎月の厚生年金の納付額が記載されています。
しかし、転職、結婚(改姓)、海外居住・帰国のタイミングなどにより、まれではありますが、納付記録が漏れてしまうことがあるのです。空白になっている欄があれば、その理由を必ず確認しておきましょう。
また、退職し、国民年金の加入になった場合にも、納付歴に漏れがないかどうか確認しましょう。「未加入」や「未納」の記載がある場合には要確認です。
納付しているはずなのに履歴がないと、将来受給できる年金額に影響してきます。
また万が一納付が漏れていた場合には、原則2年以内であれば後納することができます。年金額を減らさないために、速やかに手続きすることが大切です。
もし加入状況に漏れや誤りがあるかもしれないと思ったら、近くの年金事務所に確認してみることをオススメします。
通知がなくても確認してみよう
先述のとおり、年に1度、ねんきん定期便が作成されますが、「ねんきんネット」というWEBサイトで、いつでも加入履歴や納付額を確認することができます。ねんきん定期便に記載のない期間の加入履歴や、将来の年金受給額についての詳しい試算などもできます。
ねんきん定期便では、現在の加入履歴に応じた年金額の記載しかありませんが、ねんきんネットでは、仮にこのまま60歳まで加入を続けた場合の年金額の試算ができるので、老後の生活設計にも役立てることができるでしょう。
公的年金は、老後生活の大きな柱になります。納めている保険料も決して少ない金額ではありませんので、自分の加入履歴をしっかり確認しておくことが大切です。年1度と言わず、気になったときに確認してみるとよいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
ねんきん定期便は、自分の年金に関する情報を確認できる通知です。
年1回、通知が届いたら、内容の確認はもちろんのこと、将来の年金額や、老後の生活費、資産設計について考える機会としていきましょう。
(※本ページに記載されている情報は2021年3月31日時点のものです。)