医療保険の特約にある先進医療について、本当に必要か悩んでいませんか?「先進医療」とは、健康保険の適用外の治療技術です。滅多に起こらないため、月の保険料は、数百円とわずかな金額で気軽に入れます。しかし、実際適用される病気はどんなものがあって、保険金はいくらくらいで、どのくらいの人がその治療を受けているのかご存じでしょうか。実際の内容を知った上で、加入するかしないか、考えてみましょう。
先進医療特約って必要?
判断するために知っておきたい4つのポイント
2021年4月14日
先進医療とは?
まず、先進医療とは、厚生労働省が認めていて、公的保険の適用になっていない医療技術です。私たちは、通常、医療機関で支払う医療費は3割負担で済んでいますが、先進医療を受ける場合は、医療費が全額自己負担になるため、高額な出費になります。2021年3月時点で、81種類の医療技術が先進医療の対象となっていて、随時改定されます。最近の例では、1番利用実績が多かった多焦点眼内レンズを使用した白内障手術が2020年4月から一部保険適用となり、先進医療からは外れています。
先進医療の対象疾患は、滅多にかからなくても、万が一かかると高額な医療費になるため、貯金ではまかなえない可能性もあり、家計にダメージが大きいと言われています。以下、知っておきたいポイントを4つお伝えします。
先進医療で知っておきたいポイントは4つ
1.先進医療で利用が多い医療技術
先進医療で、利用実績が多い代表的なものは、がんの重粒子線治療と、陽子線治療です。2019年7月1日~2020年6月30日の1年間の実施件数は、重粒子線治療は703件、陽子線治療は1,196件です。合計で約1,900名の人が治療を受けていたことになります。
2.金額
1件あたりの金額は、重粒子線治療が約310万円、陽子線治療が、約270万円となっています。
(件数・金額のデータ 厚生労働省 令和2年12月23日 中央社会保険医療協議会総会資料より)
3.治療できる医療施設が限られている
2021年3月現在で、重粒子線治療は、全国に6ヵ所、陽子線治療が全国に18ヵ所となっていて、どの医療機関でも治療が受けられるわけではありません。医療費の他にも、交通費もかかることを想定しておきましょう。(厚生労働省HP 先進医療を実施している医療機関一覧)
4.がん患者の人数のうち先進医療を利用している割合
そもそも、がんに罹患している人はどのくらいいるのでしょうか。国立がん研究センターの2020年がん統計予測によると、約100万人となっています。先ほど、約1,900名が先進医療を受けているとお伝えしました。がん患者の約0.2%の人が、先進医療を利用しているということになります。
まとめ 加入するかは貯金額と価値観で決めよう
先進医療の概要と、知っておきたいポイントについてお話しました。
・利用が多い先進医療は、がんの重粒子線治療と陽子線治療
・金額はそれぞれ約300万円
・治療できる施設は全国に24ヵ所(2021年3月現在)
・全がん患者に対しての先進医療利用割合は0.2%
先進医療を利用することになった場合にどのくらいの費用がかかるか、どのくらいの人が利用しているかイメージできたでしょうか。このデータを見て、貯金額やあなたの価値観で加入するか検討するとよいでしょう。また、先進医療に該当する医療技術は順次更新されますので、そのような情報もチェックしてみてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2021年3月30日時点のものです。)