今年も確定申告の時期がやってきました。今年の提出期間は2月16日(火)から4月15日(木)です。毎年のことですが「よく分からず面倒で、つい提出が遅れがちになる」「もっと節税できる方法があるのでは?」などと思うことはありませんか?そんなあなたのために、今年からの変更点や、節税できる申告方法など、知っておきたい情報を分かりやすくまとめてみました。
2021年版・確定申告
知っておきたい変更点と節税できる申告方法
2021年2月9日
【確定申告】のおさらい
確定申告とは
簡単に言うと「所得税を納めるための手続き」です。
所得税とは、一年間(1月1日~12月31日)の収入から必要経費を差し引いた金額(これを「所得」という)にかかる税金のことです。
会社員であれば、所得税は給与から天引きされ年末調整されるため、確定申告の必要はありません。
個人事業主やフリーランス、会社経営者や不動産所得のある人などは確定申告が必要です。
会社員であっても、
・給与収入が2,000万円超の場合
・2ヵ所以上の会社から給与がある場合
・副業所得が20万円超の場合
・医療費控除や雑損控除を受ける場合
・住宅ローン控除を初めて受ける場合
・一年間の途中で退職し、再就職していない場合
などは確定申告が必要になります。
提出期間や提出方法
2020年分(令和2年分)の提出期間は、2021年(令和3年)2月16日(火)から4月15日(木)です。
提出方法は、
・税務署に郵送
・税務署に持参
・e-Tax(電子申告システム)で送信
があります。
この他にも、税理士などの専門スタッフに直接相談しながら申告できる会場を設けています。今年は感染症対策として、会場を予約制にしたり、開設期間を拡大して対応するようです。コロナ禍で、退職した人や副業している人が増えているため、確定申告が必要な人の数も増えているのではと思われます。
e-Taxでの申告が年々増加しています。一昨年(H30年分)は全体の57.9%、昨年(R元年分)は全体の59.9%でした。今年はコロナ禍であることはもちろん、e-Taxで申告することで節税対策にもなるため、e-Taxでの申告がかなり増えるのではと予想されています。
2021年版・確定申告 知っておきたい変更点
基礎控除
昨年まではすべて38万円の控除額でした。
今年からは 合計所得金額が
2,400万円以下は 48万円
2,400万円超2,450万円以下は 32万円
2,450万円超2,500万円以下は 16万円
2,500万円超は 0円
になります。
給与所得控除
給与所得控除とは、給与収入から差し引きできる金額です。
昨年までに比べ、今年から10万円控除額が少なくなります。
例)給与収入金額が
162万5,000円以下の場合、
昨年までは65万円、今年から55万円。
162万円5,000円超から180万円以下の場合、
昨年までは給与収入額×40%、今年から給与収入額×40%-10万円
になります。
配偶者控除
今年から、配偶者控除を受けられる条件が10万円ずつ上がります。
昨年までは、配偶者の年間合計所得額が「38万円以下」という条件でしたが、今年から「48万円以下」になります。
配偶者特別控除の条件も、昨年までは「38万円超123万円以下」でしたが、今年から「48万円超133万円以下」になります。
扶養控除
扶養控除とは、16歳以上の扶養親族がいて、その扶養親族の年収が103万円以下である場合に差し引きできる金額です。
今年から、扶養控除を受けられる条件が10万円上がります。
昨年までは、扶養親族の年間合計所得額が「38万円以下」という条件でしたが、今年から「48万円以下」になります。
勤労学生控除
勤労学生控除とは、納税者(確定申告する本人)が学生である場合に差し引きできる金額です。
今年から、勤労学生控除を受けられる条件が10万円上がります。
昨年までは、年間合計所得額が「65万円以下」という条件でしたが、今年から「75万円以下」になります。
ひとり親控除
今年、新たに創設されました。以下の条件を満たしていれば、婚姻歴の有無や性別に関係なく35万円の控除が受けられます。
・生計を一にする子どもがいること
・合計所得金額が500万円以下であること
・事実婚に該当する相手がいないこと
この「ひとり親控除」の対象者であれば、「寡婦控除」を受けることはできません。
寡婦(寡夫)控除
今年から「ひとり親控除」が新設されたため、ひとり親には該当しないが、以下の条件を満たしていれば27万円の控除が受けられます。
・寡婦であること(寡夫控除は廃止されました)
・合計所得金額が500万円以下であること
・事実婚に該当する相手がいないこと
2021年版・確定申告 節税できる申告方法
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があり、「青色申告」のほうが節税になります。
青色申告特別控除
青色申告特別控除とは、「青色申告」をした人のみ受けられる控除です。
昨年までは、10万円と65万円の2パターンの控除額でしたが、今年から、10万円と55万円と65万円の3パターンの控除額になります。
・控除額 10万円
青色申告であること
・控除額 55万円
青色申告であること
複式簿記で記帳
申告期限内に提出
・控除額 65万円
青色申告であること
複式簿記で記帳
申告期限内に提出
e-Taxで申告
電子帳簿で保存
現在「白色申告」の人で、今後「青色申告」に変更しようと思うのであれば、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければいけません。
この申請書の提出期限は、前年の3月15日までです。今年の3月15日までに提出すれば、来年(2021年分)の確定申告から「青色申告」できるようになります。
(※本ページに記載されている情報は2021年2月9日時点のものです)