ひとり暮らしの方はもちろん、家族で生活していてもお金に関する書類やデータの管理はきちんとしておきたいものです。万が一のことを考えた際に、今あるものは本当に必要なものなのかを点検し、必要なものについてはきちんと管理できているかを振り返る、大人の片づけに取り組んでみましょう。
今、真剣に考えたい!
大人の片づけとは?
2020年12月30日
金融資産の片づけ
銀行口座を整理
自分が主体的に管理している銀行口座なら、10年以上取引のない口座はないと思います。しかし、両親が昔作ってくれた口座については、結構見落としているものです。両親以外にも祖父母が用意してくれている口座もあるでしょう。
一度そのような口座はないかどうか確認するとともに、休眠口座になっていないかの確認も併せて行っておきましょう。通常、10年以上の取引のない口座については、1万円以上の残高があれば、その金融機関に登録されている住所に通知が郵送されることとなっています。そして、名義人と連絡が取れなければ、そのまま休眠口座として預金保険機構に移管されてしまいます。
もし、休眠口座となっていることが判明しても、お金が消滅することはありませんので、必要書類を揃えて手続きを行い、引き出すことができます。
クレジットカードを整理
年会費無料であることや優待サービスのある入会キャンペーンなどでついつい作ってしまったクレジットカードはないでしょうか。そして、そのようなカードは使わずにいるケースが多いものです。
年会費無料も永久であればいいのですが、2年目から気付かないまま有料となっていることもあります。使っていないクレジットカードの年会費を支払うのはもったいないです。さらに言えば、使っていないクレジットカードは盗まれたり悪用されたりしても気づかない恐れもあります。クレジットカードの保有枚数は1~2枚程度に留め、使っていないクレジットカードについては解約をしておきましょう。
通常、契約者が亡くなった場合であれば、家族が解約手続きを行うことになりますが、その情報が共有されていなければ解約手続きを行うこともできません。そういった意味でも、クレジットカードの整理は早めにしておくことをおすすめします。
家族間で情報を共有
共働き世帯が増加したことに伴い、夫婦間であっても、お互いの通帳口座やその内容について詳細を全て把握しているケースは少なくなっています。また最近では、お互いがどんな生命保険に加入しているのか知らないという夫婦もいます。これは夫婦間に限らず、親子にも言えることです。
両親と離れて生活している場合、両親がどのような生命保険に加入しているのかを知っている方はほとんどいないのではないでしょうか。このような情報は、内容まではわからなくても、その通帳や保険証券、ほかにも有価証券や権利証などいわゆる重要書類をどこに保管しているかくらいは情報共有しておき、いざという時に必要な手続きができるようにしておきましょう。
もちろん、保管場所を逐一口頭で伝える必要はありません。そのような際に活躍するのがエンディングノートです。エンディングノートは市販されているもので構いませんので、それに詳細を記載しておき、その保管場所だけを伝えておくことも効果的です。
成年後見制度の活用
法定後見と任意後見
成年後見制度とは、認知症などで判断能力が不十分となった際に、本人が不利益を被ることがないように、その人を援助するための後見人を法律的に決めておく制度です。法定後見と任意後見では、後見人の職務内容と権限が異なります。
法定後見
成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」に分けられ、法定後見においては、後見人を裁判所が選定することとなっています。
また、法定後見の「後見」「補佐」は本人の同意がなくても成立します。
任意後見
一方、任意後見とは、任意後見人となる人に対し、「自分の生活や身の上の保護、そして財産に関する事務」を委託して代理となってもらう契約を結ぶことで成立します。ちなみに、任意後見契約にて委託できる主なものは、以下の内容となっています。
・医療行為に関する契約および支払い
・不動産を含む財産の管理、保存、処分
・居住している賃貸住宅の契約に関する事項
・金融機関および保険に関する事項
・年金および福祉手当などの受領に関する事項
・生活に必要な物品の購入および光熱費の支払い
・介護施設および介護サービスに関する契約
・遺産分割協議
・重要書類や印鑑および通帳などの保管
不要なものをできるだけなくし、管理できるものだけを残すという考えは、今後重要になってくると考えられます。同時に自分に何かあった際には、その後の手続き等において家族にできるだけ迷惑をかけることのないように、保存先などについてはきちんとまとめてわかるようにしておきましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年12月30時点のものです)