資産を分散させておくために金に興味を持つ人もいるでしょう。しかし、一口に金投資と言っても、いろんな種類があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。どんな人がどの投資に向いているのか、どんなところに気を付けて購入すればいいのか、お話します。
金投資ってどうなの?
メリットvsデメリット
2020年10月23日
金の役割
資産を管理する場合、インフレや世界情勢の変化から資産を守るためには1ヵ所にまとめるのではなく、株式、債券、不動産などいくつかの金融商品に分散させることが大事というのはご存知だと思います。金もその手段の一つとして使われています。
特に金には、
・それ自体に価値がある
・世界中どこでも換金できる
・株価が下がった時には上昇傾向
などの特徴があるため、他の資産にはない特徴を補填する目的で保有している人もたくさんいます。
金投資の種類
では、金に投資する場合、どのような方法があるのか見てみましょう。
金貨・金地金
まず、金の現物を買うという方法があります。金価格に連動した金貨は手ごろな価格で買えるので初心者向けですが、記念金貨は金価格に連動しておらず収集目的の商品なので注意が必要です。バーを買おうと思うとまとまったお金が必要なので、ある程度お金を持っている人向けです。
現物を買うメリットは手元に保有できるということですが、同時に盗難や消失という危険もあります。もし業者預かりや貸金庫に保管する場合は保管料がかかります。また、売買には手数料がかかります。
純金積み立て
毎月、1,000円程度の少額から定額または定量で自動的に購入を続けることができます。また、ボーナス時などスポット的に購入することも可能です。今手元にまとまったお金がないという方にはおすすめです。ただし、購入手数料のほか、保管手数料もかかります。投資信託やETFに比べると割高な手数料です。
積み立てた金を引き出したり、ジュエリーに換えることもできますが、その際にも手数料がかかります。
投資信託
金の価格に連動する投資信託です。純金積み立てよりさらに少額で、証券会社によっては100円から購入できる場合もあります。投資信託は万が一金融機関が破綻しても保有資産は保全されますし、金地金のように盗難の心配もありません。毎月コツコツ積み立てていくことも可能です。投資初心者の人や、コツコツ積み立てたい人におすすめです。
購入時と保有時に手数料がかかりますが、純金積み立てと比べると割安です。金に交換することはできません。
ETF
ETFは上場している投資信託なので、投資信託のように金融機関が破綻しても資産は保全されますし、盗難にあうこともありません。売買手数料や管理手数料はかかりますが、投資信託と比較すると低い水準です。
上場しているので好きなタイミングで売買することができますが、投資信託のように毎月積み立てるということができません。投資初心者でちょっと買って様子を見たいという人や、コストを抑えて投資したい人におすすめです。
注意すること
税金がかかる場合がある
金あるいは投資信託やETFを売却して利益が発生すると、譲渡所得になります。他の譲渡所得と併せて50万円以上の場合、所得税が発生します。特定口座(源泉徴収あり)を選択しておくか、確定申告が必要です。
ポートフォリオを考える
ポートフォリオとは、自分の資産における金融商品の組み合わせのことですが、資産を安定して長期保有するためには最初に決めたポートフォリオに基づいて、そのバランスをいかに保つかということが大事です。
例えば、金の価格が下がったから買い時だと思ってたくさん購入すると資産全体のポートフォリオが崩れてしまいます。金を安くたくさん買えたからいいと思うかもしれませんが、資産全体のバランスを考えると必ずしもいいとは限りません。もっと値下がりしてしまった場合、金の割合が多ければ多いほど損失も多くなるからです。先にも言いましたが、リスクを分散させることが大事です。一つだけに偏らないように全体のバランスを考えながら購入しましょう。
値下がりリスク
投資商品には値下がりリスクがありますが、金の値動きには注意が必要です。1980年には1グラム当たり6,000円、2000年には1,000円、そして、2020年には7,000円というように大きく動いています。わずか20年で何倍にもなったり、何分の一にもなったりしているのです。特に今は高値なので、購入には十分注意してください。
資産全体の中に金を持っておくことはいいと思いますが、どの資産もそうであるように、金にもメリットとデメリットがあります。自分が今持っている資産を見て、それらの弱い部分の補完になるように、全体のバランスを考えながら、賢く取り入れてください。
(※本ページに記載されている情報は2020年10月23日時点のものです)