つみたてNISAやiDeCoを始めたいと思っているけど、どのような投資信託を選べばよいか困っていませんか?選び方を失敗すると、せっかくの大切な資産を効率よく増やせなくなってしまいます。数ある投資信託から失敗しないための注意点と、選び方で抑えておきたい5つのポイントをご紹介します。これらを理解した上で始めれば、後からご自身で修正することもできるので、安心して投資が続けられますよ。
投資信託で失敗しないための注意点は?
選び方のポイントは5つ!
2020年9月9日



投資信託を選ぶ前に知っておきたい注意点とは?
そもそも投資信託とは、私たちが投じたお金をファンドマネージャーという運用のプロが国内外の株式や債券などの複数の資産に投資・運用し、その利益が私たちに還元される仕組みの金融商品のことを言います。運用方針によって資産の種類や割合に違いがあるため、無数の組み合わせがあります。商品選びを失敗しないために、誤解されがちな注意点を押さえておきましょう。
1.基準価額が高い商品がよい商品?
投資信託の「基準価額」は、設定された時の価額が1万円となっています。例えば、日経平均(日本の上場企業の代表的な225社)に連動した投資信託は複数ありますが、設定された時期が違うと、基準価額も異なります。2008年12月の日経平均終値と2017年12月の終値は約2.6倍の差があり、この2つの時期に設定された商品の基準価額の差は、約2.6倍程度になっています。ですから、基準価額の高い低いは選ぶ基準にはならないのです。
2.とりあえず銀行で相談すると…?
商品をどうやって選んでよいかわからず、とりあえず銀行に行って相談してみようと思う人は多いです。しかし、窓口のある銀行の多くは、取り扱い商品に偏りがあったり、銀行のオススメの商品を紹介されることがあります。その商品がを理解できないまま選ぶと、評価損が膨らんだ時の対処法が分からず不安になるものです。後述する選び方のポイントの条件に当てはまるか、確認した上で選びましょう。
3.ランキング上位の商品がいいの?
「ランキング」と聞くと、多くの人が選んでいるのでよさそうな印象を受けがちです。しかし、紹介されている商品は「何のランキング」なのでしょうか。ある一定期間に買われた商品のランキングであれば、新しい商品が一時的にランクインされたかもしれません。参考程度にしましょう。
失敗しない選び方ポイントは5つ
いよいよ、商品の選び方です。取っつきにくい用語が多いイメージの投資信託ですが、押さえるべきポイントは意外に少ないです。モーニングスターHPや、ネット証券HPで確認してみましょう。
1.投資先と資産の種類を確認
投資先(国)は3つです。
・日本国内
・先進国(欧米)
・新興国(中国を中心とした台湾、韓国、インドなど)
資産の種類も3つあります。
・債券
国、地方自治体、企業などが資金を借入れるために発行されます。銀行だけから借り入れるのと違い、多くの人から集められることが特徴です。日本国債であれば、国が発行元なので日本が破綻しない限りは価値が無くなることはありません。信用度が高く安定している分、リターンは少なめです。海外であれば、先進国の方が新興国より信用度が高く安全といえます。
・REIT
オフィスビルや商業施設、マンション、ホテル、物流施設など複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する資産です。賃料収入が入るので比較的安定していますが、2020年は新型コロナウィルスの影響で、東証REIT指数(東京証券取引所に上場しているREITの動きを示す指数)は1月の高値から、3月までの下落率は約49.1%と、日経平均の下落率の約31.2%を上回っています。東日本大震災やリーマンショックの時も、日経平均より下落しています。
・株式
個別企業が、株主から集めた資金に対して発行する証書のことです。企業が発行する債券「社債」は利息がつくのに対して、株式は、企業が利益を出さなければ投資家には還元されませんのでハイリスク・ハイリターンな資産と言えます。基本的には、株価と債券価格は反対の値動きをするので、両方保有することで下落幅を抑えることができます。
なお、モーニングスターHPでは、目標金額から必要な利回りを計算したポートフォリオの組み方がわかりますので参考にしてみましょう。
以下の2〜5のポイントは、モーニングスターの投資信託のページや、ネット証券のスクリーニング機能でチェックしていきましょう。
2.インデックスファンドが初心者・長期運用向き
投資信託は、インデックスファンド(パッシブ運用)とアクティブファンドの2種類に分けられます。インデックスファンドとは、指数(日経平均や、米国であればNYダウ)に連動した投資信託のことです。アクティブファンドとは、指数以上の成果を狙う商品です。過去10年の運用成績がよい商品が少なく、短期間の保有に向いています。一方、インデックスファンドは値動きが分かりやすい上、長期では上昇していくため長期間運用したい場合に有効です。
3.手数料
投資信託の手数料は数種類ありますが、つみたてNISAやiDeCoでかかるコストは、運用中に毎日かかるコスト「信託報酬」を重視します。これは運用益から毎日引かれています。インデックスファンドであれば、0.5%以下が目安です。せっかく評価益が出ても手数等が高いと資産が目減りしてしまいます。必ずチェックしましょう。
4.純資産
投資信託の価値を表したもので、購入する人が多いときと、ファンドに組み入れられている資産が値上がりすることで増加します。30億以上あることが理想です。純資産総額が、右肩上がりに増えているかも確認します。
5.トータルリターン
一定期間にどのくらいの運用益があったかを表す数字です。リターンが出ているか確認します。少なくとも3年以上運用されているファンドであれば参考になります。
まずは始めてみましょう
投資信託を選ぶ上での指標はこの他にもありますが、実際に投資をしてみないと理解できないことも多いです。値幅が大きさや、下落時に大きく含み損が出た時の感じ方は人によって違うからです。後から商品や積立額を修正することも可能です。まずは少額から始めることが大切です。
(※本ページに記載されている情報は2020年8月20日時点のものです)