家計における固定費とは、住宅ローンや家賃、電話代や保険料など、毎月必ず一定の支払いが発生するもののこと。実は、これらの固定費を見直すだけでも節約効果は抜群です。固定費を削減することは、継続して出費を抑えることでもありますので、「節約したい!」と思っている方にこそおすすめの節約方法です。そこで今回は、簡単に効果が期待できる固定費の見直しについてお伝えします。
節約の基本は固定費の見直し!
おすすめの節約方法とは?
2020年8月28日
まず見直すべき固定費とは?
固定費のうち、大きな部分を占めているのが家賃や住宅ローンなどの住居費、インターネット回線やスマホなどの通信費、そして生命保険や自動車保険等の保険料などです。つまり、これらの固定費を削減することができれば、家計に与える影響は大きいということになります。
しかし、もし家賃を見直すとなれば、家賃交渉をして値下げしてもらうか、それができないなら今よりも家賃が安い物件に引っ越すしかありません。また、マイホームを購入してローンを返済している方であれば、住宅ローンの繰り上げ返済や借り換えが必要になるでしょう。
いずれにしても、ある程度の時間がかかってしまいますし、最低限の下調べや知識が必要です。そこで、ここでは専門的な知識がなくても比較的簡単に見直せる固定費についてお伝えしていきます。
通信費の見直し
スマホ代を安くするには、格安スマホに替えるという方法があります。その場合、もちろん毎月の使用料そのものは抑えられますが、大手キャリアと比較すると、通信速度などに不安があり、切り替えに踏み切れない方も多いようです。そこで、契約プランやオプション、自宅のインターネット回線との組み合わせを見直してみましょう。
契約プランやオプションは最適?
大手キャリアから提供されている料金プランは、利用者のニーズに合わせて変化しています。たとえば、auで2019年の8月末まで新規受付をしていた4G LTEデータプランの場合、1GBが月額2,900円、3GBが月額4,200円、5GBが月額5,000円などと比較的小刻みに価格設定されていました。しかし、現在提供されている「ピタッとプラン」では、1GBまでが月額1,980円、1GB超~4GBまでが月額2,980円で提供されています。
さらに通話プランの場合、2019年8月末まで受け付けていた24時間国内通話かけ放題のプランは月額2,700円でした。その後、月額2,200円のかけ放題プランが同年12月をもって新規受付を終了し、現在は月額1,800円のプランが提供されています。
つまり、以前3GB+かけ放題のプランに加入していたとすると、1カ月の料金は4,200円+2,700円=6,900円です。しかし、新しい料金プランに変更した場合、2,980円+1,800円=4,780円。単純計算ですが、1ヵ月に1,120円の節約になることがわかります。
このような料金プランの改定はほかのキャリアでも行われています。各社の公式サイトで具体的なシミュレーションができますので、ぜひ一度確認してみましょう。
インターネット回線との組み合わせ
自宅でインターネットの固定回線を利用している、または導入を検討しているという場合、ぜひインターネット契約とスマホ契約のセット割引を意識してください。家族全員がauユーザーの場合には「auひかり」、docomoユーザーの場合には「ドコモ光」、Softbankユーザーの場合には「ソフトバンク光」を選ぶことで、毎月のスマホ料金が一人あたり月額500円~1,000円程度割り引きされるのでおすすめです。
保険の見直し
私たちの周りには、死亡保険や医療保険、自動車保険や火災保険など、さまざまな保険があります。ほとんどの方がいずれかの保険に加入しているのではないでしょうか。これらの保険も、時代の背景に合わせて少しずつ進化していくもの。より顧客のニーズに合った保険商品が続々と発売されています。そのうち生命保険に関しては、必要な保障額や切り替えのタイミングなどの難しい点もありますので、専門的なアドバイスがあったほうが安心ですが、損害保険については、ある程度自分でも見直すことが可能です。
自動車保険
自動車保険には、代理店の担当者を通して加入する「代理店型」とインターネットなどで加入する「通販型」がありますが、通販型のほうが保険料は安くなるケースが多いので、更新のタイミングで切り替えるという方法もあります。しかし、やはり対面で詳しい説明を聞かないと安心できないという気持ちがある場合、自分で補償内容をチェックしてみましょう。たとえば、運転者の範囲や年齢条件。自分しか運転しないのであれば「本人限定」にするなど、補償の対象となる範囲を限定することで保険料を抑えることができます。
また、運転する人の年齢条件を絞り込むことでも保険料が安くなりますが、その際に誤解されやすいのが年齢条件の対象範囲です。「たまに友人が運転するから」「親戚の子が運転するから」という理由だけで年齢条件の幅を広げるのは、実はとても無駄なこと。年齢条件の対象になるのは、主に車を運転する人とその配偶者、またはいずれかの同居親族、あるいはそれらに該当する人の業務に従事中の使用人とされています。
つまり、たまに運転する友人や一緒に住んでいない親戚の子などが運転しても、年齢条件に関係なく補償の対象になるのです。ただし、これは運転者の限定がついていない場合ですので、注意してくださいね。
自転車保険
最後に、自転車保険についても触れておきましょう。2015年に兵庫県で義務化されて以降、自転車保険を義務化する自治体が増えています。これは、たかが自転車の事故と思いきや、億単位の損害賠償が発生するケースもあるため、こうした背景から「自転車保険」というものを耳にする機会も増えてきました。しかし、場合によっては加入しなくてもいいケースがあるのをご存じでしょうか。
自転車保険の多くは、自己の相手に対する賠償と自分のケガに対する補償がセットになっています。この両方を担保できるのであれば、あえて加入する必要はないということです。実は、自動車保険や火災保険などの特約として、個人賠償責任補償が付帯していることが多くあります。これは、日常生活の事故で法律上の損害賠償責任を負った場合に使うことができるものですので、もし自転車事故で相手にケガをさせてしまった場合でも有効です。
そのため、もう一つの部分である「自分のケガの補償」について、医療保険などでカバーできるというのであれば、別途加入しなくても問題ないということになります。補償が重複していないか、ぜひ加入している損害保険の証券を確認してみてください。
このように、自分で見直せる固定費もありますので、まずはできるところからチェックしてみてはいかがでしょうか。そして、じっくりと時間をかけて住居費や生命保険の見直しもしてみてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2020年7月3日時点のものです)