「仮想通貨」と「電子マネー」。どちらも最近、耳にすることが多くなった言葉です。実際に利用されている方も多いと思いますが、これらの違いをきちんと理解している方はなかなか少ないのが現状です。今回は「仮想通貨」と「電子マネー」の違い、そして「仮想通貨」を利用する際の注意点について解説します。
どう違う?
仮想通貨と電子マネー
2020年8月26日
仮想通貨と電子マネーの違い
仮想通貨とは、コンピュータやスマートフォンを介して使う、インターネット上の通貨のようなものです。電子マネーと似ていますが、電子マネーの利用は商品やサービスなどを購入する際の決済に限定されているのに対し、仮想通貨はそのような決済に加え、日本円との交換や送金にも利用可能です。このように汎用性が高く、スマートフォンのアプリなどで簡単に利用できることから、最近注目されています。
仮想通貨の運営・管理
仮想通貨の管理方法および運営方法には特徴があります。電子マネーは、特定の企業によって管理および運営されているのが特徴ですが、仮想通貨は、誰もが運営に参加できる仕組みとなっています。ここが仮想通貨の大きな特徴といえます。例えば仮想通貨の一つである「ビットコイン」は、世界中に多く存在する運営参加者のコンピュータが、「ブロックチェーン」という技術を用いて管理しているのです。
仮想通貨の使い方
仮想通貨はネット上の取引所(仮想通貨交換業者)を通して利用します。利用者は取引所にアカウントを登録し、パソコンやスマートフォンのアプリを使って銀行口座から支払うなどすることで仮想通貨を入手します。仮想通貨の購入価格は相場で決まり、例えば上で紹介したビットコインであれば、1ビットコインあたりおよそ99万円(2020年7月3日時点)で取引されています。その他にも、もっと少額の単位で購入することもできます。
仮想通貨利用のもう一つの目的
仮想通貨は商品の購入に加え、送金などに利用できますが、その用途の一つとして、銀行よりも手数料が格安な海外送金が注目されています。また、価格が大きく変動することもあり、投資目的で売買する人も少なくありません。 国内では一部の家電量販店や電気料金の支払いにも利用できるようになったことから、今後はさらに利用場面が広がっていくと予想されます。
仮想通貨と電子マネーのサービスと法規制
1.仮想通貨:ビットコイン、イーサリアム
これらは取引所(仮想通貨交換業者)が規制対象となり、登録制となっています。利用者への適切な情報提供義務、および口座開設時などにおける本人確認が義務化されています。
2.電子マネー(ICカード型):SuicaやPASMO、ICOCA、PiTaPaなどの乗車券機能と一体型のものや、WAONやnanaco、楽天Edyなどショッピング用のものがあります。
3.電子マネー(サーバー型):iTunesギフトカード、Googlepayギフトカード、Amazonギフトカード、ウェブマネー、ビットキャッシュなど、電子マネー(ICカード型・サーバ型共に)の発行会社(前払式支払手段発行者といいます)が規制対象となり、発行額の2分の1の供託などが義務化されています。
仮想通貨利用における注意点
仮想通貨は全てコンピュータが自動処理を行うため、誤って別の人に送金したり、購入単位を間違えて過大な支払いが生じたとしても取り消すことができません。利用する際には、インターネットに関するある程度の知識が必要となります。 また、国や金融機関が保証しているわけではありませんので、価格が大きく下がることも考慮しておかなければなりません。
匿名性による問題点
仮想通貨には上で述べたように様々な種類が存在しますが、中でも匿名性の高さが特徴の仮想通貨が時価総額上位に入っています。匿名性の高い仮想通貨はリング署名やプライベートセンドなどという技術で匿名性が確保されています。しかしながら、匿名性の高さによる問題点も存在します。匿名性が高いということは、誰が送金したのか分からないということに繋がります。そして、その結果マネーロンダリングや脱税目的で使われてしまうという危険性も併せ持っていることを理解しておきましょう。
また、仮想通貨は全てコンピュータが自動処理を行うため、誤って別の人に送金したり、購入単位を間違えて過大な支払いが生じたとしても取り消すことができません。利用する際には、インターネットに関するある程度の知識が必要となります。
また、国や金融機関が保証しているわけではありませんので、価格が大きく下がることも考慮しておかなければなりません。つまり、取引所に預けていれば安心というわけではないということも理解しておきましょう。 ブロックチェーンという技術を利用した仮想通貨は将来性が期待されていますが、まだ成熟していないため問題点も多く存在するのです。
仮想通貨は慣れれば使いやすく、便利なものですが、通貨として使う場合でも、投資対象として売買する場合でも、リスクや問題点についてしっかりと把握したうえで利用することが大切です。
(※本ページに記載されている情報は2020年7月3日時点のものです)